明大中野八王子vs成蹊

　7月7日から始まった第100回選手権西東京大会は、早くも3回戦に突入した。[stadium]ダイワハウススタジアム八王子[/stadium]で行われた明大中野八王子と成蹊の一戦は、序盤からノーガードの激しい打ち合いとなった。

　まずは1回表、成蹊はいきなり満塁のチャンスを作ると5番・関口拓馬がライト前へタイムリーを放ち、2点を先制する。さらに、続く6番・岡部大介もライトへ犠牲フライを放って、ランナー1人が生還。この回3点を奪って、成蹊が先制パンチを食らわせた。

　しかしその裏、明大中野八王子もすぐさま反撃に出る。バントヒットや相手のミスなどで無死満塁のチャンスを作ると、4番・近藤慶一、5番・渡邊麟太郎、6番・石川隼の3者連続タイムリーであっという間に同点に追いつく。さらにその後も、7番・入船弘嗣のスクイズや9番・浦田光のツーベースなど、この回だけで打者12人の猛攻で6得点を奪った。

　両チームはその後も、激しい点の奪い合いを演じる。明大中野八王子は2回に4得点を挙げてその差を一気に突き放すが、成蹊も負けじと2回に1点、3回に2点と小刻みに追加点を重ねて必死に食らいついていく。3回を終えた時点で、得点は何と10対6。4回戦進出を懸けた戦いは、壮絶な打撃戦となった。

　4回表、ここまで毎回のように得点を挙げていた成蹊だったが、この試合で初めてスコアボードに「0」が表示された。そのきっかけとなたのが、3回からマウンドに登った明大中野八王子のエース・進藤駿だった。進藤は3回に味方のエラーなどで2点を失ったものの、キレのある直球を軸に成蹊打線を翻弄し、4回以降はわずか1安打に抑える好投を見せた。進藤の好投で、ようやく試合の主導権をたぐり寄せた明大中野八王子は、ここから一気に成蹊を突き放しにかかる。

　5回裏、明大中野八王子は一死一、二塁と再び得点圏にランナーを進めると、6番・石川がレフト前へタイムリーヒットを放って待望の追加点を挙げる。さらにその後、満塁のチャンスを作ると8番・熱田泰祐がライト前へタイムリーヒットを放って、さらに1点を追加する。6回裏にも1点を追加した明大中野八王子は、点差を7点に広げて、試合はそのまま13対6の7回コールドで終了した。

　勝った明大中野八王子は、17日の4回戦で昭和一学園と対戦する。この試合で、打線の破壊力とエース・進藤の存在感をしっかりと示すことができた明大中野八王子。4回戦以降でも、打線とエースがその力を示し続けることができるのか注目だ。

　（文＝栗崎祐太朗）