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高校野球に踏み出したゴールデンルーキーたち!即戦力候補を徹底分析!

2019.04.10

 新年度を迎え、高校野球は春季大会が盛り上がりを見せるとともに、新入生が入部してくる季節となった。今年も、中学時代に実績を残した選手が、続々と高校野球の舞台に足を踏み出した。
 そこで今回は、新たに高校野球の舞台へ踏み出した選手の中で、即戦力として活躍が期待される選手をピックアップして紹介していく。今年の夏に、早くもブレイクが期待される選手は誰なのか。投手と野手を分けて見ていこう。

粗さがなく完成度の高い選手が揃う投手陣

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高知高に進学した森木大智

 とにもかくにもまず挙げるべきは、高知中から高知高に進学した森木大智だろう。高校野球ドットコムでも、何度も取り上げてきた150キロ右腕は、即戦力として最も期待される右腕だ。
 高知高の練習には、すでに昨秋から参加をしており、紅白戦では141キロを記録するなど、硬式球への対応も大きな問題はないだろう。その自慢の快速球が、高校野球の舞台で輝きを放つ日が楽しみで仕方がない。

 またその森木と、全国中学軟式野球大会で激闘を演じた笹倉世凪伊藤樹も注目の投手だ。秀光中等教育から仙台育英に進学した二人も、完成度の高さが群を抜いた投手であり、硬式球への対応も大きな問題はないであろう。
 秀光中等教育時代と同様に、Wエースとしての活躍に大きな期待が懸かる。

 硬式野球出身者に目を移すと、まず名前を挙げたいのは東京城南ボーイズから横浜に進学したサウスポー・金井慎之介だ。最速は136キロと、球速だけを見ればもっと速い投手は他にもいるが、金井の良さは流れるような美しいフォームだ。これほどクセがなく、体を綺麗に使える投手はなかなかいない。
 横浜は、昔から伸び盛りの1年生をすぐに試合に抜擢する風土がある。金井の鮮烈なデビューも、期待して損はないだろう。

 また、金井と同じくU-15日本代表にも選出された、秋山恭平にも触れておきたい。切れ味の鋭いスライダーと、打者に消えると錯覚させてしまうようなチェンジアップは、高校野球でも大きな武器になるだろう。また制球力も良く、牽制やフィールディング、マウンドさばきなど、投げる以外の投手の資質も問答無用に良い。1年夏から投手陣の一角を担う活躍を見せても、何ら不思議ではない。
 田口麗斗(巨人)に堀瑞輝(日本ハム)と、左の好投手を輩出している広島新庄で、どんな成長を見せるか楽しみだ。

[page_break:今年も大阪桐蔭には注目球児が多く進学]

今年も大阪桐蔭には注目球児が多く進学

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智辯学園に進学した小畠一心

 注目の打者でまず挙げたいのは、オール住之江ヤングから智辯学園に進学した小畠一心だ。二刀流としての活躍も期待される小畠であるが、その一番の武器は思考力だ。
 自分の課題や置かれている環境、指導者が考えていることを敏感にキャッチして、自分が今取るべき行動を考えて実行できることが、小畠の一番の強みである。高い身体能力も含めて、早い段階での活躍を期待していい選手だと感じている。

 また、その小畠を差し置いてU-15日本代表の4番に座った池田陵真も注目の選手だ。U-15日本代表の選手が、最も凄かった打者として口々に名前を挙げたのがこの池田だった。スイングスピードや飛距離を見ても、日本代表の4番を張ったことも大きく頷ける。
 進学先の大阪桐蔭は、「黄金世代」と呼ばれた選手たちがごっそりと抜けたチームである。U-15日本代表での経験を手土産に、全国屈指の強豪校で早くからチャンスを掴んでいきたいところだ。

 大阪桐蔭進学の選手には、他にも大きなスケールを持った選手がいる。リトルシニア選手権大会で準優勝に輝いた山口東リトルシニアからは、前田健伸野間翔一郎の二人が大阪桐蔭に進んだ。
 特に野間翔一郎は、藤原恭大を彷彿とさせるような外野手で、中学通算本塁打は20本に達し、50メートル走は6秒を切るタイムをたたき出す。野間は実戦にも強い選手であることから、速い段階でのメンバー入り、そして試合での活躍に大きな期待が懸かる。

 最後に紹介したいのが、筑後サザンホークスの尾崎空だ。168センチ58キロと、決して体格に恵まれた選手ではないが、どこにそんなパワーがあるのだろうと思ってしまう程、とにかくバットが振れる選手だ。守備に関しても軽い身のこなしを見せて、足も速い。体の強さが、プレーにしっかりと表れてるのが尾崎の強みだ。
 尾崎は、4月から鹿児島の樟南に進学している。尾崎もまた、この夏から試合に抜擢されても何ら不思議ではない選手だ。

 夏の大会は、3年生にとって最後の大会となるが、同時にゴールデンルーキーの登場の場でもある。有望な1年生に目をつけ、夏からの活躍に期待するのもまた、高校野球の醍醐味の一つと言えよう。今年の夏は、どんなルーキーが台頭するのか今から非常に楽しみだ。

(文=栗崎 祐太朗

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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