Column

アルプススタンドの常連!作新学院吹奏楽部OBが語る甲子園の思い出

2017.03.22

 2016年夏の甲子園で54年ぶりの優勝を果たした作新学院。夏は2011年から6年連続で甲子園出場を果たしている。野球部は、この春の選抜大会にも出場を決めているが、同校吹奏楽部も強豪だ。昨年、県大会金賞、東関東大会金賞を受賞。惜しくも全国大会出場には一歩届かなかったが、誰もが憧れる甲子園のアルプススタンドを過去3年間で計8回も経験。今回は、昨夏の甲子園優勝をアルプススタンドから見届けた作新学院吹奏楽部OBの皆さんに、アルプススタンドでの思い出話などたっぷり語っていただきました。

【2017年卒 吹奏楽部OBの5人】
元部長 星野 奏…..オーボエ
    髙橋 真里菜…..トロンボーン
    篠崎 梓…..サックス
    小森 美紅…..トランペット
    森田 梨香子…..バスクラリネット

コンクール上位、マーチングも野球応援も色々なことに挑戦!

左から星野 奏さん、髙橋 真里菜さん(作新学院吹奏楽部)

――まず、作新学院の吹奏楽部に入ったきっかけについて教えてください。

星野:
私は、中学校3年生の時に、作新学院吹奏楽部の定期演奏会を見に行って、それに感銘を受けました。本当は他の高校と迷っていたんですが、先輩たちの完璧なスピーチに感動しました。もちろん作新学院の方が厳しいのは分かっていましたが、覚悟を決めて作新学院を選んで、でも今となっては作新学院に入ってよかったと思います。

篠崎:
私も見にいきました!あとは、中学校のときの先輩がいたからっていうのもありますね。

森田:
私は元々全国大会に行きたいっていう夢があって、でも中学校では行けなかったから、もっとレベルの高いところでやりたいっていう気持ちがありました。それで、私も定期演奏会を見に行ったときに決意をしました。あとは、自分が中学生のときに見た作新学院の先輩たちの対応や人間性を見て、もっと入りたい気持ちが高まって入部を決めました。

星野:
やっぱり作新学院は上位に入る学校だし、本気でやりたいなら作新学院ってなります。

――作新学院といえば野球部も強豪ですが、甲子園のアルプススタンドで吹きたいという夢はありましたか?

小森:
ちょっとはありました。
吹奏楽部は大会の上位にいるし、マーチングもやっているし、それで野球応援も行くし。いろいろなことをやっているっていうのが、作新学院吹奏楽部の魅力でもあります。

星野:
自分たちが最後の年は出たい思いが強かったですが、私はとりあえず吹奏楽部で全国に行きたいっていう思いが大きかったです。

髙橋:でも、やっぱり甲子園のアルプススタンドで吹くことを夢に入部してきた人もいました。

――夏は吹奏楽部のコンクールと野球部の応援が重なりますが、両立は大変でしたか?

森田:
甲子園で応援した後、夜行バスで帰って来て、朝に着いて、その後自分たちの練習をするって考えると、やっぱり大変な部分は多いです。外で吹けない楽器の人は、まず(甲子園に)楽器を持って行けないし、本当に一切練習できないんです。

星野:
でもやっぱり楽しいから、まだここ(甲子園)にいたいなっていう気持ちがあります。まだ、この甲子園の雰囲気を味わっていたいっていう。

髙橋:
あるある!

星野:
甲子園のときは応援のことだけに集中していました。

髙橋:
あとは譜面だけ持って行って、バスの中で見たり、パートで集まって録音を聞いて反省会したりもしました。

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[page_break:計8回、甲子園のアルプススタンドを経験!]

計8回、甲子園のアルプススタンドを経験!

左から篠崎 梓さん、小森 美紅さん、森田 梨香子さん(作新学院吹奏楽部)

――1年生の頃から甲子園のアルプススタンドを経験しているということですが、最後の夏の甲子園は今までとは違う部分はありましたか?

星野:
最後の夏は、私たちの代が最上級生として出てると、応援に対する熱が違いました。いつも同じクラスでしゃべってる人がグラウンドにいて、頑張っている姿を見ると、熱意が込もります。今までで一番熱い夏でした。

森田:
熱かったですね!私が特に印象に残ってるのは、やっぱり決勝戦の最後、2アウトでキャッチャーがサードに投げたときです。サードの選手は私と同じクラスだったから、最後取ったときは私も同じくらい嬉しかったです!

星野:
振り返ってみると、私たち3年間で計8回も甲子園に行っているんですね。

髙橋:
私も全部行ったから、8枚の入場券、今全部持ってますよ!

森田:
1年で1回、2年で2回、3年で5回ですね。

篠崎:
よくとってあるね(笑)

森田:
あと、甲子園のお弁当に入ってる「作新学院」って書いてある紙とか、あと応援Tシャツも結構たまりました。作新学院の黄色い応援Tシャツが1年に2枚ずつ配られるから、全部で6枚!帽子も3つ!

