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ミレニアム世代のトッププロスペクトたち Vol.9「高山遼太郎、沢田龍太」

2018.07.07

  第100回大会の主役となる「ミレニアム世代」。全国各地の逸材をトッププロスペクト方式で紹介。今回はチームの精神的な支柱に成長した2名の選手に迫る。

この春に大化け!全国ナンバーワンサードへ挑戦する 高山 遼太郎(健大高崎)

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高山遼太郎(健大高崎)

 年々、凄みが増しているスラッガーだ。広島東洋・西武でプレーした高山健一さんの息子である遼太郎。健大高崎に入学し甲子園デビューとなった2年春の選抜では、4試合で9打数4安打と結果を残し上々の甲子園デビューとなった。

 そこから右肩上がりに実力を伸ばしていった高山。凄みが増したのはこの3年春からだ。春季県大会の2回戦でサイクル安打を記録。そして、関東大会でもとてつもない打棒を見せる。まず浦和学院戦。高めに浮いた直球を見逃さず、[stadium]ゼットエーボールパーク[/stadium]のセンタ―場外へ消える本塁打。[stadium]ゼットエーボールパーク[/stadium]でセンターへの場外本塁打はほとんど例がなく、訪れた千葉の高校野球ファンの度肝を抜いた。

 さらに日大三との決勝戦では内角球をとらえ、場外本塁打。この春から関東大会決勝戦まで26本塁打とまさに「化けた」といえる本塁打量産ペースだ。

 その背景には冬場のトレーニングと、ボールの下を速いヘッドスピードでとらえるバッティングがうまく融合した結果といえるだろう。長距離志向ながら、動作にロスがない理想の打ち方となっている。

 そしてもともと外野手だったのが今年からサードに転向。サードの守備でも猛然と突っ込み、軽快に打球をさばいてランニングスローも軽々こなしスローイングも強い。

 今年は林昂汰智辯和歌山)、野村佑希花咲徳栄)、中川卓也大阪桐蔭)の3人のサードが侍ジャパンU-18代表の一次候補に選出された。高山はこの3人に負けていない長打力、守備力がある。

 全国ナンバーワンサードへ。勝負の夏がいよいよ始まる。

[page_break:沢田龍太(富山商)投手 地味だけど凄い。夏では全国トップクラスの投手へ]

沢田龍太(富山商)投手 地味だけど凄い。夏では全国トップクラスの投手へ

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沢田龍太(富山商)

 富山県出身でプロで活躍しているのは石川歩(富山滑川出身・千葉ロッテ)、西野勇士新湊出身・千葉ロッテ)が思い浮かぶ。2人に共通するのは実直な野球選手。2人について「地味だけどピッチングはすごい」と表現するファンが多い。

 富山商沢田龍太はそんな2人の系譜を受け継いでいる投手といえる。

 右腕から投げ込む直球は常時130キロ後半~143キロとコンスタントに140キロ台を計測。さらに指先にしっかりと力を伝えるのがうまいリリースで、回転数が高いストレートは本物だ。そして沢田の魅力は変化球の精度の高さにある。125キロ前後のスライダー、130キロ前後のカットボール、130キロ台のスプリットと、変化球の速度は高校生のレベルを超えており、手元で急激に変化し、精度も非常に高い。

 そんな沢田は1年夏からベンチ入りし1年秋にはエースへ成長。そして大黒柱として素晴らしい活躍を見せたのは、2年秋である。公式戦69イニングを投げて、64奪三振、防御率1.70、四死球率2.48と安定した数字を残し、選抜出場に貢献した。

 選抜・智辯和歌山戦では最速143キロのストレートと切れ味鋭い変化球を武器に2失点。林 昂汰を2三振に抑えるなど、持ち味を発揮した。感情を表に出すことなく、淡々と自分のピッチングに専念し、厳しいコースに投げ込んだ好投を読んだ。これまで北信越内では好投手として注目されていたが、全国区の投手へ成長した。

 最後の夏が近づいてきて、各校の打力が上がる夏でも、それを凌ぐほどのすごみのあるピッチングを見せてくれるのか。

 気づいたときは全国トップクラスの投手になっていた。そんなピッチングを期待したい。

文=河嶋宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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