宿敵・韓国と対戦!韓国の長所・短所を徹底分析!!
2連覇を狙う侍ジャパンU-18代表。その中でライバルとなりそうなのは、韓国と台湾だ。まず韓国戦が前半戦で大きな山場といえるだろう。今回、あまり情報がない韓国をスリランカ戦で視察してみて、いろいろと長所と欠点が見えた。
ぜひ皆様の参考として、見所を紹介したい。
投手陣はエース格投入ありか
侍ジャパンは5日に宿敵・韓国戦を迎える
韓国はスリランカに6回コールド勝ちを収めた。この試合でエース格の投入はなかったが、韓国の首脳陣によると、同リーグの各国の実力を見て、球数制限を気にしながら、ローテーションを組んでいるそうだ。したがって日本戦でエース格が登板する可能性は高い。特にドラフトでサムスンに指名された右腕のウォン・テイン(慶北)、KIAに指名されたキム・ギフン(光州東成)、そしてロッテに指名されたソ・ジュノン(慶南)の3人は要警戒だ。
先発が予想されそうなのはキム・ギフン。左腕から150キロ近い速球とキレのある変化球を投げ込む。日本は左打者が多く、キム・ギフンが先発で試合を作り、いきなりリードされ韓国ペースで投手総動員で守り切る継投をされると本当に嫌な展開である。
カギは小園海斗か
この試合のカギを握るのは小園海斗(報徳学園)になるだろう。出塁率が高く、左投手を苦にせず粘れる力を持っている小園はキム・ギフンを苦しめる攻撃ができる打者だ。また今年の韓国の内野手陣を見ると、足元が弱く、とっさの攻撃をされてもすぐに対処できるような機敏さを持った選手はいない。セーフティバントなど小技が有効だ。
そして捕手もスローイングが遅く、タイムは2.2秒~2.3秒程。加えてフットワークが鈍いので、配球が分かれば小園、藤原恭大(大阪桐蔭)以外の選手でも盗塁を奪える可能性が高い。
ここまで韓国は自慢の長打力で勝ち上がっているが、接戦になれば隙がかなり見えるチームで、国内合宿で立教大、大学代表、明治大学の大学生チームと比べれば戦いやすいチームといえるだろう。
盗塁を決めてチャンスを広げるだけではなく、足があることを意識させることで、バッテリーの集中力を削ぎ、甘い球を投げ込む確率を高めて、打ち崩していきたい。
投手陣は速球+内角勝負ができる投手を
吉田輝星のの登板はあるか?!
今年の韓国打線で怖いのは1番・ユ・チャンヒョクだろう。均整がとれた体格をしていて、広角に打ち分けるバットコントロールの良さ、ベースランニングのうまさが際立つ。攻撃、走塁のキーマンであるユ・チャンヒョクをしっかりと抑えることがポイントとなるだろう。また、スリランカ戦で本塁打を打っているキムデファン、キムヒョンスにも注目だ。
また韓国は全体的に右打者が多い。特徴的なのはヘッドを投手方向に向けてトップを作り、フルスイングする選手が多いことだ。この打法で特徴的なのは、
・速球に振り遅れやすい
・インコースに弱い
の2点。ただ韓国の打者は外側の緩い変化球に強く。本塁打を打った2人は甘く入った変化球を強引に本塁打にできるパワーがある。以上の2点を踏まえて、投手陣のキーマンは吉田輝星(金足農)、柿木蓮(大阪桐蔭)、根尾昂(大阪桐蔭)、板川佳矢(横浜)の4人だ。
この4人はまだ登板がないが、韓国打線を抑える球威、変化球がある。吉田は回転量抜群のストレートを内外角に投げられる制球力が持ち味。柿木は140キロ中盤のストレート、三振が奪える縦スライダーが有効。
根尾は145キロ前後の直球、130キロを超える高速スライダーがある。板川は左腕からキレのある140キロ前後のストレートは切れがあり、スライダー、フォークを低めに集める制球力があり、韓国が苦手にするタイプだ。
そして、この4人の持ち味を引き出す捕手の存在がとても重要で、小泉航平(大阪桐蔭)のリードに期待したい。
勝負は3点~4点勝負か
韓国は守備、走塁面で隙があるとはいえ、エース格が投げてくる事を想定すると、3点~4点勝負になるのではないか。理想としては集中打が飛び出てセーフティリードにすることだが、そこは色気を出さず、確実に韓国を追い詰めていきながら点を重ねていきたい。
決勝進出の確率を高めるには負けられない試合。これまでの試合経験を生かして韓国戦を勝利で飾りたい。
(文=河嶋 宗一)