小森:
これはありすぎだけど、結構欲しいって言われたりもするんですよ。

――甲子園での思い出の応援曲はありますか?

星野:
昨年から新しく取り入れた、モンスターストライクのテーマ曲は、よく取材されました。「この曲って他の高校では聞かない曲だけど、なんていう曲なんですか?」みたいな。吹いているうちに、作新学院ならではの曲になるんじゃないかなって感じました。

髙橋:
あれは確か、仲が良かった選手が打席に立ったときに、たまたまモンストが流れて、その試合で結構打ったんですよ。それで、本人から「俺の時にモンスト流してほしい」って言われて。そこから野球部と吹奏楽部で広がっていって、応援のときにリクエストを出してくれるようになったんです。

星野:
そうそう。新曲として試しに吹いたとき、吹奏楽部の中で結構いいねってなったんです。のりのりだし、明るい曲で!

森田:
普通に楽しかったよね。私、指揮振っているとき普通に笑ってたもん!

篠崎:
作新学院ならではの曲といえば、私はアフリカンシンフォニーも好きです!

全員:私も!あれは盛りがる!

森田:
作新学院はアフリカンシンフォニーのことを「OH 作新」って名前で呼んでいるところも良いです。アフリカンシンフォニーは他の高校でも演奏されている曲だけど、私たちが演奏しているのは「OH 作新」っていうことで、まさに作新学院の曲って感じで好きです。

髙橋:
あとは、得点のあとのパラダイス銀河は一体感出てよかったです。

篠崎:
あれは綺麗だよね!感動する!

森田:
綺麗だよね!野球部の応援の振り付けが、メガホン持って波みたいにウェーブさせるのが本当に綺麗なので、注目してほしいです。

――新曲のモンスターストライク、パラダイス銀河の振り付けに注目ですね!野球応援で苦労した点はありますか?

星野:
昨年は野球部の応援の代表者が、今年は応援をちゃんとやりたいからって、3年間で初めてチア部も交えて全員で合同練習をしました。こんなに計画的に野球応援の練習をしたのは初めてでしたね。

森田:
そうそう!全員参加は初めてで、ちゃんと練習したんですけど、県大会の応援のときはうまくいかなくて結構大変なことも多かったです。

小森:
曲が書かれたボードが裏表逆だったりね。

全員:
あったあった!懐かしい!

森田:
そう思うと、県大会とかはなかなか合わなかったりした部分も、甲子園では野球部も含めいい応援ができたと思います。

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[page_break:甲子園は全員で吹ける唯一の場]

甲子園は全員で吹ける唯一の場

吹奏楽部OBのみなさん(作新学院吹奏楽部)

――野球部のイメージはみなさんにとってどんな感じですか?

星野:
やるときはやるイメージがあります!係の委員長とかを務める人も多いから、やるときはきっちりやります。

森田:
そういう真面目な一面もありつつ、クラスの盛り上げ役でもありますね。

星野:
学部にもよるけど、私たちの学部だとクラスにはだいたい野球部がたくさんいて、多いクラスだと6人くらい野球部がいたような気がします。3年間を通すとたくさん野球部との関わりがあるから、友達が増えました。「応援来てくれてありがとな」とか声をかけられることもありました。

髙橋:
確かにそうだね。他の部活より関わりが多いですね。

――作新学院の吹奏楽部として3年間活動して、どんなことを学びましたか?

森田:
人間性が高まったと思います。

星野:
人との接し方ですね。社会人になっても役立つメールの返し方とかは完璧に身についたと思います。先輩からもそうだけど、3年生になると、三橋先生と直接関わることも多くなってくるので。あとは他の部活の先生と関わることが多くなったりして、自然とできるようになりました。

篠崎:
絶対できるようになるよね。自然と身につきます。

――では、3年間を通じて高校野球から学んだことはなんでしょうか?

森田:
野球応援で学んだのは、確認することの大切さ!県大会ではうまくいかなかった部分も、甲子園に行く頃にはだんだん野球部との息も合ってきて、最終的には良い応援をすることができたっていうのは大きいです。

星野:
野球応援は誰かを応援することで演奏が成り立つから、みんなで応援することで一緒の音楽をやるっていうのは、野球応援でしかないこと。そういう面では学ばせてもらったと感じています。

小森:
よりいっそうみんなで一つになって吹いている感じがありますね。みんな意思をもってやっている感じがします。

星野:
あと、コンクールはみんなでは出れないけど、甲子園は全員で吹ける唯一の場でもあります。なので、みんなで吹けることの大切さを感じました。

――それでは最後に、この春選抜に出る野球部と吹奏楽部の後輩部員たちにエールをお願いします!

小森:
是非、今井 達也投手を超える活躍を!

星野:
でもちょっと複雑かも。

髙橋:
わかる!

篠崎:
私たちを超えて欲しくない気持ちもあるけど、でも頑張ってほしいです!

星野:
今井投手がプロ入っちゃったし、優勝しているからプレッシャーもあると思うんだけど、それに負けないで頑張って欲しいです!

作新学院吹奏楽部OBのみなさん、ありがとうございました!


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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