バトルスタディーズ第100回記念対談!なきぼくろ先生×芹 玲那さん(公式レポーター)第1回「バルスタディ」の秘密
芹 玲那さん×なきぼくろ先生
PL学園野球部出身のなきぼくろ先生が描く『モーニング』で連載中の『バトルスタディーズ』が2月16日発売号でついに連載100回目!そこで今回は「強い者にはワケがある」キャンペーンの公式レポーターに就任した高校野球レポーターの芹 玲那さんがバトルスタディーズの作者・なきぼくろ先生に4回にわたって直撃インタビュー!100回到達や、漫画のキャラクターに対する思いはどんなものなのか?先生の実体験に基づいて描いたマンガのシーンを明かしてくれたり、ファンにとっては必見の対談です。
第1回では主人公「狩野 笑太郎」が主人公になった理由や、題名にもつながるバッテリーの合言葉「バルスタディ」の秘密を聴いてみました!
あっという間の「100回」中のマイベストシーン
芹 玲那さん(以下、芹):まずは先生、第100回おめでとうございます!
なきぼくろ先生(以下、なきぼくろ):ありがとうございます!
芹:100回まできてのご感想はどうですか?
なきぼくろ:「95回」までは考えていなかったんですけど、100回に近づいてくると、「ふぅ」という感じですね。
芹:その「ふぅ」とは「これでやっと100回」という感じですか?それとも「もう100回」という感じですか?
なきぼくろ:「もう100回か!」という感じです。「ここまで早かったなぁ」とつくづく感じますね。
芹:連載100回はページに直すと1800ページ超えらしいです。その中で「このシーンはよく描けたな、良かったな」と思うシーンはありますか?
なきぼくろ:これは読者の皆さんにウケているか、ウケていないかは別として、一番は私学大会で、マウンドで狩野 笑太郎くんが檜 研志くんをコントロールするところ(単行本第7巻)ですね。
芹:結構よいシーンじゃないですか!先生はバリバリの関西人ですので、ギャグ的なところがお気に入りだと思っていました!
なきぼくろ:いえいえ……。僕が選んだのはギャグ的なところ。マウンドで下品なことや、しょうもないことを15歳のガキがいっているところが良くて、これが一番好きです。
芹:(該当部分を読んで)思い出しました!これですね(笑)
なきぼくろ:この時はスタッフさんが背景を書いていただいた後、読んでさらに実感しました。僕の反応にスタッフさんは「?」という感じでしたけど(笑)
芹:私が好きなシーンは、1年生の毛利 阿黙夢くんが代打に出てきて、顔が汗まみれで「汗拭きなさい」とサインが出ているのに、勘違いをして顔に土塗るシーン!(第5巻)。実は周りにも共感者が多くて「あそこのシーンが一番面白い」という人が多いんですよ!
なきぼくろ:そういっていただき、ありがとうございます。確かにあのシーンは笑えるシーンですけど、実は僕自身、笑いをとったイメージはないです。でも、5巻を褒めてくれる人は多いですね。
芹:5巻は笑う要素が多いですよね。その一方で、がむしゃらにやっているのを見ると、私自身、初心に返るシーンなどすごくジーンときたんです。周りからは「あの5巻で毛利と門松 晃の人気が上がったんじゃない?という声が多いですね。
[page_break:主人公・狩野 笑太郎は完全に「架空の人」]主人公・狩野 笑太郎は完全に「架空の人」
なきぼくろ:そうですか、そういっていただけると嬉しいですね。僕はスタッフの方と打ち合わせするときに、必ず「ひと笑い」できるコマを考えるんですけど、やっぱり一生懸命やっている姿を描いたほうが面白いようですね。
芹:ちなみに、先生的にお気に入りのキャラっていますか?
なきぼくろ:ダントツで門松です。
芹:おお!(笑)。私は純粋に好きなキャラクターが狩野くんなんです!「ここまで好きなの?」というぐらいのDL学園のオタクで、しかも野球を楽しむ一途さが好きですね。飛びキャラ的なもので、好きなのが門松です!でも、このキャラクターはみんな実在のモデルを引用しているんですか?
