Column

中部大学春日丘高等学校(愛知)

2017.02.02


集合写真(中部大学春日丘高等学校)

「守備と小技」がウリ!

■愛知県大会ベスト16の春日丘

中部大学愛知春日丘高等学校は、愛知県春日井市松本町にある私立高校。広島カープの熊澤 秀浩元コーチや、オリックスの1軍内野守備走塁コーチを務める風岡 尚幸コーチの出身校としても知られる愛知春日丘は、昨秋、激戦区の愛知県大会でベスト16に入る好成績を残した。今年、昨秋以上の成績を目指す愛知春日丘は、どのような冬を過ごしているのだろうか。

■小技を使ってつなぐ野球!

現在2年生33名、1年生27名の総勢60名で活動する愛知春日丘。チームのウリについて主将の小野 文弥選手に尋ねると、「守備と小技」だと答えてくれた。昨秋の県大会では、1、2回戦ともに10点を奪い勝利した愛知春日丘だが、得点力の秘訣はその「小技」にあった。

「長打を打てる選手がいないので、バッティング練習の際には想定するケース(アウトカウントや塁の状況)を声に出し、右打ちやエンドラン、セーフティーバントなど小技を多く訓練し、つなぐ野球を徹底しています」と小野主将が語るように、「小技でつなぐ野球」で長打力不足をチーム全体で補っているのが、まさにこのチームの強みである。

また、ベンチプレス110kgの記録をもつ塚原 明雪選手の存在もあり、今年の春夏にはチームの長打力アップに一役買うかもしれない。

■県大会3回戦の死闘!至学館戦

県大会3回戦では至学館と激突。2回の雨天中止を経て行われたこの試合は、決行された日も雨で中断を余儀なくされるなど、厳しい環境で行われた。両チームともに安打が出ず得点が生まれない中、0対0で迎えた延長11回裏。失投をライトに運ばれ、二塁ランナーが生還し0対1でサヨナラ負けを喫した。この後東海大会に進み準優勝に輝く至学館に、あと一歩のところで退けられた。

「ヒットが出なかったのは相手も同じでしたが、1球の失投を確実にとらえた至学館の選手たちの集中力に負けた」と小野主将は悔しさを口にしながら、「1球の重みを知りました。今度戦うときは粘り負けしないようにしたいです」と次の戦いを見据えていた。

■春日丘の冬!エンドレスとは?

「基礎力向上と体づくり」を冬の課題に掲げる愛知春日丘。過酷な基礎練習の中でも選手たちが一層悲鳴を上げるのは、「エンドレス」と呼ばれるランメニュー。5人で1チームを組み、グラウンドを周回。1位のチームが10周、2位が11周という具合に、10周を終えると速いチームから順々に抜けていき、残った最下位1チームが5人で個人戦を行う。その中で負けた1人が罰ゲームを課されてしまうというものだ。
体力、気力ともに試される過酷なレースを乗り越えた先、春にまた一つレベルアップした愛知春日丘ナインの姿を期待したい。

■主将の意気込み!

「春はシード権を掴み、夏は甲子園に出場する」と誓った小野主将。この冬の取り組みについては、「春夏に活躍できるように、厳しい冬をチームみんなで乗り越えていきます」と語っていた。

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[page_break:チームのウリは団結力!]

チームのウリは団結力!

 副主将の西林 輝外野手と山内 健士郎外野手にお聞きました。

Q. この秋を振り返って、見つけた課題を教えてください。

西林:つなぐ野球を意識しているので、3、4本と安打を立て続けに打てるようなチームに成長したいと思いました。あと、盗塁の精度をもっと上げたいです。
山内:「バッティング」です。春にはもっと点がとれるように鍛えていきます。

Q. それでは、この冬はどんな冬にしていきたいですか。

西林:チーム全員で人間的にも、技術的にも大きく成長していきたいです。
山内:自分の体を限界まで追い込んでいく冬にします。

Q. お二人が野球をする上でモットーにしている好きな言葉は何ですか。

西林:「有言実行」です。
山内:僕は「謙虚」です。

Q. このチームの好きなところや他に負けていないという部分は何でしょうか。

西林:仲が良いところです。団結力は自分たちでもすごいと思います。
山内:僕もそう思います。チームワークが良くて、みんな仲が良いです。

Q. 最後に、このオフシーズン、「自分はここまで成長するぞ!」という宣言をお願いします!

西林:チャンスで必ず打てるようになる!50メートル5秒台を目指す!の二つです。あとは有言実行できるだけの実力を身につけていこうと思います。
山内:どんな投手からも打ち、どんな捕手からも盗塁ができるようになります!

 西林選手、山内選手ありがとうございました。

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[page_break:『寒い冬は、下に下に根を伸ばせ』]

『寒い冬は、下に下に根を伸ばせ』

 最後に、齊藤 真監督にお話を伺いました。

Q. 今年のチームは、どんなテーマを持ってチーム作りをされて来ましたか。また秋を振り返って、この冬の課題についてもお聞かせください。

 まずは守備中心のチームを作ろうと指導してまいりました。秋は攻撃力で力及ばず惜敗しましたが、冬には精神的にも逆境に強くなり、「勝負強い打撃」を身につけようと選手たちには話しています。

Q. 次に、これから厳しい冬のトレーニングに挑む選手たちにメッセージをお願いします。

 技術だけでなく人間的にも、ともに大きくなろう。『寒い冬は、下に下に根を伸ばせ』春・夏・秋と大輪の花を咲かせるために根(心)と幹(体)を育てよう。

 齊藤監督、中部大学春日丘高等学校の皆さまありがとうございました!


今年も大好評!
冬が僕らを強くする 特設ページ
各チームのページ下部にあるフォトギャラリーもお見逃しなく!

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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