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ここ10年間の夏の甲子園優勝投手の現在地

2017.10.25

ここ10年間の夏の甲子園優勝投手の現在地 | 高校野球ドットコム
清水達也(花咲徳栄)

 第99回まで歴史を重ねた夏の甲子園。来年は記念大会となる100回目を迎える。約4000校の争いを制しての甲子園優勝は非常に難しく、甲子園優勝投手はとても名誉ある称号だ。
今年は花咲徳栄が埼玉県勢初優勝を成し遂げた。エースの清水 達也は全試合リリーフ登板。最速150キロの速球と落差の大きいフォークを武器に、U-18ではクローザーを務めた。今回はここ10年間の夏の甲子園優勝投手の現在地を紹介したい。

2008年夏の甲子園優勝 大阪桐蔭

福島由登(青山学院大-Honda)

2009年夏の甲子園優勝 中京大中京
堂林翔太(広島)広島ドラフト1位指名
NPB通算 1307打数309安打31本塁打130打点 打率.236 

2010年夏の甲子園優勝 興南
島袋洋奨(中央大-福岡ソフトバンク) 福岡ソフトバンクドラフト5位指名
NPB通算 2試合 0勝0敗 防御率0.00 ※関連記事

2011年夏の甲子園優勝 日大三
吉永 健太郎(早稲田大-JR東日本)

2012年夏の甲子園優勝 大阪桐蔭
藤浪 晋太郎(阪神) 阪神ドラフト1位指名
NPB通算 114試合 45勝37敗 防御率3.05 ※関連記事

2013年夏の甲子園優勝 前橋育英
高橋 光成(埼玉西武) 埼玉西武ドラフト1位指名
NPB通算 37試合 12勝17敗 防御率4.07 ※関連記事

2014年夏の甲子園優勝 大阪桐蔭
福島 孝輔(同志社大)

2015年夏の甲子園優勝 東海大相模
小笠原 慎之介(中日) 中日ドラフト1位指名
NPB通算 37試合 7勝14敗 防御率4.28 ※関連記事

2016年夏の甲子園優勝 作新学院
今井 達也(埼玉西武) 埼玉西武ドラフト1位指名
NPB通算 一軍登板なし ※関連記事

2017年夏の甲子園優勝 花咲徳栄
清水 達也(花咲徳栄→?) ※関連記事

 高卒でプロ入りしたのは5人。大学を経てプロ入りしたのは島袋1人。その他は大学・社会人でプレーを続けている。

 堂林は高校時代から定評のあった打撃でプロで勝負している。プロから始めた内野守備は、当初は不安なものであったが徐々に改善しつつある。プロ3年目には全試合出場を果たすも、それ以降は出場機会が減った。再度レギュラー獲得に向かいたいところだ。

 島袋は中央大に進学した後、福岡ソフトバンクに入団。一軍登板はわずか2試合にとどまっており、苦しいプロ生活を強いられている。

 藤浪、高橋、小笠原、今井は高卒でプロ入り。藤浪は侍JAPANにも選出され、今年3月にはWBCメンバーの一員として世界と戦った。プロ入り後、自己最速となる160キロをマークするなど成長を見せたが、最近は制球難に苦しんでいる。先日のCSでは復調の兆しを見せたが、来季以降に注目が集まる。
高橋はプロ2年目の2015年に初勝利を挙げると、2016年には大きく負け越したものの22試合に登板。着実に成長を遂げている。
小笠原はプロ1年目で2勝を挙げると、今年は5勝。数年後には中日のエース格になるであろう存在だ。
今井は一軍での登板はないものの、二軍で経験を積んでいる。春季キャンプで右肩を負傷し、長いイニングの登板はないものの力のある直球は健在だ。

 福島由はHonda、吉永はJR東日本、福島孝は同志社大でプレーを続けている。かつて、甲子園を沸かせた大投手なだけに是非ともプロ入りを目指して頑張ってもらいたい。

 そして今夏の優勝投手は花咲徳栄の清水だ。3回戦前橋育英戦で自己最速となる150キロを記録。全試合を2番手で登板し、中継ぎ・クローザーの適性があることを証明した。そのためU-18ではクローザーとして試合を締めることが多く、日本代表の勝利に貢献した。
その清水はプロ志望届を提出。どの球団に、何位指名されるかに注目が集まる。

(文・編集部

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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