なきぼくろ:モデルになった人物は何人かいますね。門松のモデルは僕の同級生、現在JR東日本で活躍している主砲の松本 晃です。
芹:そうなんですか!松本さんとは性格、風貌なところは似ているのでしょうか?
なきぼくろ:漫画は誇張しすぎなところはありますけど、僕が思う松本はああいうイメージですよ。
芹:ちなみに狩野くんのモデルはいるんでしょうか?檜くんとのコンビはどこかのバッテリーをモデルにしたものなんですか?
なきぼくろ:狩野も檜もいないです。オリジナルです。
芹:「PL学園が出ない高校野球の試合は見ない」と言われるほど先生はPL学園が好きだという話を聞いていたので、狩野のモデルは先生だと思っていたんですよ。狩野もDL学園をとことん好きですし。
なきぼくろ:確かに僕はPL学園が甲子園に出場していたから高校野球を見ていましたけど、それはないですね。僕はこんなアホではないですよ(笑)。こんな奴がPL学園にいたら大問題ですよ。ここまでアホだったら、PL学園では卒業できないです!まあ全員アホですけど、こいつは先輩のバットを借りていますからね。
芹:PL学園で先輩のバットを借りたら?
なきぼくろ:当然アウトです(笑)
[page_break:「狩野 笑太郎」を主人公にした理由と「バルスタディ」の秘密]「狩野 笑太郎」を主人公にした理由と「バルスタディ」の秘密
なきぼくろ先生
芹:漫画の中で気になったのは、檜くんの成長が丁寧に描かれていて、バッテリー愛が私学大会から伝わってくるところ。狩野くんが死球を受けると、「相方に何するんだ!」と怒っているシーンもあって笑えちゃいます。
なきぼくろ:あれはキャラ崩壊していますね(笑)。最初は俺が俺がという感じでバラバラなんですけど、3年生になったときに、2年間やってきたことでがっしりと固まった様子を描いていければと思っています。
芹:先生の漫画を見ると、独特というか、丁寧なこだわりを感じます。そこには何か理由があるのでしょうか。
なきぼくろ:他の漫画は読んでいないのでなんともいえないのですが、自分にとって「かっこいいキャラクターはどういうものなのかな」というのは常にイメージをしていています。「檜はこれ!狩野はこれ!」とわかりやすくしていて、自分が気持ちいいと思うアングルで描いています。
芹:ところで私は狩野くんが「主人公っぽくないキャラ」だと思うことがよくあるんですよ。たとえば脱走事件も主人公の知らないところであるし、檜くんの方が主人公っぽく感じることも。先生はなぜ、それでも狩野くんを主人公にしたのでしょうか?
なきぼくろ:これは僕の理想です。ガチガチな社会の中で、ものすごいアホが飛び込んで成長していく様子は楽しみですし、こういう人間は一番変わるタイプだと思うじゃないですか。その中で3年生までどう成長をしていくのか、僕自身も楽しみ。ですから、読者の皆さんには改めて1巻から見返してもらって「1年生の時はこうだったんや」と思いだしながら見てもらえると嬉しいですね。
芹:確かに。狩野が頭よくなったり、人間的にだいぶ良くなっていくかもしれないですし。
なきぼくろ:上級生の姿を見て、人間的に成長する様子を見てもらえればと思います。
芹:私も今、公式レポーターとして「バトルスタディーズ」のコラボレポートやコラムを書いているんです。そこで改めて感じるのは、檜くんと狩野くんのバッテリー間のコミュニケーションを取る合言葉「バルスタディ」。あれが誕生した背景や「これにしよう」と思ったエピソードはありますか?
なきぼくろ:実は、檜と狩野がはじめてバッテリーを組んだ時、担当さんと話していた時点では「そこの部分」だけ空けていたんです。最終的に改めて「どうする?」と聞かれて「じゃあ、バルスタディにしましょうと」なりました。その意味と理由は……。これからの展開で解っていくと思います。
第2回では、なきぼくろ先生がPL学園時代の生活ぶりを明かしてくれます!お楽しみに!
■公式Twitter:『バトルスタディーズ公式ツイッター』(@BATTLESTUDIES01)
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