星稜、全中全国制覇バッテリー軸にセンバツへ意気込む!【選抜発表前レポート】
星稜ナイン
星稜が今、心から欲しているのは「全国制覇」の四文字。昨年の北信越大会準優勝で13年ぶり12度目の出場をほぼ確実にしたセンバツの舞台でも、彼らは本気で紫紺の大優勝旗を獲りに行こうとしている。
その下地も十二分にある。軸は2016年・全国中学校軟式野球大会を制したかほく市立宇ノ気中出身の1年生バッテリー・奥川 恭伸投手と山瀬 慎之助捕手だ。松井 秀喜氏の一年後輩で、2011年にコーチから昇格した林 和成監督は2人についてこう言及する。
「奥川は身長もあって(181センチ78キロ)145キロ、146キロをドーンと放れるので誰が見てもいいピッチャー。ドラフト1位・ドラフト2位にしたいなと思ってる子。山瀬は私が見てきた20年の歴史の中でも肩だけは1番。抜群です。肩だけならドラフト上位候補です」
加えて2人は運を引き寄せる強心臓も持っている。昨秋の北信越大会では主将・エースの竹谷 理央(2年)のけがによって巡ってきた登板機会を活かし、2完封。奥川が「先発する以上は試合を作らなくては」とあえて背負った責任感を、「阿部慎之助さんのようなホームベースで与える安心感を目標にしている」山瀬が命名のルーツどおり適度に緩和する絶妙の関係性が、満身創痍のチームを北信越大会ファイナリストまで押し上げた。
そして、センバツでは竹谷も万全の状態で戻ってくる。「13年前は初戦負けだったので最低1度は校歌をしっかり歌えるように。選手たちは『2勝は必ずするぞ』と取り組んでいますので、そこまでの戦力をしっかり整えるようにこの冬残りやっていきたいと思っています」とあくまで謙虚な林監督に対し、奥川はこう目標を発した。
「何回りも大きくなって中学の時みたいに勝てるピッチャーになりたい。甲子園の優勝を目標にしているので」
1995年夏・2年生左腕エースだった山本 省吾(現:福岡ソフトバンクホークススカウト)が飛躍したように、のびしろ抜群の下級生バッテリーがけん引し、復帰した主将をはじめ2年生そこをサポートする。もしその連鎖が正の方向に転がれば……。悲願の甲子園初優勝は、彼らの側に一歩ずつ近づくことになるだろう。
■後日、星稜の野球部訪問&エース・奥川選手のインタビューも公開!お楽しみに!(取材=小中翔太記者)