試合レポート

太田一vs高萩清松

2018.07.09

太田一が終盤の逆転で4年ぶり初戦突破!高萩清松は守り切れず涙

 ノーシードの県北地区同士の対戦となった1回戦。太田一は秋の地区予選で敗退したが、春は地区予選を突破し、県大会1回戦で水城に7回コールド負けを喫した。一方の高萩清松は公式戦未勝利のままこの夏を迎える。
先攻・高萩清松の先発は背番号1の右腕・飯塚 由伸が、後攻・太田一の先発は背番号1の右腕・佐藤 真大(2年)が任された。

 先制したのは高萩清松だ。1回表、四球と内野ゴロで二死二塁から、4番・柴田一星がセンター前にタイムリーヒットを放って幸先よく1点を先制する。

 3回表、高萩清松は3つの四死球で二死満塁とするが、5番・大高 拓は空振り三振に倒れ追加点は奪えない。

 3回裏、太田一が反撃する。二死から9番・田口 航大が右中間ツーベースで出塁すると、1番・志智 友哉(2年)がライト前ヒットを放って同点とする。

 4回表、高萩清松は四球と送りバントで一死二塁のチャンスを創るが、後続は打ち取られる。

 4回裏、太田一は二死から5番・川野邊 大聖が左中間ツーベースで出塁するが、7番・佐藤はショートゴロに倒れる。

 5回表、高萩清松は二死から3番・矢代 一葵がショート内野安打で出塁し、四球で二死一,二塁のチャンスを作るが、5番・大高はピッチャーフライに倒れる。

 5回裏、太田一は先頭の7番・村田 莉槻がセカンド内野安打で出塁し、2つの送りバントで二死三塁とするが、1番・志智はショートゴロに倒れる。

 6回裏、太田一は四死球と5番・川野邊のセンター前ヒットで一死満塁のチャンスを迎えるが、6番・佐藤はショートゴロ本塁封殺。7番・村田は空振り三振に倒れ勝ち越し点を奪えない。

 7回表、高萩清松がついに均衡を破る。先頭の1番・飯塚がセカンド内野安打で出塁。2番・松本 丈(2年)のサードに捕らせる送りバントで一塁走者・飯塚が一気に三塁を落とし入れ一死三塁とする。ここで3番・矢代がレフト前タイムリーを放って1点を追加する。太田一はここで2番手に背番号18の秋葉 大介を投入する。高萩清松はなおも一死一塁から、4番・柴田一が右中間スリーベースを放って3点目を挙げる。なおも一死三塁とし、5番・大高がカウント2ボール1ストライクからスクイズを敢行するが空振り。三塁走者・柴田一は挟殺タッチアウトとなり4点目は奪えない。


 2点をリードされた太田一は7回裏に反撃する。先頭の8番・海野 伸英(1年)をセカンドライナーに打ち取ってところで、高萩清松は2番手に背番号17の左腕・大友 優(1年)にスイッチし、飯塚はセンターの守備に就く。ここから太田一打線が爆発する。9番・田口が初球をセンター前に弾き返し、2番・小林蒼空(2年)のセンター前ヒットで二死一、二塁から、3番・金澤 翔のセンター前ヒットで1点を返す。
高萩清松はここで飯塚をマウンドに戻すが太田一打線は止まらない。なおも二死二、三塁とし、4番・金澤がレフト前2点タイムリーを放って逆転に成功する。続く5番・川野邊もレフト前ヒットで続いて二死一、二塁から,6番・佐藤の内野ゴロが悪送球を誘ってさらに2点を追加し、リードを3点とする。

 太田一は3番手に背番号19の根本 陸(1年)を投入する。
逆転を許した高萩清松は8回表、二死から8番・松岡 竜我がセンター前ヒットで出塁し、盗塁で二死二塁のチャンスを作るが、9番・金野 駿輔は見逃し三振に倒れる。

 8回裏、勢い付いた太田一はさらに追加点を奪う。一死から9番・田口がこの日3本目のヒットとなるライト前ヒットで出塁し、1番・志智の左中間スリーベースで1点を追加する。さらに2番・小林蒼がスクイズを決めて8点目を奪う。

 5点差を追う高萩清松は9回表、一死から2番・松本が四球で出塁するが、後続が打ち取られて試合終了となる。

 太田一高萩清松に逆転勝利して2回戦進出を決めた。
高萩清松は先発の飯塚がテンポよく投げて太田一打線を抑えていたが、7回に飯塚が降板してから試合展開がガラリと転換した。一度勢い付いた太田一打線はマウンドに戻った飯塚でも抑えられなかった。高萩清松にはエース飯塚をはじめ,足つりの症状を訴える選手が数名いた。中盤まで高萩清松ペースで進んでいたゲームであったが、終盤は足がつって思うようにプレーできないことが勝敗を分けた。

 太田一は4年ぶりに夏の初戦を突破した。7回の畳みかける攻撃は見事であった。攻撃陣は3安打の5番・川野邊 大聖をはじめとして上位打線に元気がある。背番号3の捕手・岡野 秀哉は3つの盗塁企図時に全てストライク送球ができず盗塁を阻止できなかった。投手陣は群を抜いて球威がある者はいないが、エースの佐藤 真大を中心に打たせて取るスタイルが確立されている。

 

(文=伊達 康

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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