試合レポート

沖縄水産vs明石商

2019.05.19

両軍合わせて29安打の乱打戦。終盤3イニングで突き放した沖縄水産が唯一の勝利を収めた

沖縄水産vs明石商 | 高校野球ドットコム
マウンドに集まる沖縄水産

【熱戦の模様をギャラリーでチェック!】

 5回、沖縄水産が大量5得点を挙げ7対0としたが、このまま引き下がれない明石商も6回、7打者連続の長短打で一挙6得点。稀に見る乱打戦となった。

 エース中森俊介が投げておらず且つ、沖縄特有の蒸し暑い気候に多少苦しんだ明石商とはいえ、全国ベスト4のチームを相手に沖縄水産が投打で圧倒した。

 初回、沖縄水産は先頭の上原大那が出塁。犠打で送った直後、ショートゴロを河野光輝が三塁へ悪送球してしまい明石商が先制を許した。続く2回も明石商はピリっとしない。下位打線だったがヒットと死球で二・三塁とされ、上原大にライト前へ運ばれ得点を許した。

 打線は1回裏、一死二塁として同じようにショートゴロだったが三塁でアウト。2回には二死から、河野が先ほどの送球ミスを取り返す二塁打を放ったが後続が続かず。3回にも先頭の宮口大輝がライト前ヒットで出たものの、頼みの1,2,3番が全て内野ゴロに斬られどうにもならない。4回は窪田康太岡田光の連打と死球で一死満塁としたが、浅いセンターフライとセカンドフライ。気負いすぎたのか、昼過ぎから猛烈な直射日光と朝からの小雨の影響の湿気に慣れないからなのか。少し、集中力が欠けているかなという印象だった。

 こちらに来た流れを引き寄せられないと、向こうに傾くのが野球。5回表、沖縄水産は2番平安常人がヒットで出塁。宮口がけん制するも、一塁の重宮と合わず悪送球となり二塁へ。春の大会は手のケガで出ていない川端琉一朗がセンター前へ運び1点目。4番真栄城徳二郎もセンター前へ続き一・三塁とする。一死後、エラーで2点目を挙げると友寄力斗がライトへ大きな当たり。二人を返す二塁打(ライトのエラーがプラスされ三塁へ到達)で2点。二死後、古波蔵にもタイムリーが出て大量5点を奪ったのだった。

 コールドゲームの汚名は着たくない明石商が意地を見せたのが6回。このイニング先頭の窪田が内野安打で出塁すると打線に火が付く。岡田がライトへの二塁打で窪田が生還。ワイルドピッチで三進すると河野がライト前へ運び岡田が生還する。井上隼斗もライトへ続くと宮口がレフト前へ運び3点目。トップへかえり来田涼斗のライト前ヒットで7打者連続安打の猛攻が完成。一死後、ワイルドピッチで4点目を奪うと重宮涼の犠牲フライで5点目。最後は安藤がライト前へ。三塁へ到達した来田が、相手のエラーの間に本塁へ向かい大量6点目が刻まれた。打者一巡となり窪田がこのイニング2打席連続安打をマーク。7点目には及ばなかったものの、この回だけで8安打を集め周囲を驚かせた。

 追い上げられた沖縄水産だったが、ここからがさすが。7回には友寄が三塁打を放ち得点に絡めると8回には三木健正のタイムリー二塁打、9回にも上原大にタイムリーが生まれ二桁得点。明石商との29安打の乱打戦を制し、県勢として唯一の一矢を報いたのだった。

(文・写真=當山 雅通 ~img38=中谷 明

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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