Column

水海道第一高等学校(茨城)

2018.02.26


水海道一高校野球部

接戦を勝ち切る「粘り強い野球」がテーマ

■「常総野の早慶」と例えられる進学校
 茨城県常総市にある茨城県立水海道第一高等学校は、1900年に茨城県下妻中学校の分校として創立。1902年に独立して茨城県立水海道中学校となり、その後、幾度かの校名変更を経て1949年に現校名となった。現在は普通科が設置されており、2004年には進学重視型単位制へ移行している。部活動も活発で、毎年5月には各運動部が「常総野の早慶戦」とも呼ばれる定期戦を下妻第一高校と行っている。野球部は昨秋、県西地区予選を勝ち上がると茨城大会でも勝利を挙げ16強に進出した。

■水海道一野球部の紹介

 野球部は2年生11名、1年生14名の計25名。「学年の垣根がなく、チームワークが良い」と、相馬 大成主将。今年のチームは接戦を勝ち切る「粘り強い野球」をテーマにスタートしており「接戦に勝つにはやはり強い心が必要なので、人間性を磨くことも非常に重視しています。具体的には『学業などの学校生活をしっかりと行うこと』『真剣に練習に取り組み続けること』の2つを掲げて活動してきましたが、新チームが始まったときに比べると一つひとつのトレーニングの意味を考えて取り組むことができる選手も多くなってきたので、練習の質は少しずつですが良くなっていると思います」と、手応えを感じているようだ。

■今年のチームが始まって、最も印象に残っている試合は?

 秋季大会3回戦の霞ヶ浦戦では、5回まで0対2と我慢強く食らいついていたが、6回にミスとヒットが重なり4失点。そのまま流れを変えることができずに8回コールド負けを喫した。相馬主将は「ランナーをたくさん出してチャンスは何度も作ったものの、結局1点も取れませんでした。チャンスを確実にモノにするために勝負強く、確実性のある打力を付けないと強豪校には勝てないと痛感しました」と、悔しさをにじませながらも、敗戦から新たな課題を見出したようだ。

■新チームを引っ張ってきた選手は?
 坂本 直起選手は出塁率が高い1番打者として、チャンスメークもランナーを返すバッティングもでき、守備、走塁もそつなくこなす。木村 航大投手は打線の援護に恵まれず失点できない緊張感のなかでも、粘り強いピッチングを見せた。また、相馬主将は、トレーニングリーダーでもある門井 一斗選手に対し「常にポジティブ思考で何事にも明るく全力で取り組んでいるので、とても頼りになる存在。今後も勝利に貢献するプレーや、チームの流れを良い方向へ変えるプレーを見せてくれると思います」と期待している。

■この冬の意気込み!
 この冬はスイングスピードを上げることと体重増加を目標にしている水海道一。「2年生は最後の夏に向けて、やり残したことがないように『完全燃焼の冬』にしたいです」と、相馬主将。そのためにも、「しっかりと自分を追い込んで土台を固め、振り込みやトレーニングをただこなすのではなく、意識を入れて取り組んで春先にはバッティングで成果が出るようにしたい。そして、チーム全体でレベルアップを実感できるよう共に励まし合い、緊張感のなかに充実感あふれる雰囲気で練習して、この冬を全員で乗り越えます!」と、語っている。

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[page_break:チームメートの人間性は他のチームに負けない!]

チームメートの人間性は他のチームに負けない!


ミーティングをしている水海道一高校の監督と選手たち

 ここからは、水海道第一高校野球部の坂本 直起副主将と木村 航大投手リーダーの二人にお話を伺いました!

