Interview

清水達也(花咲徳栄) 「寒空を切り裂く剛速球!甲子園優勝投手が戻って来た!」

2017.09.06

 9月5日、第28回WBSC U-18ベースボールワールドカップ5日目。スーパーラウンド進出を決めている日本は、南アフリカと対戦。12対0の7回コールド勝ちで、4勝1敗でオープニングラウンドの最終戦を飾った。この日は「復活」をテーマに選手たちのインタビューをしていきたい。2人目は清水達也花咲徳栄)。この日は140キロ後半の速球と落差抜群のスプリットで南アフリカ打線を翻弄。クローザーとして期待される清水が状態を取り戻したのは大きな収穫となった。

代表投手陣最速となる148キロを計測!

清水達也(花咲徳栄) 「寒空を切り裂く剛速球!甲子園優勝投手が戻って来た!」 | 高校野球ドットコム

清水達也(花咲徳栄)

 今日のサンダーベイは最高気温14度、最低気温7度。しかも曇りと、日本で言うと11月の気候である。そんな中、南アフリカ戦、3番手で投げた清水達也花咲徳栄)のストレートはまさに寒空を切り裂くような剛速球だった。2日前のキューバ戦、清水曰く内容は最悪だった。それもそのはず。気温が低く、雨が降り出しており、マウンドも緩い。しかも初登板で、自分のピッチングをするのは難しい。130キロ後半がほとんどで、140キロを超えたのはごくわずか。清水らしい投球はできなかった。

「もうあの時は最悪のグラウンドコンディションでしたね。いろいろ気になることが多くて、自分のピッチングができなかった」

 しかし、今日の南アフリカ戦は違った。一死満塁の場面でマウンドに登った清水。先頭打者、ストレートで簡単に追い込んで、3球目。捕手・中村奨成が高めへ指示。投げ込んだストレートは、145キロを計測し、空振り三振。
「今日の中で最も良かったストレートです」と本人も手応えたっぷりのストレート。さらに続く打者も、140キロ中盤のストレートで追い込んだ後、最後は決め球の126キロのフォークで空振り三振。ピンチで二者連続三振を奪ったのだ。

 9回表も、安定したピッチングは最後の打者にはインハイへこの日最速となる148キロのストレートで空振り三振。ようやく甲子園で見せてきた140キロ後半のストレートとスプリットで打者を翻弄する清水らしい投球である。

 試合後、アベレージ(スピード)が5キロ違ったと伝えると、「何キロ出ていたんですか?」と質問を返す清水。この試合のスピードを伝えると、満足そうな表情を浮かべた。

「今日は雨とか、そういうことを気にせず投げることができたのは良かったと思います」

 何も気にせずに投げる。これは投手の能力を引き出す上で大事なことかもしれない。

 花咲徳栄からクローザーと投げる機会が多い清水。試合終盤でも冷静なマウンド捌きで、抑えることができる秘訣は何か。

 「試合展開を見ながら、ブルペンで肩を作りすぎず、ばててしまうので、試合展開を見ながら作って、ベストの状態で1球目から投げられるようにしています」

 この日は1球目から、しっかりとストライクゾーンへ投げ込み、140キロ~148キロの速球を投げ込み、しっかりと調整をしてきたのはさすがだ、そして今後の試合でも自分のピッチングするだけと実感している。

 「世界一まで手の届くところまで来ていると思います。自分はピッチングに貢献して、世界一になりたいですね」

 世界一を果たす上で、清水の投球は重要になる。ようやく、スーパーラウンドの前に甲子園優勝投手・清水達也が戻ってきた。

(取材/文・河嶋 宗一

清水達也(花咲徳栄) 「寒空を切り裂く剛速球!甲子園優勝投手が戻って来た!」 | 高校野球ドットコム
注目記事
第28回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ 特設サイト

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.26

【春季四国大会逸材紹介・高知編】2人の高校日本代表候補に注目!明徳義塾の山畑は名将・馬淵監督が認めたパンチ力が魅力!高知のエース右腕・平は地元愛媛で プロ入りへアピールなるか!

2024.04.26

今週末に慶應vs.横浜など好カード目白押し!春季神奈川大会準々決勝 「絶対見逃せない注目選手たち」!

2024.04.26

古豪・仙台商が41年ぶりの聖地目指す! 「仙台育英撃破」を見て入部した”黄金世代”が最上級生に【野球部訪問】

2024.04.26

【奈良】智辯学園が13点コールド!奈良北は接戦制して3回戦進出!<春季大会>

2024.04.26

【春季奈良県大会】期待の1年生も登板!智辯学園が5回コールド勝ち!

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.24

春の埼玉大会は「逸材のショーケース」!ドラフト上位候補に挙がる大型遊撃手を擁する花咲徳栄、タレント揃いの浦和学院など県大会に出場する逸材たち!【春季埼玉大会注目選手リスト】

2024.04.22

【和歌山】智辯和歌山、田辺、和歌山東がベスト8入り<春季大会>

2024.04.22

【九州】神村学園、明豊のセンバツ組が勝利、佐賀北は春日に競り勝つ<春季地区大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!