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ミレニアム世代のトップランナー・根尾昂 3年間の足跡を振り返る!

2018.10.20

 2018年度の高校野球を代表する根尾昂大阪桐蔭)。根尾は入学前から評判が高い逸材だったが、そのままミレニアム世代のトップランナーとして活躍を続けた。そんな根尾の歩みを振り返っていこう。

デビュー戦で快投を見せる!

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招待試合で公式戦初登板を果たしたまだあどけない表情の根尾選手(大阪桐蔭)

 根尾が公式戦デビューを果たしたのは、2016年6月18日「平成28年度香川県高等学校野球連盟招待試合」対小豆島戦だ。0対0で迎えた4回表一死満塁のピンチ。最も緊迫した場面で先発の岩本 悠生(3年)からマウンドを引き継いだ根尾は、初球でいきなり「145キロ」を出して[stadium]レクザムスタジアム[/stadium]の観衆をどよめかせた。3回3分の2を投げ、打者13人に対し被安打4・奪三振7・無四球で失点・自責点共に0。高校デビュー戦としては満点の投球内容だった。しかし根尾自身、自分のピッチングに満足をしていない。

 「全然でしたね。地に足がついていなかったです。あの時はもっとできると欲を出しすぎていて、それで自分の投球ができず、もったいないと思いました。」
 この時から根尾は高いレベルを求めるストイックさが垣間見えていた。

初の4番起用にホームランで応えた1年秋

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2016年秋季近畿大会の智弁学園戦でホームランを放った根尾選手(大阪桐蔭)

 1年秋は野手起用がメイン。この時期からスタメン出場が多くなり、選抜出場がかかった近畿大会智辯学園戦に4番ショートで先発出場。4番起用について、西谷 浩一監督は「選抜がかかった大事な試合ですが、彼の物怖じしない性格、積極性にかけて起用しました。」

 根尾も4番起用に喜びの声をあげた。
「もう『よっしゃー!』と思いましたね。『本当かよ!』という驚きは僕にはなかったです。」

 その結果、7回表には、バックスクリーンへ本塁打を放つなど、西谷監督の期待に応えた。また、遊撃守備でも7回裏、6対1で大阪桐蔭がリードしていたが、一死満塁のピンチで2番加堂 陽介が三遊間を襲う鋭い打球を放つ。根尾はこの打球を横っ飛びで止めるやいなや、体を反転させ、二塁へスロー。見事アウトにする好プレーを見せるなど、根尾ショーが見られた試合だった。

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[page_break初の甲子園出場で優勝投手に]

初の甲子園出場で優勝投手に

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2年春に出場した選抜甲子園では優勝投手に輝いた

 初の甲子園出場となった翌春、根尾は宇部鴻城戦で[stadium]甲子園[/stadium]初デビュー。いきなりライト前安打を放つなど上々の出だしを切った。だが、この大会での活躍は野手よりも投手としてだった。

 野手としては19打数4安打4打点に終わり、投手としては6回無失点と選抜優勝投手に輝いた。根尾はこの選抜を振り返って、「マウンドに集まってともに優勝を分かち合った時は嬉しくて何が何だか分からない気持ちになりました。ただこの優勝は、エースの徳山 壮磨(早稲田大)さんや3年生たちのおかげです。すごい経験をさせてもらったなと思います」と初めての[stadium]甲子園[/stadium]を振り返った。

 また、2年夏も甲子園を経験。夏の甲子園では野手として3試合に出場し、12打数4安打3打点。とらえた打球の鋭さは非凡なものを感じさせたが、「 夏の大阪大会、甲子園と、僕の中で上手くいったといえる試合は1つもないです。打撃も、守備、投球も全然ダメでした」と振り返るように、特にピッチング面ではストレートは出ても140キロ前半で甘いボールが多く、鋭さがなかった。

投打共に大きくスケールアップした2年秋

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近畿大会準決勝の近江戦では16奪三振の快投を見せた

 主力選手となった2年秋は投打ともに磨き直した。ピッチング面では好調をキープ。打撃では「甘い球を見逃さないこと」を意識して、打撃練習を行った。そこで意識していたこととは。

 「練習から小さくまとまりすぎず、オーバースイングになりすぎず、コンパクト且つ強いスイングを持続できることが大事だと思います。」

 結果として、秋季大会では5本塁打を放つ活躍。投手としても近畿大会準決勝近江戦(滋賀)で、16奪三振の快投。さらに公式戦初完封を成し遂げ、充実の秋を過ごし、オフでは選抜へ向けて順調に仕上げていった。

