Column

都留(山梨)夏に向けて効率よく鍛え上げる冬!

2019.02.25

一人一人がチームに貢献し、甲子園初出場を目指す!

都留(山梨)夏に向けて効率よく鍛え上げる冬! | 高校野球ドットコム
手押し車で身体を鍛える!

■ボトムアップ方式で生徒が考え行動する練習を
 山梨県大月市にある都留高校は、1900年に山梨県内で2番目に開校した学校を前身に持つ山梨県屈指の伝統校である。2007年には第79回選抜高等学校野球大会に21世紀枠として出場している。

 都留高校野球部ではボトムアップ方式を取り入れているという大きな特徴がある。ボトムアップ方式とは、監督や指導者が指示を出して行動する従来のトップダウン方式ではなく、選手自らが主体的に考え行動する方式のことを指す。練習メニューも全て生徒が考え実行している。この方式を取り入れてから野球部の進学実績も向上したと柏木監督は話す。

 夏の大会までのビジョンを選手たちはもうすでに見据えていると話す柏木監督。グラウンドには練習している間も音楽が流れていて、特に熱闘甲子園のテーマ曲などで夏に向けてのモチベーションを上げているそうだ。練習中にキャプテンが言っていた「行動や声で示せるようにチーム全員でやっていこう」という言葉の通り、選手同士でトレーニング中も声を掛け合い常に意識を高め合う、そんな都留高校のチームの雰囲気は活発であった。
 そんな都留高校野球部のブレーン的存在である平井副主将にお話を伺った。

■都留高校野球部の日々の練習
 現在野球部は2年生13名(うちマネージャー3名)、1年生11名(うちマネージャー1名)の計24名で活動している。
 サッカー部・陸上部とグラウンドを共有で使用しているため、平日は内野とライト付近を使用して練習を行っている。休日は市営の球場を借りて練習することができ、室内練習場の設備も整っているのでマシンを使用しての打撃練習がいつでもできる。

 名物練習やきついメニューは特にないと答えてくれたが、オフシーズンで大会を意識して紅白戦や1カ所バッティングを行っているそう。

■今年のチームのウリは?

 今年のチームは、
・短い時間で効率の良い練習をしている所
・イメージを鮮明に持ち、勝利した姿を思い描いて練習している所
・1人1人がリーダー、監督になり、チーム・個人を管理している所
 の3つのポイントをウリにしていて、最低目標は県ベスト8、中間目標は県ベスト4、最終目標は県優勝・甲子園出場と設定している。細かな目標を設定し、達成に向けての日々の練習メニューを考え実行していくのも彼ら自身である。

[page_break:中身の濃いオフシーズンでレベルアップを図る]

中身の濃いオフシーズンでレベルアップを図る

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左から平井秀将・勝俣尊斗・根上真選手

■新チーム発足からこれまでを振り返って
 引退した3年生のいたチームは秋・春・夏と3季連続で県ベスト8入りを果たしたので、その3年生のいたチームを越えるということを決意し、そのために必要となってくる「強豪私立を倒すこと」を目標に練習をしてきました。その中でただメニューをこなすだけでなく、どこを重点的に鍛えているのか、自分に足りないことは何かなど、1回1回中身の濃い意味のある練習にするというテーマでトレーニングを重ねてきました、と平井選手は答えてくれた。

 

■新チーム結成から今までで印象に残った試合は?
 勝った試合では、秋の大会3回戦 対日川高校戦 を挙げてくれた。
 試合中盤に3対0になり、そのスコアのまま勝利し、県ベスト8が決まり安堵の気持ちだった。

 負けた試合では、秋の大会準々決勝 対甲府工業戦 を挙げてくれた。
 この試合は序盤から劣勢の展開で、最終回に4点返したが8対10で敗れてしまった。勝てばチームとして3年ぶりの県ベスト4が決まり関東大会へも1歩近づくことのできた試合だったのでとても悔しい気持ちだった、と平井選手は振り返る。

 また、山梨県交流戦(秋大会のシード権を決める大会)で敗退し、秋の大会は1回戦からの挑戦だったが最低目標である県ベスト8に入ることができたことはこのチームでの思い出深いエピソードだと話してくれた。

