Column

近年は新鋭の台頭!群雄割拠の“岡山春の陣”

2018.04.21


西純矢(創志学園)

 

 21日に開幕する春季岡山県大会。昨秋の県大会で8強入りした岡山学芸館倉敷商おかやま山陽創志学園岡山城東倉敷工玉島商興譲館の8校に、各地区の予選リーグを勝ち上がった16校を加えた24校で開催される。
 今回は出場各校の注目選手紹介を中心に、大会の展望を行いたい。

おかやま山陽の課題となる「2番手投手の育成」

 今春のセンバツに出場したおかやま山陽。惜しくも初戦突破はならなかったが、4番・井元 将也がレフトスタンドに先制2ランを突き刺すなど、持ち味である攻撃力の一端は見せた。春季大会を臨むにあたってキーポイントとなりそうなのが、エース・有本 雄大に次ぐ「2番手投手の育成」だ。
  新チーム発足以降、堤尚彦監督が課題として掲げているのが、投手陣の充実。センバツでリリーフとして登板した左腕・森下 浩弥だけでなく、切磋琢磨を続ける林 勇作小林 甲斗の2年生右腕コンビが、今大会どれぐらいマウンドを任せられるのか。そして、経験を積み上げて飛躍に繋げることができるのかが夏に向けても重要なポイントになりそうだ。

 また、センバツでは背番号3の井元 将也が三塁で出場するなど、ポジションに動きが見られた。夏へ向けてレギュラー陣のコンバート、控え選手を含めた入れ替えが行われるかも気になるところだ。

 昨秋の県大会を制した岡山学芸館は、今大会も上位進出が期待される好チーム。気になるのは昨秋活躍を見せた「左右二枚看板」の仕上がりだ。昨秋エースナンバーを背負った右腕・金村 尚真、一塁兼務の左腕・倉川 太輝は、両投手ともに高いゲームメイク能力が光っていた。金村は直球の威力はもちろん、安定した制球力も武器の一つ。倉川は球速以上のキレを感じさせる、スピンの効いた直球を両サイドに散らす投球で、昨秋の岡山大会決勝のマウンドも任された。熾烈なエース争いを経た、両投手の成長ぶりに注目だ。
 那覇 峻矢知念 大輔らを筆頭に打線も強力。昨秋から際立っていたバランスの良い攻守が、このオフを経てどう成長しているか。

 昨秋準優勝を果たした倉敷商のエース・引地 秀一郎は、今大会も「最注目」と言ってもいい存在だ。中国大会初戦で盈進に敗れたあとは、ウエイトトレーニング、栄養面の見直しを徹底し、フィジカルの強化に取り組んだ。並行する形で、股関節を中心とした柔軟性向上にも励み、身体の使い方も改善。地道なベースアップに取り組んだ剛腕の“現在地”も今大会の見逃せないポイントだ。

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近年は新鋭の台頭!群雄割拠の“岡山春の陣”


引地秀一郎(倉敷商)

 昨秋の3位決定戦で、おかやま山陽との乱打戦を繰り広げた創志学園も戦力は充実している。投手陣では、昨秋背番号11ながら主戦級の投球を見せた2年生右腕・西 純矢から目が離せない。既に140km/h後半に達している直球と、落差のあるフォークのコンビネーションで次々と空振りを奪っていく強気なピッチングスタイルが特徴。プロへ進んだ髙田 萌生(巨人)、難波 侑平(北海道日本ハム)の二人とバッテリーを組んだ捕手・藤原 駿也がどう実力を引き出していくかにも注目したい。
 秋は1番を打った俊足好打の金谷 温宜、勝負強さとパンチ力を兼備した中山 瞬金山 昌平の中軸を中心に、野手陣もタレント揃い。春連覇も視野に入る強力な布陣で巻き返しを図る。

 玉島商は下級生時代から登板を重ねている左腕・石崎 佳以がチーム浮沈のカギを握る。肩周りの柔軟性を感じさせるフォームから繰り出す変幻自在の投球は必見だ。

 対戦カードで見ると、玉野光南vs岡山理大附は注目の一戦。安定した実績を誇る両校の対戦は、夏に向けても重要な意味を持ちそうだ。

 倉敷と初戦を戦う関西は、監督交代後初めての県大会。浜田真吾新監督が率いる新体制での戦いぶりにも注目だ。

 近年は新鋭の台頭も目立つ岡山。「新時代」到来を印象づける大会になるのか、名門が意地を見せるのか。群雄割拠の“岡山春の陣”の行方から目が離せなさそうだ

 

文=井上 幸太

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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