Interview

都立唯一のベスト4・小山台に現れた強打の核弾頭・池本仁志が追求する「一番像」とは

2019.04.28

リードオフマンとしてチームを牽引する打者を目指して

都立唯一のベスト4・小山台に現れた強打の核弾頭・池本仁志が追求する「一番像」とは | 高校野球ドットコム
池本 仁志(都立小山台)

 都立勢唯一のベスト4。過去には選抜に出場した経験を持つ都立小山台。名将・福嶋正信のもと、昨秋は都大会初戦敗退だったチームがここまで勝ち上がった。

 夏の第一シードを確保した都立小山台をまとめるのは池本仁志だ。早稲田実業戦では伊藤大征から高校通算5本目、そして公式戦初となるホームランを放ちチームの勝利に貢献するなど、1番打者としてチームを牽引する。

 その池本に国士舘戦後に話を聞くと、「早稲田実業戦と同じく、相手の方がレベルが上なので、とにかく狙い球を絞ってきたら積極的に打とうと話をしました。
 ただ自分が四球でも出塁すればよかったですが、1度も塁に出られなかったので、打線がつながりませんでした。」と反省を口にした。

 さらに続いて「これまでは勢いで何とかなりましたが、個人の力やチームの力を上げないと強豪に勝てない。勢いだけでは勝ちきれないので、個人個人が強豪校に引けを取らないようにいけないと思います。
 あとは精神面、準決勝まで来て自分たちは上がってしまったが向こう(国士舘)は落ち着いていました。そういった精神も強くしていかないといけないです。」とこれからの課題を語った。

都立唯一のベスト4・小山台に現れた強打の核弾頭・池本仁志が追求する「一番像」とは | 高校野球ドットコム
池本 仁志(都立小山台)

 しかし春季大会を通じて、「世田谷学園早稲田実業は接戦でもスタンドの応援も一体になって勝てたのは要因だったと思います。そういったチーム全体での力は持ち味だと思います。」と確かな手ごたえも感じていた。

 池本はセンバツに出場をしたことをきっかけに都立小山台のことを知り、野球だけではなく学校生活などに全力で打ち込む姿に心惹かれ入学した。

 都立小山台と言えば日本一練習時間が短いなど、練習環境が限られているが「限られているからこそできることもありますし、自主練の時間はどこよりもあるので、そこは言い訳にならないです。」と池本は考え自主練を大事にしている。

 そんな池本のバッティングフォームはコンパクトで落ち着いた構えで、広角に打ち分ける。打席の中の姿や立ち振る舞いは身長180センチ68キロの高身長で引き締まった体格と相まって、どこかセンスを漂わせるオーラを感じさせる。

 実際に池本自身は打席の中で余裕や落ち着きを大事にしているそうで、ある選手の雰囲気を参考していると語る。
 「技術に関しては素直に打ち返しているだけで、なるべく開かないようにするぐらいしか意識はしてないです。ただ落ち着きとか堂々している根尾昂選手の打席姿は参考にしています。」

都立唯一のベスト4・小山台に現れた強打の核弾頭・池本仁志が追求する「一番像」とは | 高校野球ドットコム
池本 仁志(都立小山台)

 昨夏は東東京で準優勝の成績を残した都立小山台。それを経験している池本に対して福嶋監督も今のチームの中心人物の1人として名前を上げるほど期待は大きい。主将にしているのが何よりの証拠だろう。

 新チーム結成時、「新チームスタートが遅れてその分、チームカラー、自分たちはどんなチームにするのか。そこが決まらなかったですが、去年の準優勝のチームの良さを引き継ぎ、ミーティングを重ねながら自分たちのチームカラーを今も探している。」と主将として試行錯誤の日々を過ごしている。

 その池本に最後に理想の1番打者について聞くと、
 「自分の打席で苦しい場面を救える、勝ちに貢献できる。チャンスメイク、チャンスで1本打てる。チームを引っ張れる1番打者になりたいです。そのためにもバットを振り込んでいこうと思います。」と答えた。

 夏は第一シードの都立小山台。主将として、そして1番打者として池本仁志の試行錯誤はまだまだ続いていく。

文=編集部

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.03

【滋賀】近江、滋賀学園などが夏のシード権をかけた準々決勝へ!<春季県大会>

2024.05.03

目指すは世界一!代表候補の座を射止めた6人の逸材たち

2024.05.03

【埼玉】春日部共栄の「反撃」なるか、5年ぶりの関東切符狙う<春季県大会>

2024.05.03

【春季埼玉県大会】山村学園の打線が爆発!エース西川も好投!立教新座を一蹴し準決勝進出!

2024.05.03

【春季埼玉県大会】花咲徳栄、投手陣の底上げに成功!中学時代から注目された左腕コンビの活躍でベスト4へ

2024.04.29

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.28

【滋賀】滋賀学園、彦根総合が初戦を突破<春季県大会>

2024.04.29

【福井】福井工大福井、丹生、坂井、美方が8強入り<春季県大会>

2024.04.28

【静岡】藤枝明誠、日大三島、浜松開誠館、静岡などが8強入り<春季県大会>

2024.04.29

【春季埼玉県大会】今年の西武台はバランス型!投手陣の完封リレーで初戦突破!

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>