試合レポート

明豊vs常総学院

2018.06.17

明豊、逆転勝利!3勝1敗で県外遠征を終える

明豊vs常総学院 | 高校野球ドットコム
先発・大畑蓮(明豊)

 明豊常総学院の一戦は締まった好ゲームとなった。まず先制したのは常総学院。9番菊地壮太(2年)の三塁打とバッテリーミスの間に1点を先制。常総学院の先発・塙雄裕(2年)は常時130キロ中盤~130キロ後半の速球(最速142キロ)のストレートを投げ込み、スライダー、カーブ、チェンジアップをテンポよく投げ分け、3回まで無失点の好投を見せていたが、一気に活気づくのが明豊打線の怖いところである。

 4回表、無死から2番布施心海(1年)が右翼線を破る二塁打を放つと、3番濱田太貴(3年)がインハイのボール球を強引に引っ張り左前安打。4番野邊優汰(2年)の適時打で1点を返す。5回裏には、8番若杉雅己(3年)の犠飛で同点に追いつくと、二死から2番布施がレフトフェンス直撃の適時二塁打で3対2と勝ち越しに成功した。

 2安打の布施心海は1年生とは思えない活躍。バットを長く持って、めいっぱい持って振り回しながらも広角に打ち返せる打撃技術が素晴らしい。二塁守備も、まだミスは多いが、動きは俊敏。ヒット性の当たりを防いでアウトにするなど、好プレーもあった。布施について川崎監督は「広角に打てるように打撃の技術は1年生ながらチームでも上位に入るものはありますし、物おじせず振れるのが魅力です」と九州大会後に出てきた布施の働きを評価した。

 投げては大畑蓮(2年)が好投。常時130キロ~135キロの速球とスライダー、カーブ、チェンジアップを駆使し、要所を締めるピッチングで1失点完投勝利。川崎監督は「今年は2年生の投手が軸となります。今年は圧倒して抑えられる投手はいません。終盤にどれだけ粘り強く投げることができるか。2人ともそれを実践してくれたと思います」と、寺迫、大畑の両投手の投球をたたえた。

 対する常総学院は普段、遊撃手を務める吽野圭祐(3年)が投手として好投を見せた。これまで公式戦での登板機会はなかったが、練習試合などでは投げていたようだ。5回裏途中から登板した吽野は2.1回を投げて無失点の好投を見せた。

 吽野はサイド気味の投球フォームから常時130キロ~135キロ前後の速球を内角に強気に攻め、スライダーや緩いカーブを投げ分けるなど投球術が上手い。ショートとしても機敏な動きと強肩を見せる選手だが、状況に応じたピッチングを見て、野球センスが抜群な選手だと感じさせた。

 明豊は3勝1敗で県外遠征を終えた。川崎監督は「関東の強豪校と対戦して、特に常総学院は戦っていて圧というのを感じさせるチームでした。そういう相手に粘り強く戦えたというのは大きな収穫でした」と振り返った。そして夏へ向けての課題として「確率を高める」ことを挙げた。
「もうここから劇的に変わるということはありませんので、1つのプレーに対してどれだけ精度の高いプレーができる確率を高められるかだと思います。そこを突き詰めて夏を戦っていきたいと思います」
 2年連続の夏の甲子園出場に期待がかかる明豊。7月7日開幕の大分大会まで、さらにチームを仕上げて夏に向かう。

(取材・写真=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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