試合レポート

日本文理vs巻総合

2017.07.21

日本文理、今大会初失点も七回コールドで準決勝へ

 ここ数年、新潟県大会準決勝は[stadium]HARD OFF ECOスタジアム新潟[/stadium]で行われている。ベスト8に残った強豪が一堂に会し、1日に4試合行われるということもあって、今年も、平日にもかかわらず県内の多くの高校野球ファンが朝早くから球場に詰めかけた。

 第1試合は、ここまで圧倒的な強さを見せている昨秋、今春の王者・日本文理。対するは、ノーシードながら、強豪校を撃破し、快進撃をみせている巻総合。試合は日本文理が優位に進めた。

 日本文理の先発は、その潜在能力を高く評価されている140km/h右腕・鈴木裕太(2年)。その立ち上がり、制球が定まらず、一死後、連続四球と内野安打でいきなり一死満塁のピンチを招いてしまう。だが、ここからが鈴木の真骨頂。巻総合5番・鏡 理央(3年)、前の試合で本塁打を打っている6番・田原 諒(3年)を連続三振にきってとる。

 

するとその裏、日本文理はエラーで出たランナーを盗塁と送りバントで三塁へ進め、巻総合先発の鏡のワイルドピッチであっさり先制。その後も四球でチャンスをつなげると、4番・松木一真(3年)がライトへタイムリーツーベースを放ち2点目をあげる。勢いに乗る日本文理は、二回にも四球とヒットでチャンスを作ると9番・鈴木の2点タイムリー、2番・堀内真森(3年)の犠飛、5番・星野稜(3年)のタイムリーで4点を追加。巻総合・鏡をノックアウトし、リードを6点に広げる。

 

リードをもらった日本文理・鈴木は二回以降ピンチらしいピンチも作らず、四回を被安打2、5奪三振の好投。一方、三回、四回と巻総合2番手・田原の前に抑えられていた日本文理打線だったが、五回に四球から、6番・笠原遥也(3年)のタイムリースリーベースなどで3点を追加。9点差にリードを広げ、なおも二死一、三塁。あと1点でコールドという場面で、途中出場の宮澤大貴(3年)が放った打球はセカンドへのハーフライナー。

 ここで、ショートバウンドで裁こうとしたセカンドがファンブルし、万事休すかと追われたが、ファンブルした打球がセカンド塁上にいたショートへのアシストとなりフォースアウト。何とかコールドを免れると、ここから巻総合の反撃が始まる。

 九死に一生を得た巻総合は六回、日本文理2番手・原田航汰(3年)から、先頭の三富魁翔(2年)がセンター前ヒットを放つと、続く代打田中浩太(3年)が左中間へツーベースを放ちチャンスを広げる。

 一死後、日本文理は3番手・西村勇輝(3年)にスイッチするが、6番・田原がレフト前へ運び1点返す。さらに続く7番・山岸大輝(2年)がスクイズを決め、この回2点を返す。

 勢いに乗る巻総合は続く七回にも3安打を集中し1点を返すが、その裏日本文理も途中出場の倉川悟(3年)が、巻総合3番手・梨本央河(3年)から左中間にタイムリーを放ち、試合終了。

 10対3、七回コールドで日本文理が勝利し、準決勝へコマを進めた。敗れた巻総合だが、春の大会で10対0(五回コールド)で敗れた相手に大善戦。今大会ここまで失点のなかった日本文理から3点を奪うなど快進撃の勢いを感じさせ、試合終了後、球場全体から温かい拍手が送られた。

(取材=町井 敬史)

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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