Column

100点の笑顔が見られるのが嬉しい! 橿原学院マネージャー(奈良)

2018.12.19

 奈良県の橿原学院野球部には現在2学年で部員28人が所属している。選手たちを1人で支える2年生マネージャーは、どのような思いで日々の活動に励んでいるのか。彼女の活動の様子を見てみた。

選手を支えるためにも自分の体調を整えるのも大事な仕事


ティーボールを作っている様子

 28人の選手を1人で支えるマネージャー・川端麻友さん(2年)はもともとソフトボールをやっていたことと、野球が大好きでよく観戦に行っていた事からマネージャーを始めた。

 飲み物を出したり、草抜きをしたり、ボール拾い、時には部室やまわりの掃除なども行い、日々選手を一生懸命サポートしている。なかでも試合の時のスコアを書いている時が楽しい時間で、ペンやメモ、ばんそうこうがおすすめのマネージャーグッズだ。

 もしマネージャーをしていなければ、自分から積極的に動くことができないままだったと語る川端さんにとって、多くの活動をできるようになったのは大きな変化だろう。

 日々の中で、川端さんは選手からの「ありがとう」の一言や、自分を頼って「○○やっておいて」という言葉にやりがいを感じている。なかでも、「マネージャーでいてくれてありがとう」という言葉がとても嬉しく、「みんなのマネージャーができていることが嬉しい」と話す。

 「選手たちから誕生日プレゼントをもらったことは印象的なエピソードです」と話してくれた川端さん。たった1人で28人の選手たちを支えている彼女にとって、選手からのプレゼントはこれ以上ない自慢となるだろう。

 川端さんは上下関係で上手くいかずに挫折しかけたこともあったが、マネージャーになって周りをよく見るようになったり、自然と挨拶ができるようになったり、体力もついたと話す。また、選手を支えるためにもまず自分の健康管理をしっかりするということを心がけているそうだ。

[page_break:みんなが頼りやすいしっかりとしたマネージャーになる!]

みんなが頼りやすいしっかりとしたマネージャーになる!


笑顔を見せる川端麻友さん

 今年の夏、特に記憶に残っている試合はどの試合だったかと尋ねると、7月27日の[stadium]佐藤薬品スタジアム[/stadium]での奈良大附属戦だと答えてくれた。

 1日でも長く三年生と過ごしたかったが、惜しくも敗れてしまい、悔しくて涙にくれた1日になったからだ。川端さんにとって三年生の先輩たちとは、時にふざけ合い、困ったことがあったら何でも話せる、頼りになる存在だった。

 そんな三年生が引退して1人になってしまうことへの不安を抱いていたとき、「先輩が言ってくれた『頑張れ』や『よろしく』は心に残っています」と川端さんは話す。

 先輩からのメッセージを胸に、新チームでの活動を開始した川端さんだが、特に思い出に残っている試合は、9月2日の[stadium]佐藤薬品スタジアム[/stadium]での奈良高田商業戦だ。

 この試合は負けてしまったが、「(甲子園出場経験もある)奈良高田商業を相手に一気に4点入れてくれたときは嬉しかったです。選手がファインプレーをしたあと、みんなが手を挙げて100点の笑顔になっていると自分もますます嬉しくて笑顔になってしまいます」と答えてくれた。

 最後に、日々練習に取り組むチームの選手に向けてメッセージをいただいた。
 「たくさん練習をして、悔いを残さない野球生活を送って欲しいです。そして甲子園に連れてって欲しいです!」

 「一言でいうとマネージャーとはどんな存在か」という問いには「よくわからないです」と答えた川端さん。
 たった1人のマネージャーとして、ときには心が折れそうになることもあるだろうが、「みんなが頼りやすいしっかりとしたマネージャーになりたい」という川端さんの言葉に、選手たちへの熱い思いを感じた。そんな川端さんが最後の夏を迎えるころ、きっと彼女の心のなかには「マネージャーとは」という問いへの答えも見つかっていることだろう。

(文=編集部

このページのトップへ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.02

【茨城】常総学院、鹿島学園、水戸一、つくば秀英が4強入り<春季県大会>

2024.05.01

【神奈川】関東大会の切符を得る2校は?向上は10年ぶり、武相は40年ぶりの出場狙う!横浜は6年ぶり、東海大相模は3年ぶりと意外にも遠ざかっていた春決勝へ!

2024.05.02

【長野】松商学園、長野日大、東海大諏訪などが県大会出場へ<春季県大会支部予選>

2024.05.02

激戦必至の春季千葉準決勝!関東大会出場をかけた2試合の見所を徹底紹介!

2024.05.01

春季大会で頭角を現した全国スーパー1年生一覧! 慶應をねじ伏せた横浜の本格派右腕、花巻東の4番、明徳義塾の正捕手ら入学1ヶ月の超逸材たち!

2024.04.29

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.26

今週末に慶應vs.横浜など好カード目白押し!春季神奈川大会準々決勝 「絶対見逃せない注目選手たち」!

2024.04.26

古豪・仙台商が41年ぶりの聖地目指す! 「仙台育英撃破」を見て入部した”黄金世代”が最上級生に【野球部訪問】

2024.04.28

【広島】広陵、崇徳、尾道、山陽などが8強入りし夏のシード獲得、広島商は夏ノーシード<春季県大会>

2024.04.28

【長野】上田西、東海大諏訪、東京都市大塩尻が初戦突破<春季県大会支部予選>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.29

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?