津田学園vs菰野の3度目の対決は実現なるのか?2大勢力を崩す新勢力にも期待!【三重大会展望】
昨夏の第100回大会は、伏兵三重白山が初出場を果たして波乱を起こした三重大会。今夏は今春のセンバツにも出場を果たし、春季東海地区大会を初めて制した津田学園が中心となっていくと予想される。組み合わせから、夏を展望してみた。
大会日程・組み合わせ
第101回全国高等学校野球選手権三重大会
津田学園を食い止める学校はどこだ?
優勝候補・津田学園
シード校は4校。参加は62チームなのでシード校でも1回戦が免除となるのは春季県大会で優勝した津田学園と、2位の菰野の2校のみで、他の三重と津商はシード校といえども1回戦からの登場となる。
各シード校から、ブロックごとに見ていくと、本命と目されている津田学園のゾーンはベスト8までの相手としては四日市中央工、木本、久居農林がいるが、順当にいけば津田学園が勝ちあがっていくであろう。津田学園の佐川竜朗監督としては、ここまでの戦いではいかにエースの前佑囲斗君の負担を軽減していかれるかというところだろう。
東海地区大会などを通じて成長してきた降井隼斗君、榮龍騰君がしっかりと投げ切っていくことが大切になってくる。準々決勝では皇學館あたりが出てきそうだが、四日市も期待したい。いずれにしても、津田学園に挑む形となる可能性が強い。
その津田学園がベスト4で当たりそうなのが津商ということになるが、ここにはシードから外れたが、春季大会は3位決定戦で津商に競り負けたいなべ総合学園がいる。おそらく、3回戦でこの両校が対決することになりそうだが、いなべ総合学園には四日市工と春ベスト8津西の勝者が当たる。また、津商は初戦で宇治山田商、次が昨夏準優勝の松阪商と宇治山田の勝者と難敵が続く。
どういう状態で津田学園と戦えるのか、ということになるが、津商にしてもいなべ総合にしても、まずは3回戦突破。それが出来れば、準々決勝はクリアできそうなので、準決勝の津田学園戦に万全で挑みたいところである。
[page_break:菰野はハンディキャップをどう埋めるのか?]菰野はハンディキャップをどう埋めるのか?
岡林勇希(菰野)
反対側の山では菰野のゾーンは白子、伊賀白鳳あたりが3回戦までの壁となりそう。さらに、準々決勝では桑名西、相可あたりが出てきそうだ。
相可には100kg級の大砲村田怜音君がいて、園田望も注目だ。ところで、菰野の場合の一番の心配事は、不祥事により大会直前まで対外試合禁止という処分が下されているので、大会がいきなりぶっつけ本番になるということだ。そういった状況で果たして、岡林勇希君がどこまで調整出来ているのかということになる。
三重のゾーンでは、昨夏の代表校三重白山が鳥羽との初戦を制すると2回戦でまみえることになる。三重白山は甲子園効果で同校としては異例の30人もの新入生が入った。さらには近大高専と松阪工の初戦も興味深い。この勝者が3回戦で三重に挑むことになりそうだ。
準々決勝では秋ベスト4の海星を筆頭に鈴鹿、伊勢工あたりが続いている。鈴鹿と伊勢工は春季県大会も初戦で当たっており2対1で伊勢工が勝っている。またしても初戦で両校がぶつかるという因縁だが、伊勢工の地元での試合となるだけに、伊勢工がやや有利か。
最終的には、菰野と津田学園の決勝となる可能性が高いが、昨秋は準決勝で当たり岡林君と前君が投げ合い菰野が3対2で勝利。今春は決勝で当たり、岡林君も前君も登板回避の試合で打ち合いとなり津田学園が10対9でサヨナラ勝ちしている。公式戦で1勝1敗という両雄、果たして夏の決勝舞台で雌雄を決することになるのだろうか、あるいはどこかがそれを阻止するのか。そこも興味深いところである。
文=手束 仁