■都留のキーマンとなる選手たち
 新チームのスタートからここまで活躍し、チームを引っ張ってきたのは2年生の根上真投手。1年生の秋からここまでエースとして粘り強いピッチングをして都留の勝利に貢献してきた。特にこの秋の大会では全試合に先発登板し、投球面ではもちろん打撃面でもチームを引っ張る活躍をしていた、と平井選手は振り返り、春・夏の大会では2年生の勝俣尊斗主将がキーマンとして活躍してくれるだろうと答えてくれた。

 勝俣選手は投手兼外野手。主将として視野を広く持ち、チームのことについてよく考えており、個人個人にも的確なアドバイスをする事が出来るという長所を持っていると平井選手は語る。
 勝俣選手は主将、1番打者としてチームの軸になる選手なので、言動でも、結果でもチームを引っ張るような活躍を見せてくれると思う、と平井選手は期待を込める。

[page_break:春に向けて身体面も精神面も強化していきたい/この時期にどれだけ頑張れるかで夏の可能性が決まる]

チームの雰囲気作りを強化し、チーム全体の士気を高める

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都留高校の選手とマネジャーの集合写真

 ここからは都留のキャッチャー平井秀将副主将と外野手の勝俣尊斗主将のお二人にお話をお伺いしました!

Q.秋季大会などを経て、見つけた課題を教えてください

平井:捕手というポジションにいるが自分の予期していない場面や劣勢の場面になると周りが見えなくなってしまうことです。
勝俣:打撃面ではチャンスで返しきれないところ、走塁面では次の塁を狙えていないところが課題です。

Q.このオフシーズンの目標、強化したいことを教えてください

平井:試合がなくてもイメージを作り、どんな場面になっても冷静に対処できるようにリスクマネジメントをする。また、昨年は怪我でトレーニングが全くできなかったので昨年の分まで取り組み、自分を強くしていく。
勝俣:辛いことも前向きに取り組める雰囲気作り、主将としてチームと向き合い行動すること。

Q. 応援する方々へアピールしたいセールスポイントは?

平井:秋と比べて打撃面でも守備面でも成長した姿というのを見て欲しい。
勝俣:ここぞという場面でチームを引っ張れる責任感の強さ。

Q.チームの好きなところや、他のチームに負けていないところはどこですか?

平井:部員間の仲が良く、良いところも悪いところもなんでも言い合えるところ。
勝俣:部員同士が良いところも悪いところも指摘し合えるところ、短い練習時間の中で質の高い練習をするところ。

Q. ここのオフシーズン、「自分はここまで成長するぞ!」という熱い意気込みをお願いします!

平井:技術だけじゃなく人間的にも副主将として今まで以上にチームをよく見て自覚を持って行動し、全ての面において成長する。
勝俣:秋の大会ではベスト8だったがこの冬を通して、主将としてチーム全体の士気を高め、甲子園出場を成し遂げられるように成長していく

平井選手、勝俣選手ありがとうございました!

効率よく課題克服に努めて、夏に向けて準備をしよう

 笠井寛仁部長にお話を伺いました。

Q. 今年のチームは、新チームが始まってから、どんなテーマを持ってチームを作り上げてきましたでしょうか。

 旧チームは3年生が少なく、ベンチ入りしていた2年生が多く残りましたが、いざ練習・試合になってみると、何も指示や指摘ができません。3年生に頼ってばかりで、自分たちで考え判断し動いてこなかったことが分かりました。
 現在は、秋季大会での敗戦の悔しさを忘れず、自分に足りないことは何か、どこを何のために鍛えているのか考え、効率良く個々の課題克服に努めています。

Q. 最後に、これから厳しい冬のトレーニングに挑む選手たちへメッセージをお願いします。

 数ヶ月語の夏の自分をイメージし、そこから逆算して今やるべきことは何か目標を持ってこつこつと夏に向けて準備をしていきましょう。

笠井部長。そして、都留高校野球部の皆様ありがとうございました!

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今年も大好評!
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各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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