2018年のテーマは「逆方向」!春に結実 野村佑希(花咲徳栄高)
高校通算58本塁打を放ち、ミレニアム世代を代表するスラッガーとして注目を浴びた野村佑希。2年連続の夏の全国制覇を目指してきた野村はこの1年間どんなテーマをもって過ごしてきたのか。この1年について振り返ってもらった。
2018年のテーマは右方向へ強い打球を打つこと
正面から見た野村佑希のバッティングのフォーム
――まず2018年がスタートして、3月に入るまで、バッティングにおいてはどういうことを課題にしてやってきましたか?
野村佑希(以下、野村): やはり逆方向へ本塁打が打てることをテーマにしていて、フリーバッティングから意識していました。結果的に上手くいっていたのではないかと思います。
――春の県大会に入るまで、ホームランはどれぐらい打ったんですか?
野村: 12,3本は打っていて、半分ぐらい右方向の打球でした。2年生まで右方向はたまにしか打ってなかったです。
――どういうボールを打って右中間、ライト方向へ運んだのでしょうか?
野村: これまでよりアウトコースの配球が多くなっていたので、張ったときに長打にできるかどうか、そういうのを意識してやりました。
――アウトコースで逆方向に打つ時は、意識して打ってるんですか。それとも自然に打った結果ですか?
野村: バッティング練習では意識して、試合になったら意識している暇はないので、試合の中では身体が反応するように打ちにいきます。
――逆方向に打つ時に、身体がうまく回転しなくて打球が飛ばない選手がいると思うのですが、野村選手の場合は、逆方向でも強い打球が打てるように心掛けたことは何ですか?
野村: しっかり身体の力をボールに伝えるというのと、あとはボールがふけないようにしっかりヘッド入れて打つようにしていました。
横から見た野村佑希のバッティングフォーム
――右方向への意識について、体の使い方はどう意識していますか?
野村: 身体を開かない、後ろの股関節をしっかりこう押し出すイメージですね。
――軸足の股関節が大事なんですね。
野村: そして、腰を入れないと飛ばないです。
――その感覚はどうやって気づきましたか?
野村: もう、バッティングするしかないです。
――バッティングは身体の使い方に気づくということが大事だと思いますが、入学当初からそういうバッティングの気づきがあったのですか?
野村: いや、まったく無いです。
――いつからそういうふうになっていったのでしょうか?
野村: 本格的にバッターをやるようになって、しっかり打てるようになってから、いろいろ自分で考えるようになりました。
[page_break: 取り組みの成果を出した春季大会]取り組みの成果を出した春季大会
ふじみ野戦の野村佑希
――なるほど、ありがとうございます。春季県大会に入ってからもホームランを打ったりと、ご自身のバッティング内容はどうですか
野村: そうですね。最初思ったよりインコース攻めが多くて、1回戦の川越東戦では戸惑ったんですが、そこは切り替えて、後半は率も高くホームランもしっかり出たので、良かったと思いました。
――ふじみ野戦でもホームランが出ましたけど、あれは自分の中でうまく打てた感じなんですか?
野村: そうです。
――春の大会期間中はサードの守備もやってましたが、サードはどうでしたか?
野村: 初めてだったんですけど、大会の雰囲気の中でサードができたというのは、いい経験になったと思います。
――肩の強さというか、スローイングの安定度が高かったという印象を受けました。
野村: やはりピッチャーをやっていたので、投げる部分はずっと練習をしていたので、いい方向にできてました。
――逆にどういうところにサードの難しさを感じましたか
野村: 打球が速かったり、ライン線にベースがあったりとか、強い打球や難しい打球が多かったので、そういうのが少し難しいと思いました。
――関東大会初戦(対専大松戸)を振り返ると、初球から打っていくバッティングが多かったと思うんですが、あれはどういうことを意識していたんですか
野村: 相手ピッチャーもすごくコントロールがいいピッチャーでしたし、追い込まれてから打つのは厳しいところに投げてくるので、難しいと思い、とにかくファーストストライクを打てると思ったらどんどんいこうという気持ちでした。
専大松戸戦の野村佑希
――2打席目にライトにホームランを打ちましたが、このときのバッティングを振り返ってどうでしたか?
野村: 少し遅れた感じはあったんですが、しっかりバットも内側から出てましたし、右方向にホームランを打つというのを自分の中でテーマにしていたので、それが大会で打てたのはすごく良かったと思いました。
――公式戦でライト方向へのホームランというのは初めてでしたか?
野村: そうです。3年に入ってからは初めてでした。
――関東大会でのバッティングを踏まえて、夏まではどういう課題を持ってやっていたんですか?
野村: もっと厳しい攻め方というか、簡単に勝負してもらえないなというのが分かったので、とにかく一球で仕留めるということをしっかり頭に入れてやりました。
――ピッチャーとして投げる機会も多かったと思うのですが、ピッチャーとしてはどういうところを強化していたんですか?
野村: どの球でもカウントが取れて、まずアウトローへのコントロールをしっかりしておけば大量失点は無いと言われていたので、球のキレとコントロールを意識してやっていました。
――夏の大会に入って、ピッチング自体は自分が課題にしていたいことはうまくできましたか
野村: 絶好調というところまではいかなかったですが、低めに投げたり、要所要所で抑えられたので、良かったかなと思います。
前編まではここまで。後編では野村佑希の最後の夏について。そしてプロへの意気込みを語ってもらいました。お楽しみに!
文=河嶋宗一
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