Q.秋季大会などを経て、見つけた課題を教えてください。

坂本:私立の強豪校と比べて、長打を打つ力がかなり劣っていると感じましたし、外野の守備範囲、肩の強さに差がありました。また、ゲームをするなかで、大事なポイントを決める勝負強さも必要だと思います。
木村:アンダースローなので、これまではストレートのクセ球で打者を打ち取っていましたが、強豪校相手では多少、芯を外してもヒット性の強い打球を打たれてしまいました。そこで、緩急を活かすために、打者のタイミングを外す変化球を身に付けなければならないと思っています。また、ストレートを投げる時と同じフォームで変化球を投げることも課題です。

Q.このオフシーズンの目標、強化したいことを教えてください

坂本:打撃にも守備にも走塁にもつながる脚力と、そこから強い球を投げるための肩力を重点的に鍛えたいです。
木村:このオフシーズンはアンダースローのフォームに耐えうる粘り強い下半身を作るため、スクワットを中心に脚を一回り大きくしたいです。また、フォームにこだわり、球質を高めていくことがこの冬の目標です。そして、変化球を含め、すべてのボールをキャッチャーが要求するところへ正確に投げ込むための制球力を強化したいです。

Q. 応援する方々へアピールしたいセールスポイントは?

坂本:安定した守備と積極的な走塁です。
木村:投球のリズムを作り出すテンポの良さと、得点圏にランナーがいる時などに見せる全力でねじ伏せるピッチングです。

Q.チームの好きなところや、他のチームに負けていないところはどこですか?

坂本:他のチームに負けていないのはチームメートの人間性で、周りのことが見えて、周りを明るくする力を持っていると思います。また、真面目さも秀でています。
木村:勝利に執着していて、勝ちにこだわるところが好きです。また、トレーニングの質と意識の高さは他のチームに負けていないと思います。一人ひとりがウエイトトレーニングやラントレーニングにこだわってスケールアップを目標にしています。

Q. このオフシーズン、「自分はここまで成長するぞ!」という熱い意気込みをお願いします!

坂本:厳しいトレーニングで身体も心も強くして、勝負どころで結果を出せる選手になります! そして、ホームランを複数本打てるようになりたいです!
木村:県ベスト4以上のチームと対等に渡り合える投手まで成長します!

坂本選手、木村選手、ありがとうございました!

[page_break: 死力を尽くして、とことんやり抜け!
]

死力を尽くして、とことんやり抜け!


トレーニングに打ち込む水海道一高校の選手たち

 ここからは三浦 幹大監督にお話を伺いました!

Q. 新チームが始まってから、どんなテーマを持ってチームを作り上げてきましたでしょうか。

 本校は1900年に創立し、117年という歴史を誇る地域の進学校です。野球部も最近では2011年に茨城県の21世紀枠候補に選ばれるなど歴史と伝統を胸に活動しております。しかし、未だ甲子園大会への出場経験はなく、学校の新たな歴史を作るべく日々取り組んでおります。
 今年の新チームは一見強そうではないが「負けないチーム」をテーマにしてきました。根幹となるのは、確かな技術力と強い心。野球の面では能力差をカバーしやすい守備と走塁を徹底し、相手の力を出し切らせずに自分たちの力を発揮する野球を目指しました。さらに、そのテーマをやり抜くための人間力を身に付けることも大きな目標として取り組んできました。生徒たちは、必死に自分たちのやるべきことを積み上げてきてくれていると思います。

Q. 昨秋の大会を振り返り、冬の強化ポイントを教えてください。

 秋季茨城大会でベスト8を前に霞ヶ浦に敗れ、守備と走塁で確率高く戦う野球に加えて、やはり個と個の勝負で勝てる実力を身に付ける必要性を痛切に感じました。そこで、この冬は主に打撃力の向上、身体作り、心の鍛錬をテーマに取り組んでいるのですが、ある意味、私の手を離れて生徒たちが自分自身を越えていく冬にしてほしいと考えています。そして今春、夏には私の想像と想定を越えた活躍をしてほしいと願っています。

Q. 厳しい冬の練習に挑んでいる選手たちにメッセージをお願いします!

 自分と勝負する厳しい冬です。目標設定、具体性、科学的根拠……これらは大切な要素ではあるが、それ以上に、とにかくやり抜く! 死力を尽くす! こういった限界突破の経験は必ず君たちを大きく成長させる。苦しいときにお互いを鼓舞し合って、大きく変化を遂げる冬になることを期待しています。とことんやり抜け!

三浦監督。そして、水海道一高校野球部の皆様ありがとうございました!


今年も大好評!
【冬が僕らを強くする 特設ページ】
各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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