プロ野球の映像によるリプレー検証、新ルールは甘すぎる!
今シーズンからプロ野球では審判の判定に意義がある場合に、監督が映像によるリプレー検証を求めることができる【リクエスト】制度が導入される。
アメリカのMLBが2014年から導入した【チャレンジ】制度を模範にしたもので、これまでは外野フェンスやポール際の打球や本塁でのクロスプレー、併殺崩しの危険なスライディングを禁止するルールの適用などに限定して実施されてきたリプレー検証が、今シーズンからは【チャレンジ】とほぼ同様の扱いで、アウトやセーフ、フェアやファウルなどの判定にまで拡大されます。なお、ストライク、ボール、ハーフスイング、ボークなどの判定は【リクエスト】の対象外となります。
リクエストができるのは1試合2回までですが、判定が覆った場合はカウントされません。リクエスト回数は9回終了時にリセットされ、延長では新たに1回が可能となります。
なお、【ビデオ判定】ではなく、【リプレー検証】ですので、呼び方に注意が必要です。
この制度のニュースを見て、個人的には1試合2回までながら、判定が覆った場合はカウントされないというルールだけでは「少し甘すぎるのでは」という思いを抱きました。
【チャレンジ】(インスタントリプレー)はアメリカンフットボールのNFLで1986年~91年に導入され、99年からシステムを練り直して再導入されました。
NFLではヘッドコーチ(監督)が【チャレンジ】をする際に前半と後半に3回ずつとれるタイムアウトの権利1回を賭けて行います。【チャレンジ】が成功すればタイムアウトは残り、失敗をすれば1回分没収。そして【チャレンジ】の回数は1回がカウントされます。
これに比べると、野球は何かを賭けるというのがないんですね。例えば野球でもタイム1回を賭ける、あるいはもっと厳しくすれば投手交代を賭けるとすれば、権利を行使する監督もさらに色々考えざる得なくなるのではないでしょうか。あくまでも「1つの提案」ではありますが・・・
今シーズンの【リクエスト】の使い方に注目してみましょう。
次回はアマチュアのインスタントリプレーについて考えてみたいと思います。
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(文:松倉雄太)