山梨学院を追う存在は?シード8校を中心に激戦が予想される春の山梨を分析!
4月13日から開幕する第71回春季関東地区高校野球山梨県大会。計35校が登場する今大会は3連覇を狙うセンバツ帰りの山梨学院が中心となる。
まず展望に入る前に山梨県大会のシードのシステムについて説明したい。
Aシードは昨秋の県大会でベスト4入りした4校。優勝の東海大甲府、準優勝の山梨学院の私立2校と、3位の甲府工業、4位の甲府城西の公立校2校がAシードに構えている。
秋季大会ベスト8のBシード校は都留、駿台甲府、日本航空、甲府第一の4校だ。シード校を軸にそれぞれの見所、注目選手を述べていきたい。
東海大甲府・甲府城西ブロック
左:加藤匠(東海大甲府) 右:根上真(都留)
東海大甲府ブロック
秋季大会優勝の東海大甲府は主将の加藤匠が投打の中心となって活躍するだろう。加藤は秋季関東大会でセンバツ準優勝の習志野高校に対して1人で投げ抜き、球速もMAX 140km/hを超えるなどスピードでは県内No. 1を誇るエース右腕だ。
打撃面では秋季関東大会でHRを放っている大型三塁手・鈴木虎河、習志野戦で適時打を放った巧打の二塁手・齊藤龍成など、ほかにも力量の高い選手が揃う。いかに打撃をつなげてエースを助けられるかが課題になってくるだろう。
同ブロックで登場する日大明誠は昨夏を経験している3年生が多く、勝負をかけた年となる。昨秋の初戦では駿台甲府に敗れたが、東海大甲府を脅かす実力は十分にある。
このブロックはBシードの都留高校が構える。初戦は山梨市川と対戦。昨夏も3回戦しており、盛り上がりを見せそうだ。
都留は昨年からのエース根上真投手を筆頭にどこまでチームを作り上げてくるかに期待がかかる。都留高校の初戦、山梨市川高校は都留に対して夏の大会でのリベンジがかかっており、この公立校対決にも注目だ。
左:大須賀秀人(駿台甲府) 右:橘田純一(甲府城西)
甲府城西ブロック
注目の2枚看板の辻英壱彗投手、橘田純一投手を擁する甲府城西がAシードのこのブロックはBシードに駿台甲府高校が構える。
駿台甲府の初戦は日川高校。秋季大会のシード戦で駿台甲府は日川に敗戦している。このカードは駿台甲府が秋のリベンジをかけた一戦として気になるカードになっている。
駿台甲府は主将の杉田大貴選手がチームを引っ張る。投手としては2年生の大須賀秀人選手が注目だ。果たして甲府城西はこのブロックの中でAシードを守り抜き、夏へつなげる事ができるのかが見所だ。
[page_break:山梨学院・甲府工ブロック]山梨学院・甲府工ブロック
注目スラッガー・野村健太(山梨学院)
山梨学院ブロック
春のセンバツ出場校・山梨学院がAシードに構えるこのブロック。山梨学院の期待選手はU-18代表選考合宿にも選出された『山梨のデスパイネ』こと、野村健太。現在、高校通算40本塁打を誇る野村はどこまで伸ばすかに期待がかかる。
またセンバツの札幌第一戦7打数5安打と驚異のセンスを見せつけた菅野秀斗選手のバットコントロールにも注目だ。
筑陽学園戦後、吉田監督は「目標であるベスト8は達成できませんでしたが、選抜に出場すると、達成感からモチベーションを高めずらいチームが多い中、今回の負けは自分たちの実力がまだまだと認識させる良い負けでした」と語っており、ネジを引き締め直した山梨学院はどんな戦いを見せるのか?
山梨学院と同ブロックには、140キロを超える速球を投げ込む右腕・白須汐音擁する都留興譲館に注目。白須は直球だけではなく課題の変化球も精度を高められているか注目したい。
このブロックに登場するBシード・日本航空は、初戦から昨年夏準優勝の帝京第三と激突する好カード。青山司投手、明石達也投手、横井温野投手の投手3本柱を擁する日本航空と、昨年夏の準優勝をメンバーとして経験している帝京第三の捕手・熊崎颯人選手が鍵を握るだろう。
この試合で敗戦したどちらか一方はノーシードとなる。山梨を代表する私学同士の対決は今大会の序盤戦では最も熱戦が期待される。
中島碧斗(甲府工)
甲府工業ブロック
このブロックは唯一のシード校が両校公立校になった。Aシードは甲府工業。甲府工業の注目選手として投手はエースの小林駿太、打者としてはキャプテンの中島碧斗選手、2年生外野手の山村貫太選手がいる。注目選手以外にも打撃の強い甲府工業は打線をどれだけ上手く繋げてくるかが鍵になるだろう。
Bシードの公立校・甲府第一高校の初戦は古豪・甲府商業高校だ。近年はあまり結果を残せていない甲府商業だが潜在能力は未知数である。公立校がひしめくこのブロックの中でAシードを勝ち取るチームはどこだろうか、激戦は必至である。
(文=編集部)