新田vs松山工
新田、着々取り組む「夏・初甲子園」への布石
新田先発・松浦 堅大(3年)
まずは敗れた松山工から触れていこう。この試合では「けが人が多くて満身創痍だった」と皿海 拓生監督が悔いる中、5番の朝比奈 幸司(3年・遊撃手・右投左打・169センチ57キロ・東温市立重信中出身)は対左腕をまったく苦にせずチーム唯一長打込みのマルチ安打。昨秋に続き改めてバットコントロールの確かさを証明した。周辺の情報を総合すると新年度から松山工の指導陣は新体制で臨むことになりそうだが、最速138キロ右腕の中村 左京(3年・168センチ72キロ・右投右打・松山市立久米中出身)を含め、各選手がいままで学んだことをさらに発展させ、ぜひ夏には成果を残してもらいたい。
対する新田は「ゲームに対する勝ちへの貪欲さを出しながら、一皮二皮高めていければ」と岡田 茂雄監督も試合後語ったように、新たな可能性を見出そうとする選手起用が目についた。打線では下級生時代は俊足がウリだった大判 球太(3年・左翼手・右投左打・176センチ72キロ・新居浜リトルシニア出身)は冬場で伸びた飛距離を活かすべく4番で起用。昨秋からスタメンの約半数が入れ替わった。
また、投手陣も最速138キロ右腕・渡部 凱斗(2年・178センチ65キロ・松山ボーイズ出身)の登板は避け、変則左腕・松浦 堅大(3年・左投左打・168センチ70キロ・松山市立高浜中出身)の連投スタミナと二塁送球1.9秒台の地肩を持つ吉川 晋平(3年・捕手・右投左打・169センチ71キロ・松山中央ボーイズ出身)とのバッテリー相性を長いイニングでテスト。松浦は7回96球7安打無四球6奪三振無失点で、先発でも適正のあるところを見せ付けている。
もはや「えひめ野球の七不思議」と言ってもよい新田の夏甲子園未出場だが、現状での選手層はセンバツ出場の松山聖陵と同等か、それを上回るのは誰もが認めるところ。1947年の創部以来、72年の時を超えての「初・夏甲子園」へ。その布石は着々と整っている。
(レポート=寺下 友徳)