Interview

中村 奨成(広陵)「世界一へ、チームに勢いを与える豪打を」

2017.09.09

 9月8日、第28回WBSC U-18ベースボールワールドカップ7日目。決勝進出を目指して望んだカナダ戦は逆転負けとなった。次の韓国戦では勝つことが大前提。今回は韓国戦へ向けてのキーマンを紹介。今回は中村奨成(広島広陵)だ。甲子園で残した数々の打撃記録。求められるのは豪快な打撃。その打撃ができず、苦しんでいたが、ようやく復調の兆しが見えている。

大藤コーチから受けたアドバイスとは?

中村 奨成(広陵)「世界一へ、チームに勢いを与える豪打を」 | 高校野球ドットコム

中村 奨成(広陵)

 甲子園の活躍を見れば誰もがU-18でも活躍することを願うだろう。しかしU-18の大会が開幕すると、手元で微妙にボールを動かす海外投手の対応に苦しみ、一次ラウンドでは11打数1安打と自分の持ち味を発揮できなかった中村。そして6日の公式練習を見ると、大藤敏行コーチからマンツーマンで指導を受ける中村の姿があった。教わったことは「間の取り方」と「ボールの見方」だ。

「指摘されたのは、間合いの取り方です。良い間合いの取り方ということで、[stadium]甲子園[/stadium]時の映像を大藤コーチから見せてもらいまして、それをイメージして打撃練習をしました。そしてボールの見方が悪かったので、それも修正しました。それをしないと、自分のスイングができないのでそこは意識して、取り組みました」

 大藤コーチの指導により、中村の打撃練習は非常に良く、本当に打撃不振に苦しんでいる選手なのか?と思うほど打球が鋭い。坂本勇人のようにバットを持つ位置を高く取り、インパクト後、フォロースルーが大きいスイングから、両翼101メートル、中堅122メートルのcentralで、さく越えの本塁打を放った。右打者で中村と同じくらい飛ばせる選手はいなかった。やはりスラッガーとしての素質は高い選手であり、首脳陣がなんとしても復調を願いたいというのが、観てて伝わる。中村も練習で本塁打を打ったことについて「自分でも納得がいくスイングです」を振り返った。

 迎えたスーパーラウンド。オーストラリア戦では無安打に終わったが、カナダ戦。第1打席からセンターへ鋭い飛球。フライアウトとなったが、久々に中村らしい当たりを見せた。そして第3打席目は久々のセンター前ヒット。この日は凡退でも中村自身、「内容は悪くなかったですし、自分の課題としていたタイミングの取り方だったり、ボールの見極めもできていたと思います」と振り返る。だが、チャンスの場面で打てなかったことを悔やんだ。

「そこは反省点ですし、韓国戦ではチャンスの場面で打てることが大事となってきます。打撃はヒットの内容は良かったと思いますが、それでもまだ修正すべきところがあるので、しっかりと反省をしてやっていきたいと思います」

 次の試合へ向けての課題を話した中村。しっかりと前を見据えている。捕手として出たい思いはありながらもチームの一員として、声を出し、アドバイスなどを送った。負けられない戦いが続く中、中村にかかる期待は大きい。この夏の甲子園。広陵の躍進は中村の本塁打から始まった。初戦、中京大中京戦、6回表、2点ビハインドからライトへ甲子園初アーチ。そこから逆転劇。中村が打てば、チームは良い意味で大きく変わる。それができるのは、限られた選手しか備わっていない素質である。

 最大で残り2試合。世界一への道はかなり険しいものとなった。しかし中村ならばやってくれるはず。奇跡を起こす一撃を期待したい。

(取材/文・河嶋 宗一

中村 奨成(広陵)「世界一へ、チームに勢いを与える豪打を」 | 高校野球ドットコム
注目記事
第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ 特設サイト

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.27

【京都】龍谷大平安、京都成章、北嵯峨などが2次戦進出戦に挑む<春季大会>

2024.04.27

【広島】広陵は瀬戸内と、広島商は崇徳と夏のシードをかけて激突<春季県大会>

2024.04.27

【大阪】3回戦は28日に大阪桐蔭、履正社が登場、29日には上宮-関西創価など<春季大会>

2024.04.27

【三重】津田学園-菰野、5年ぶりの決勝対決<春季県大会>

2024.04.27

【岡山】夏シードの8チームが激突!創志学園は関西と対戦<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.24

春の埼玉大会は「逸材のショーケース」!ドラフト上位候補に挙がる大型遊撃手を擁する花咲徳栄、タレント揃いの浦和学院など県大会に出場する逸材たち!【春季埼玉大会注目選手リスト】

2024.04.22

【和歌山】智辯和歌山、田辺、和歌山東がベスト8入り<春季大会>

2024.04.22

【九州】神村学園、明豊のセンバツ組が勝利、佐賀北は春日に競り勝つ<春季地区大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!