試合レポート

鳴門vs富岡西

2018.07.25

188分の死闘を制したのは、4点差逆転サヨナラの鳴門!

 

 初回に両チームが2点ずつを取り合った時点から乱戦の前兆はあったものの、高校生的に言えば「マジ卍」な展開が最初から最後まで続くとはこの時点では予想だにしなかった。

 

 3回表に富岡西が3番・佐藤 亮太(3年・178センチ78キロ・右投右打・阿南市立阿南中出身)の高校通算19号・大会第9号で勝ち越せば、鳴門はその裏二死二・三塁から6番・中村 歩睦(3年・172センチ77キロ・右投右打・徳島松南ヤング出身)の左前2点適時打と、7番・庄野 蓮汰(3年・一塁手・168センチ69キロ・右投左打・徳島東リトルシニア)の右翼線適時二塁打で逆転。

 

 中盤は鳴門先発・西野 知輝(2年・左投左打・173センチ72キロ・鳴門市第一中出身)、富岡西先発の浮橋 幸汰(2年・174センチ76キロ・右投左打・阿南市立阿南第一中出身)と6回から継いだ2番手・佐野 健太(3年・180センチ74キロ・右投右打・阿南市立阿南中出身)が粘りの投球で0を並べたが、試合は再び終盤に大きく動いた。

 

 7回表に富岡西は6回で110球を投じていた鳴門・西野が降板した間隙を突き、2投手から4番・小田 倭(3年・187センチ92キロ・右投右打・阿南市立阿南第一中出身)の左中間2点二塁打などで4点を奪い7対5と再逆転。1点を返された8回表にも3番・佐藤の適時打などで3点を追加して10対6。そして9回裏・鳴門の攻撃も一死走者なし。富岡西、初の徳島大会決勝進出はほぼ手中にあった。

 

 が、さらに誰も想像だにしないドラマはここから待っていた。鳴門はまずは3番・宮崎 龍司(2年・中堅手・左投左打・鳴門市第一中出身)がフルカウントからライト芝生席へ高々とソロアーチをかけると、高校通算20本塁打の4番・三浦 光翔(3年主将・167センチ75キロ・右投左打・生光学園ヤング出身)が中前打・二盗、高校通算15本塁打の浦 和博(2年・右翼手・171センチ73キロ・徳島東リトルシニア出身)が左中間適時二塁打で2点目。そして6番・中村は富岡西・佐野の抜けたスライダーをジャストミート。打球はレフトボール際芝生席に突き刺さる同点アーチ。この瞬間、場内は騒然とした雰囲気に包まれた。

 

 富岡西はここで3番手に最速140キロ右腕でもある佐藤を送り込んだが、鳴門は3連続四球を選び一死満塁。ここで1番・塩唐松 宏将(2年・二塁手・168センチ69キロ・右投右打・ヤングあわじ<兵庫>出身)富岡西4番手から素直なバットコントロールで二塁手頭上を越えるサヨナラヒット。11対10、鳴門は2回戦の城南戦に続き、二けた失点を喫しながらの奇跡的な粘りでサヨナラ勝ちを収め、2年ぶり12回目の夏甲子園出場へ王手をかけた。

 

(レポート=寺下 友徳

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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