試合レポート

舞子vs神戸高専

2019.04.04

今年の舞子は1番と9番にご注意を!

舞子vs神戸高専 | 高校野球ドットコム
9番藤井(舞子)

【熱戦の模様をギャラリーでチェック!】

 兵庫県大会地区予選決勝戦。すでに県大会出場が決まっており、この決勝は順位決定戦だ。秋では地区予選敗退だったが、県大会出場を決めた舞子神戸高専の対決は打ち合いとなった。

 まず先制したのは神戸高専。一死一、二塁から7番金沢の適時二塁打で1点を返し、代打・久米の犠飛や1番清水の適時三塁打などで一気に4点を入れて逆転に成功。しかし神戸高専も2回裏、二死から連打でチャンスを作り、3番鈴木の適時打で1点を返せば、4回裏にも2番手としてマウンドに登る丸谷が右前適時打を放ちに同点に追いついた。

 4回表、舞子は6番福島の三塁打をきっかけに敵失、犠飛などで一気に4点を追加。1点を返されたが、8回表には、1番清水の適時打、9回表に7番金沢の適時打、9番藤井の適時二塁打、押し出しで4点を入れ、13得点。最後は3投手の継投リレーで快勝した。

 印象に残ったのが舞子打線の迫力だ。どの打者も下半身の充実ぶりが素晴らしく、打球も鋭い。きっかけは学校内にあるウエイトリフティング部の先生から指導を受けたことが大きいようだ。小野賢一監督によると「どの選手も伸びて去年の上位打線を打っていた選手をあえて下位打線にするほど厚みがましました」と手ごたえを感じている。

 3打点の活躍を見せた主将の清水敦耶(右投げ左打ち・サード・170センチ68キロ)は秋までは3番打者だったが、この春から1番打者となった。清水もウエイトリフティング部の指導で大きくパワーアップした。
「先生からどの部位を鍛えればいいのか、非常に参考になりました。僕は下半身の部位を鍛えていきました」

 一冬開けると、飛距離が伸び、左中間方向への打球の伸びが出てきたと感じた清水。打撃を見ていてもどっしりとした構えで下半身主導でスイングができるので、打球の1つ1つが鋭い。また、もともと二遊間を守っていたということもあって、三塁守備は身のこなしが良く、捕ってから投げるまでの動きが速く、スローイングも安定している。強豪校の野手と比較手してもそん色ない力量があり、タイプ的には神戸の野邊優汰(明豊)みたいな選手だと思っていただければいいだろう。

 また9番の藤井秀悟(右投げ右打ち・ライト・173センチ68キロ)はもともと1番打者。構え遅れがなく、レベルスイングでしっかりとパンチショットできる技術力の高さ、颯爽と駆け抜けるベースランニングのうまさは素晴らしく、本人が最も自信にするのはスローイングで、遠投100メートルを誇る。藤井は打撃を意識することについて
「どれだけバットを前に出して捉えられるかを意識しています」としっかりと自分の打つべきポイントを理解している。

 今年の舞子は1番、9番に要注意だ。

 敗れた神戸高専もボールを捉える能力が高い選手が多く、三塁手ながらマウンドに登り、125キロ前後の速球を投げ込んだ鈴木、投手だけではなく、センターでも反応の良い守備を見せた竹澤とセンスが高い選手が多かった。

(取材=河嶋宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.18

【長崎】長崎西、島原中央などが初戦を突破<NHK杯地区予選>

2024.05.17

【春季関東大会注目野手一覧】超高校級のショートトリオ、健大高崎の強肩捕手など24人の逸材野手をピックアップ!

2024.05.17

【関東大会注目チーム紹介】13年ぶりの春季埼玉王者・花咲徳栄打線は超強力!ドラフト上位候補スラッガー・石塚を中心に県大会58得点!

2024.05.17

「野球部や高校部活動で、”民主主義”を実践するには?」――教育者・工藤勇一さん【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.5】

2024.05.18

国民的人気だった韓国の高校野球はなぜ凋落したのか? “韓国の甲子園球場”の撤去、少数エリート制度の弊害……【韓国高校野球事情③】

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.05.13

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?