Interview

今秋ドラフト候補!二塁送球タイム最速1.72秒の強肩の持ち主・海野隆司(東海大)【前編】

2019.05.23

 昨秋の日本シリーズでは甲斐拓也(ソフトバンク)が盗塁を6連続で阻止しMVPに輝いたが、今秋のドラフト候補にもたぐいまれな強肩と優れた守備力で高い評価を得ている選手がいる。それが二塁への送球タイムが最速1.72秒と、驚異の数字を誇る東海大の海野隆司選手だ。

捕手一筋の野球人生の始まり

今秋ドラフト候補!二塁送球タイム最速1.72秒の強肩の持ち主・海野隆司(東海大)【前編】 | 高校野球ドットコム
ミットを構える海野隆司(東海大)

 海野選手が野球を始めたのは小学校1年生のとき。2人の兄が野球をやっていたことから自然と始めていたという。

 キャッチャーにコンバートされたのは小5のとき。「他にボールを受けられる選手がいなかったので、監督から『やれ』と言われたんです。でも、正直なところ、キャッチャーをやっていて楽しいと思ったことはないですね。やり甲斐はありますけれど」。とはいえ、それから現在まで捕手一筋の野球人生を歩んでいる。

 高校は関西(岡山)に進学。「岡山県で[stadium]甲子園[/stadium]に近いチームといえば関西ですから、中学生の頃には『自分は関西に行くんだ』と周囲に宣言していました」。

 ただ、高校生の頃はかなりハードな毎日を過ごしていたという。「自分は通いだったこともあって、毎朝5時すぎには起きて、グラウンドに着いてから軽く走って。それから練習試合をして、練習をして、また走って、やっと帰宅するのが夜の11時ごろ。そして、翌朝はまた5時に起きて……という感じだったのでキツかったですね」。

 なかでもランニングのメニューがたいへんだった。「外周だったり、グラウンド1周だったり、ポール間だったり、長めの距離を走ることが多かったんですが、そのおかげでメンタルは強くなりました。そうやって心身ともにギリギリまで追い込んだ練習を経験できたのは良かったですね」。

 また、キャッチャーとしてストップの練習にはかなりの時間を費やした。「マシンでワンバウンドのボールを2箱分くらい。一年中、ひたすら止めていたら怖さがなくなったんです。ストップは形(技術)よりも気持ちが大事なので、恐怖心を克服できたのが、今につながっていると思います」

[page_break:「甲子園出場」を最大の目標に努力し続けた高校時代]

「甲子園出場」を最大の目標に努力し続けた高校時代

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関西高校時代の海野隆司

 1年秋にベンチ入りを果たし、2年春にはレギュラーポジションを獲得した海野選手。

 その要因としてスローイング面での技術向上が挙げられるのだが、具体的にどのようなトレーニングをしていたのだろうか。

 「まず1つ目は、地面に向かって思い切りボールを叩きつける練習をしました。これはボールが指にかかる感覚やイメージを覚えるためにやっていたのですが、セカンドへの送球も同じ感覚で投げられるように意識しました。2つ目は手首のスナップをきかせて真上へボールを投げること。これはヒマなときはいつもやっていました。あとは手首の柔軟(ストレッチ)。左手で右手の指先を掴んで、手首を前後に押し、柔軟性を高めるようにしました」。

 こうしたトレーニングを積み重ねたことによって、「元々、肩には自信があったんですが、ひと冬が明けたらさらに肩が強くなっていた印象なんです」と、かなりの効果があったようだ。

 高校2年の夏には[stadium]甲子園[/stadium]に出場。「高校で野球をやる以上、[stadium]甲子園[/stadium]に出ることが最大の目標だったので達成できて良かったです」。

 ただ、チームは初戦で富山商(富山)に1対3で敗退し、「緊張しましたし、試合時間が短かったこともあって、あっという間に終わってしまいました」と振り返る。

 [stadium]甲子園[/stadium]を経験してからは「追われる立場なので、しっかりと練習しなければいけないという気持ちになりました」と海野選手。

 その後も、守備力を上げる練習に取り組んでいたというが、3年夏は岡山大会の3回戦で金光学園に2対4でまさかの敗戦。「負けるとは思っていなくて、試合後は『終わったんだな』という感じでした。ただ、気持ちはすぐにきりかえました」

 こうして東海大に進学した海野選手。後編では東海大に進学し成長した秘訣、大学侍ジャパン代表に選出されてからのお話を伺います!

文=大平 明

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