試合レポート

立命館宇治vs塔南

2019.04.14

立命館宇治が逆転勝利

立命館宇治vs塔南 | 高校野球ドットコム
7回に本塁打を放った立命館宇治の浅野彰久

 昨夏準優勝の立命館宇治と昨夏8強の塔南による1次戦屈指の好カードは期待通りの接戦となった。

 立命館宇治の先発は背番号1を付けた左腕の髙木要(3年)。序盤から制球に苦しむも、球威のあるストレートにスライダー、カーブ、チェンジアップを投げ分け、3回まで塔南を無安打に抑える。

 対する塔南の先発は背番号18だが、実質的エースの左腕・北﨑響生(3年)。持ち前の制球力がこの日も冴え、ストレートを丁寧に投げ分けて立ち上がりの2回をパーフェクトに抑える。

 先制したのは立命館宇治。3回裏に先頭の7番・古賀風地(3年)がライト線へ三塁打を放ち先制のチャンスを掴む。その後、一死一、三塁となり、1番の今野優斗(3年)がスクイズを決めて、1点を奪う。

 対する塔南は4回表、先頭の5番・北﨑が四球で出塁すると、続く6番・谷口慎之介(3年)が犠打を決めて一死二塁とする。ここで7番の主将・近藤大輝(3年)がレフト前に適時打を放ち、すぐさま同点に追いついた。

 さらに塔南は5回表に制球の定まらない髙木を攻めて一死二、三塁のチャンスを作ると、4番・山本息希(2年)がレフト前への適時打で1点勝ち越し。さらに続く北﨑も髙木の変化球に上手く対応して三遊間を破る適時打を放ち、もう1点追加する。

「前半は緊張で上手くかみ合っていなかった」と5回まで7四死球を与えていた髙木だが、6回以降は立ち直ってテンポのいい投球を披露。守備からリズムを作って味方の反撃を待つ。

 すると7回裏、先頭の4番・浅野彰久(2年)が高めのストレートを振り抜くと、レフトの頭上を越えるソロ本塁打に。高校通算8本目(本人談)という一発で1点差と迫った。浅野の本塁打で勢いづいた立命館宇治はその後も北﨑を攻め立て、一死満塁とする。ここで9番・星川健太(2年)がレフト前に適時打を放ち同点。さらに続く今野のレフトへの犠飛で三塁走者が生還し、立命館宇治が逆転に成功した。

 立命館宇治は8回裏にも6番・荒井豪太(2年)の適時二塁打で1点を追加。リードを貰った髙木は9回の塔南の攻撃を3人で抑えて完投勝利。注目の一戦は立命館宇治が勝利し、敗れた塔南はノーシードで夏を戦うことが決まった。

「試合展開には苦しかったですが、7回に畳みかけられたので良かったです」と振り返った立命館宇治の里井祥吾監督。6回までは北﨑を打ちあぐねていたが、浅野の一打で流れを一気に引き寄せたのが勝因となった。今後の春の戦いについては「公式戦で勝つことでチームは成長すると思うので、一戦必勝で戦っていきたい」と話している。夏に向けて勝ち癖をつけていきたいところだ。

 敗れた塔南は後半に北﨑が捕まり、無念の結果となった。本来は4番捕手の重責を務める清水颯(3年)ら野手に数名の故障者が出てスタメンを外れるなど、本来のメンバーで挑めなかったのも響いた。「野手が競争してそれぞれのポジションでレベルアップしてくれたら十分に甲子園を狙えるチームになると思います」と語った奥本保昭監督。悲願の甲子園初出場に向け、夏での巻き返しに期待したい。

(文:馬場 遼

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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