瀬戸川隆人(都立城東)17年ぶりの聖地を目指す「公立の雄」を引っ張る右腕
東京都の「都立の雄」として、17年ぶりの甲子園を目指す都立城東。だが、昨秋は日大三を相手に1対7と完敗し、4月14日に行われた春季東京都大会4回戦の創価戦でも0対8と大差で敗れた。今回は、エースとして都立城東を引っ張る瀬戸川隆人投手に話を伺い、夏に向けての意気込みを伺った。
一試合を通して組み立てができる投手に
瀬戸川隆人(都立城東)
――今日は4回からの登板でしたが、試合を振り返ってもらえますか?
瀬戸川隆人投手(以下、瀬戸川) いつでも行けるようにはしていたので、そんなに慌てる感じも無く、気持ちは作れていました。二巡目までは何とか凌ぐことができましたが、三巡目に入ってからはツーシームを見極められたり、スライダーでカウントが取れずに、真っ直ぐ頼みになりました。他の変化球を上手く使えなかった感じです。
――夏に向けて課題は見つかりましたか?
瀬戸川 今の実力だと一、二巡目までは何とか抑えられることはわかりましたが、三巡目以降は捉えられてしまいます。一試合を通して組み立てができるように、ストレートも変化球もコントロールも精度を高めたいと思います。
――昨秋は日大三に7対1で敗れました。敗戦からどのような課題を持って冬場の練習に取り組みましたか?
瀬戸川 ただ速いだけの真っ直ぐではなく、しっかりと質を求めて、真っ直ぐ主体の組み立てができるように、トレーニングをやってきました。真っ直ぐあっての変化球だと思うので、まずは真っ直ぐが基本だと思います。
――日大三打線と対戦してどのように感じたか教えてください。
瀬戸川 外は思い切り振ってきたのですが、インコースは打ちにくそうにしてたので、そこを上手く使うことを意識しました。
――冬場は具体的にどのようなトレーニングをされていましたか?
瀬戸川 ただ投げ込みするのではなくて、投げ込みのときも体を上手く使えているかとか、下半身の使い方で納得いってないところもかなりあったので、細かいところですが、課題を一つ一つ潰すようにしました。
――目標にしたり、参考にしている選手はいますか?
瀬戸川 同じ右投手の則本 昂大投手(楽天)ですね。真っ直ぐでも変化球でも空振りを取れる投手だと思います。やっぱり空振りが取れると自分も楽になるので、空振りを取れる投手を目標にしています。
――ちなみに甲子園は観ましたか?
瀬戸川 観ました。大会を通して、コースにしっかり投げてる投手が多いことが印象に残りました。球速が130キロ出ていなくても抑えられていたので、自分もピンチの時はコースに投げて打たせるピッチングをしたいと思いました。
――秋に敗れた日大三の試合は観ましたか?
瀬戸川 はい、三重の定本 拓真投手も三振を取るタイプには見えなかったんですけど、真っ直ぐにも力があって、ストライク先行でどんどん球威で攻めていました。あんな投球ができると楽だなと思いました。
――最後に夏に向けて目標をお願いします。
瀬戸川 夏は他の高校もバッティングを鍛えてくると思うので、自分もそれ以上にレベルアップして、一試合を通して抑えられるようにしたいと思います。
インタビュー中は、質問に対して力強い言葉で答えた瀬戸川投手。その受け答えからも、「力強いボールでどんどん攻めたい」という思いが垣間見えた。「都立の雄」を引っ張る右腕が、17年ぶりの聖地を目指す。