Column

都立小松川(東京)「ボトムアップ方式で主体性を強化!夏は『番狂わせ』を起こしたい」

2019.07.04

春季東京都大会でベスト16で夏のシード権を獲得


都立小松川(東京)の集合写真

■この夏は同校初のシード権を獲得

 春季東京都大会でベスト16に進出し、同校初の夏のシード権を獲得した都立小松川。チームは現在、3年生10名、2年生8名、1年生5名の計23名で活動しており、グランドはレフト側のスペースが手狭であるが、ゴロ打ちやバントなどの実践練習を多く取り入れて工夫した練習を行っている。

■自主練習を重視し、それぞれの課題を克服する

 そんな都立小松川野球部の今年のチームのウリは、「お互いを褒め合える、先輩後輩の関係であっても指導者に対しても思ったことを伝えられる、どんな状況でも楽しんで野球が出来る」の3つだ。練習では自主練習が非常に重要視されており、選手それぞれが常に自分に足りていないところを徹底的に練習している。

■「ボトムアップ」のチームへ

 新チームがスタートした際は、「どうしたら野球を楽しめるか」をチームで考えた結果、自分たちで主体的に取り組む「ボトムアップ」のチームのスタイルで戦っていくことを決意した。
 またオフシーズンのトレーニングでは数値目標を設定して、笑顔を絶やさぬようにトレーニングを重ねてきた。こうした取り組みが、春のベスト16へと繋がっていったのだ。

■課題と目標が生まれた日大三戦

 だがそんな中で、春季大会では非常に印象に残る負けも経験した。昨夏の第100回選手権大会ベスト4の日大三との対戦だ。4回戦まで勝ち進んで都立小松川だったが、5回まで互角の戦いをみせるものの、後半にスタミナが切れて一気に大量失点。悔しさを経験すると共に、夏への目標も出来た。
 春季大会での敗戦を踏まえて、現在は打撃力を上げて打ち勝つ野球を目指して野球に取り組んでいる。

■この夏の注目選手!

 ここからはチームの主力選手を紹介していく。ここまで活躍を見せた選手として名前が挙がったのが、水野凛叶大関零松村元紀森瀬勇希武者智英の5人だ。
 まず水野は出塁や打点のにおいてチームに貢献し、大関は堅守と長打が持ち味の選手だ。また松村は投手としてチームを牽引して俊足も併せ持ち、森瀬は本塁打を打てる打撃が魅力だ。リーダーシップが持ち味である武者は、ここまでチームの精神的な支柱となっており、夏も彼らの活躍に期待が懸かる。

関連記事はこちらから!
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[page_break:「小松川旋風」を巻き起こしたい/ボトムアップ方式を取り入れて選手が主体的に]

「小松川旋風」を巻き起こしたい


春季大会の水野凛叶(都立小松川)

 ここからは松村元紀選手と水野凛叶選手に話を伺いました!

Q.夏へ向けて見つかった課題を教えてください

松村:個人としては、どんなボールでも粘ってヒットにするバットコントロールで、チームとしては途切れない打線です。
水野:ボールに振り負けないスイングスピードと屈強な下半身です。また投手としても、制球力の安定とストレートに磨きをかけたいと思います。

Q.ここまで振り返って、高校野球で一番の思い出を教えてください

松村:春季大会で勝ち上がり、日大三と対戦したことです。最後は地力の差を痛感させられたが、途中まで接戦で戦えたことは自信になりました。
水野:春季大会です。チームとして勝ち上がる経験が無かったので、夏を前に勝ち上がることの難しさを経験出来て良かったと思います。

Q.応援する方々へ自分のここを見てほしい、というアピールポイントを教えてください!

松村:なかなかホームを踏ませない、粘り強いピッチングです。
水野:打撃では高いボールコンタクト率で、守備では肩の強さを見て欲しいと思います。

Q.このチームの好きなところは、または他のチームに負けていないところはどんなところですか?

松村:ボトムアップのスタイルを取り入れて、誰とでも意見が言い合えるところです。
水野:たとえ負けていても、簡単に引き離されない張り強さと、ひっくり返す爆発力です。

Q.この夏はこういう夏にしたい!というのを教えてください

松村:春のように一戦一戦粘り強く戦っていき、「小松川旋風」を巻き起こしたいと思います。
水野:シード校として戦わせてもらうが、自分たちはチャレンジャーです。誰も予想しない「番狂わせ」を起こしたいです。

松村選手、水野選手ありがとうございました。

ボトムアップ方式を取り入れて選手が主体的に

 ここから都立小松川の西山翔監督にお話を伺いました!

Q. 今年のチームは結成時から夏に向けてどんなチームを目指しましたか

 ボトムアップ方式を取り入れ、ただ指導者に言われたことをこなすのではなく、自分たちでメニューを考えるやり方を継続してきました。
 その結果、練習試合などでも選手同士の会話が増え、投手の攻略法や狙い球を絞るなど、自分たちで考えることができるようになってきました。また練習試合の結果を踏まえ、その反省を練習メニューに取り入れることにより、部員の多くが主体的に練習に取り組めるようになりました。この成果を夏の大会で十分に発揮して欲しいと思います。

Q. 最後の夏に燃える3年生や部員たち皆様へのメッセージをお願いします

 部として新たなことに挑戦し、様々な困難を乗り越えてここまで来ましたね。悔いを残すことなく、3年生は一生に一度しかない夏の大会を思う存分戦って欲しいと思います。
 春の結果に奢ることなく、常に挑戦者の気持ちで行けば、自ずと結果はついてきます。家族、友人、学校関係者、地域の方など支えてくれた皆様への感謝の気持ちを忘れず、それを力に変えて、最後までやり抜こう。

 西山監督、そして都立小松川高校野球部の皆さんありがとうございました!

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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