増田珠(横浜)「次はトップチームで侍ジャパンのユニフォームに袖を通すことができる選手に」
現地時間9月9日、第28回WBSC U-18ベースボールワールドカップ8日目。カナダに敗れた侍ジャパンU-18代表は韓国と対戦。しかし4対6で敗れ、3位決定戦に回ることとなった。今回は主力打者として期待されながらも15打数1安打に終わり、悔しい打撃に終わった増田珠(横浜)。胸の内を明かしてもらった。
今まで経験したことがないような不調の長さだった
増田珠(横浜)
増田は今大会出場20人の中で、唯一、侍ジャパンU-15代表入りを経験していた選手である。第2回 IBAF 15 Uベースボールワールドカップでは7位に終わったが、当時、鹿取義隆監督(現・巨人GM)が高く評価していたのが4番センターとして出場した増田だった。増田は「U-18でもユニフォームを背負いたいと思いましたし、その一心で3年間やってきました」と代表入りしたい思いはとりわけ強かった。そして高校3年になって念願のU-18代表入りし、再び侍ジャパンのユニフォームに袖を通し、今度は世界一を目指して臨んだ今大会だった。
しかし今大会に入ってなかなか調子が上がらない。15打数1安打に終わり、増田らしくない打撃が続いた。増田は「なんて言葉にしていいのか、分からないですけど、今まで経験したことがない調子の悪さでした」と自分の状態を明かす。
「木製バットの影響というより、メンタルが大きいと思います。調子が悪い打ち方がちょうど大会に入ってしまいましたね。こういう時は自分の頭の中で整理をして、それを体現することができていました。今大会はそれができませんでしたね」
増田は海外の速い投手に対応しようと、早めにタイミングを取ろうとしたことがドツボにはまった。トップを形成する前に、体が突っ込んで振ってしまう癖を直そうとしてやってきた。しかしそれがうまくいかず、また体が突っ込み増田らしくないバッティングが続いた。
だがこの経験は、今後の野球人生に大きく生きると考えている。
「本当にレベルが高く、凄いボールを投げる投手ばかりでした。負けたことはすごく悔しいですけど、今後の向上心につながっていくと思っています」
早くから強いプロ志望を抱いていた増田。実力が高い投手が揃う真剣勝負ができたことは、プロで活躍する上で、大事な経験だったかもしれない。いずれはトップチームでプレーできる選手となりたいと誓った増田。
いつかこのU-18の苦しみが力となったと振り返られるようなプレーヤーへ成長することを期待したい。それが実現した時、3度目の侍ジャパンのユニフォームに袖を通すことができるはずだ。
(取材/文・河嶋 宗一)
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