Interview

ドラフト戦線に急浮上!東海大菅生の右腕・小玉佳吾に熱視線!

2017.04.11

 夏まで残り2ヶ月。今年の西東京大会は、ドラフト候補がひしめいている。「全部勝つ」と意気込む早稲田実業のスラッガー・清宮幸太郎縦スライダーで勝負する日大三の144キロ左腕・櫻井周斗。さらに、この春、最速147キロをマークした八王子米原大地の3人の前評判が高いが、春の大会で、急浮上してきたのが東海大菅生小玉 佳吾だ。

東海大菅生の元エース・勝俣より優れていて、小玉にはないものとは?

「小玉はもっとすごい選手になって騒がれていてもおかしくないんですけどね…」と東海大菅生若林弘泰監督の小玉に対する期待は高い。

 昨春から公式戦デビューを果たした小玉は、2年時は、常時135キロ前後の伸びのあるストレートを投げ込み、さらにパワフルな打撃で投打で貢献。高い野球センスを発揮した。あれから1年、小玉はチームの柱へと成長した。

 現在は140キロ中盤の速球を投げ込み、野手としてもチームの4番を任され、広角に打ち分ける巧みな打撃を見せる。さらに、自慢の俊足を武器に二塁手をこなす器用さも。そして、この冬、下半身がしっかりと鍛えられ、サイズは181センチ81キロと、昨年と比べるとたくましくなった。

 東海大菅生で投打ともに素晴らしい選手といえば、2年前、U-18ワールドカップで二冠王を獲得した勝俣翔貴(現・国際武道大)を思い出す。若林監督は小玉と勝俣を比較して、「勝俣は打撃は素晴らしい選手でしたけど、小玉と比べると、小玉は身体能力も高くて、二塁を守れる守備力もありますし、俊足です。今は、投手をやっていますけど、僕は野手としての評価が高い選手。もっと評価されてもおかしくない選手です」と話す。

 それでも、勝俣にあって、小玉にないものもある。それは、「腹の据わり」だ。
「勝俣は投球においても、打撃においても、腹が据わっていました。分かりやすくいえば、勝俣は二死満塁、カウント2ストライク3ボールのフルカウントからベストボールを投げられて抑える度胸の強さが勝俣にはありました。小玉に求めているものはそこですね。まだ、勝負の場面で焦って打ち上げたり、ボール球を打ったりしてしまい、もったいないプレーが見受けられます。なぜそうなるのかというと、まだ小玉は、腹が据わったプレーができていないんです。でも、私が要求していることは決してハードルが高くないものだと思っています」

[page_break:勝負強い選手となりたい]

勝負強い選手となりたい

 そんな若林監督の期待に応えるごとく、小玉は東京都大会4回戦日大三との一戦で、ハイレベルなピッチングをみせた。3対4で迎えた8回表、5番手として登板した小玉は、2回を投げて、2奪三振、無失点に抑えた。日大三の3番櫻井周斗、4番金成麗生には、ストレート中心に投げ込み、最速142キロを連発。さらに、125キロ前後のスライダー、縦スライダー、カーブを器用に投げ分けた。しかし、チームは3対4で敗戦。それでも、小玉にとって、この日のピッチングは、大きな自信となった。

「甲子園を経験した強打者の2人を抑えることができたのは自信になりました」と語った。

 また、夏へ向けての意気込みとして、「今日負けた悔しさを糧に、練習をして、本当に甲子園に出たいです。この試合では、8回裏のチャンスで打てなかったので、夏では打てるように頑張っていきたい」と話した。
 そんな小玉に対して、若林監督は、
「小玉は練習を真面目にやりますし、性格的にも気が弱いというわけではありません。取り組む姿勢も良いんです。難しいかもしれませんが、活躍してもらわなければならない選手ですので、勝負強い選手になることを期待しています」
 実は、東海大菅生は3年連続で西東京大会決勝で敗れている。17年ぶりの夏の甲子園出場へ向けて、小玉の存在は欠かせない。

(文=河嶋宗一

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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