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昨秋は明治神宮大会にも出場した

投打にわたる活躍で選抜V2に大きく貢献

 選抜では投打ともに大活躍。18打数9安打、8打点と主力打者として活躍を見せたが、活躍が目立ったのは投手だった。140キロ後半の速球、130キロを超えるスライダーの精度の高さは超高校級。特に輝きを見せたのは準決勝の三重戦だった。0対2の2点ビハインドの5回表からマウンドに登り、8回を投げて、9奪三振、無失点の好投。根尾の好投が同点・サヨナラ打を呼び、決勝戦に進出すると、決勝の智辯和歌山(和歌山)戦では再び先発。

 根尾は決勝戦まで打率.336、2本塁打、34得点を誇った智辯和歌山打線を相手に2失点完投勝利。打っても4打数2安打の活躍を見せて初めて投打で活躍を見せて優勝した大会だった。

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[page_break春の近畿大会優勝、そして春夏連覇を飾る]

春の近畿大会優勝、そして春夏連覇を飾る

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春夏連覇を達成して喜びを爆発させた根尾選手(大阪桐蔭)

 春の近畿大会優勝。そして夏の北大阪大会でも苦戦を制しながら甲子園出場を決めた大阪桐蔭。根尾は初戦から三塁打を放つなど活躍。2回戦の沖学園戦で甲子園初本塁打を放つと、さらに準々決勝の浦和学院戦、決勝の金足農戦でも本塁打を放つなど、打者としては6試合で21打数9安打、3本塁打、5打点、投手としては13イニングで6失点を喫したものの、13三振を奪い、投打で躍動した夏となった。

悔しさと課題が残ったアジア大会

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日本代表に選出されて引き締まった表情を見せる根尾選手(大阪桐蔭)

 そして甲子園後、U18日本代表に選出された根尾は二刀流として期待された。初戦のスリランカ戦では 1打席目をレフトへの三塁打を放つと、2打席目はライトスタンドへホームラン。3打席目でセンターへヒットを放つと、4打席目でレフトへのヒット性の辺りで快足を飛ばして二塁打。この瞬間、サイクルヒットを達成した。特に2打席目の本塁打は両翼100メートルある[stadium]サンマリンスタジアム[/stadium]のフェンスを越える本塁打で、これがチーム唯一の本塁打となった。

 だが、大会は韓国、チャイニーズタイペイに敗れ3位決定戦へ。根尾は中国戦の7回表に登板し、150キロを計測。無失点に抑え、3位を決めた。根尾は150キロについて「指にかかっていて、どれくらいと思ったが、そんな出ているとは思わなかったです。正直嬉しい」と本人も予想以上の出来に喜びを感じていた。

 大会を振り返ると「悔しさがある。勝たないといけないところで落としたので、課題もある。この悔しさを次に生かしたい」と厳しい表情。また大阪に戻って「練習をやりたいです。全部です。バッティング、ピッチングも」とすぐに切り替えて練習に励みたいと話すストイックさ。今までなぜ活躍を続けられるのかが分かるコメントであった。

国体では有終の美を飾る活躍!

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国体でも投打で活躍を見せた

 そして有終の美を飾る国体でも魅せた。まず初戦の下関国際戦で先発した根尾は初回に自己最速タイとなる150キロを計測。その後も常時145キロ~150キロの剛速球を投げ込み、150キロは2球計測し、5回まで投げて被安打3、3奪三振、無失点の好投を見せると、打っては2回裏にストレートをはじき返し左中間へ飛び込む本塁打を放った。ピッチング面では「圧のあるストレートを投げなかった」と話し、打撃面では「真ん中に入っていたボールだったので、うまく芯に当てられた」と好球必打を実践した。

 準々決勝の済美戦でも4打数2安打の活躍。有終の美を飾った。この試合後の会見でプロ志望を明らかにした根尾は「さらに力をつけて、やっぱりプロの一番上であるトップレベルを目指したい。まだまだ力は足りないですけど、力をつけていきたい」とさらなるレベルアップを誓った。

 いかがだっただろうか。これほど中学時代から評判が高く、ほぼすべての大会で活躍した選手はいないだろう。現在、ドラフト1位指名候補に挙がっているが、競合となってもおかしくない。どの球団に入団しても、プロでもミレニアム世代のトップランナーとして球界を盛り上げることを期待したい。

(文=河嶋 宗一)

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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