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ミレニアム世代のトッププロスペクトたち Vol.2 「湯浅麗斗、松田 憲之朗、芳賀大成」

2018.06.16

  6月23日から始まる沖縄大会を皮切りに第100回大会がスタートする。この大会で最後の夏を迎えるミレニアム世代は多大な注目を浴びている。そんなミレニアム世代をトッププロスペクト方式で高校野球ドットコムが特集。第2回は各地区のスラッガーを紹介する。

四国ナンバーワンスラッガー・湯浅 麗斗(生光学園)

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湯浅 麗斗(正光学園)

 今年の四国を代表する投手が市川悠太明徳義塾)ならば、四国を代表するスラッガーが湯浅 麗斗だろう。生光学園中出身でそのまま生光学園に進み、頭角を現すようになったのは2年秋から。県大会1回戦・新野戦では、本塁打を含む3打数2安打3打点をマークし、2回戦の海部戦でホームスチールを決めた。さらには6球連続で粘り、10球目を打って2点適時打を放ち、さらに二盗を決めると、県大会準決勝の鳴門渦潮戦ではバックスクリーン弾、四国大会でも本塁打を放ち、秋は自分の名を大きく上げた。

 湯浅のバッテングは、振り幅が大きいスイングで強く引っ張る「巻き込み型」の打者である。スクエアスタンスで構え、グリップを高い位置に置いて懐深く構える姿は雰囲気があり、トップを深く取って、振り幅が大きいスイングで、ボールを捉える。真芯でとらえた時は、ピンポン球のように飛んでいく。

 しかしこの春の県大会では、2回戦で徳島商に敗れ、夏前の総体大会でも徳島商に1対10で敗れ、夏の大会を迎えることとなった。鳴門渦潮鳴門など強豪公立校が揃う徳島県。初の甲子園出場へ。この夏は大暴れを見せる。

[page_break甲子園100勝へ強い覚悟で臨む古都のスラッガー松田 憲之朗(龍谷大平安)]

甲子園100勝へ強い覚悟で臨む古都のスラッガー松田 憲之朗(龍谷大平安)

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松田 憲之朗(龍谷大平安)

 今年の龍谷大平安は並々ならぬ思いで夏の大会に臨む。今年、龍谷大平安は甲子園100勝がかかっているのだ。今年はその目標を達成するのにふさわしい逸材が揃っている。投手では常時140キロ台のストレートと130キロ前後のスプリットボールで勝負する小寺智也、最速148キロ右腕・島田直哉、その先頭を引っ張るのが主将の松田である。松田は「平安」のDNAを引き継ぐ男だ。平安でプレーした従兄弟・炭谷銀仁朗(現・埼玉西武)、兄・松田龍馬(東京情報大)の影響で幼稚園年少から野球をはじめ、めきめきと実力をつけた松田は、京都洛北ボーイズで準優勝を経験。6試合で4本塁打を記録するなど、府内でも注目される打者となっていった。

 龍谷大平安入学後はきめ細かい平安野球を学び、1年秋からレギュラーとなり、自慢である長打力と課題としていた守備力に磨きをかけてきた。松田の打撃が本格化したのは、昨年12月に遠征したオーストラリア遠征から。木製バットを使いながらも4本塁打を放つ大活躍。この遠征でしっかりと芯でとらえる大事さを学び、練習を重ねるうちに、「7割~8割の力で打つと、キレイにバットが乗って本塁打になる」と気付き、その後も本塁打を量産。5月4日の南陽戦では、高校通算50号を放った。しかし近畿大会出場を狙った二次戦では、準々決勝で東山に敗退。自身も3打数無安打に抑え込まれた。

 厳しいマークを受けながらそれを打破できる打力があるか。並々ならぬ闘志を燃やし臨む京都大会では、これまで味わった悔しさも力に変えて打ちまくる。

[page_break森友哉のようなフルスイングでスタンドを沸かせる芳賀大成(明秀日立)捕手]

森友哉のようなフルスイングでスタンドを沸かせる芳賀大成(明秀日立)捕手

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芳賀大成(明秀日立)

 今年の選抜では強打で名をとどろかせた明秀日立。1番・13702とともに、高く評価されているのが芳賀大成である。まるで森友哉(現・埼玉西武)を彷彿とさせる体をねじるようなフルスイングから強烈な打球を飛ばす。選抜では3試合で14打数5安打の活躍を見せ、ドラフト候補に浮上した。

 福島南部シニアで4番・サードで活躍した芳賀の活躍は、下級生の時から始まった。1年夏からレギュラーとして活躍し、本塁打を打つ活躍。2年秋には4番打者として、公式戦9試合で14打数5安打、打率.357を記録し、初の選抜出場へ大きく貢献した。

 冬場は、メジャー球団が導入しているバックスピンティーと呼ばれる吊り下げ型の置きティーを使ったスイング練習や、一回身体をねじってから打つティーバッティングに取り組むなど、小柄な体を最大限に使える打者になるために工夫を重ねながら取り組み、チーム一の強打者へ成長した。

  春の県大会では捕手として出場することも多くなり、スローイングタイム2.00秒の強肩で盗塁阻止することも多い。

  春夏連続の甲子園出場を目指す明秀日立。今回は攻守の要として、チームメイトを支える。

文=河嶋宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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