前橋育英の「カルテット」に要注意!超強力投手陣で春の頂点を目指す!
左から 皆川 喬涼、吉澤 悠、丸山 和郁、根岸 崇裕(前橋育英)
前橋育英が2011年以来となる6年ぶり2度目の[stadium]甲子園[/stadium]出場を決めた。注目はなんといっても、「カルテット前橋育英」といわれる強力投手陣だ。
2013年の甲子園優勝投手・高橋光成(埼玉西武<関連記事>)を筆頭に、大学・社会人で活躍する投手を育て上げるなど、伝統的に好投手育成に定評のある前橋育英だが、今年は層の厚さは近年トップクラスといっていい。なんと4人の好投手がいるのだ。吉澤 悠、皆川 喬涼、丸山 和郁、根岸 崇裕。4人中3人が140キロ超えで、前チームから登板経験がある。前橋育英が勝ち上がるには、この4投手の活躍がカギとなる。
吉澤は2年春から先発投手として活躍し、夏の甲子園でも登板した右投手だ。始動から体重移動までの流れがきれいで、常時140キロ前後のストレート、スライダー、カーブをしっかりと投げ分けることができる。さらにクイック、フィールディングもしっかりしている。完成度が高く、大事な試合では必ず先発してきたように信頼度は抜群だ。
また普段ライトを守る皆川は最速144キロのストレートが注目されるが、一番のウリは緩急をつけた投球ができること。遅い時は80キロ台にもなるスローカーブを使いよりストレートを速く見せて、春季関東大会準決勝の関東一戦では1安打完封を記録し、夏の甲子園初戦の嘉手納戦では1.1回を投げ1失点だったものの、常時140キロ台で回転の良いストレートを投げ込み、素質の高さを披露した。
昨秋では県大会1回戦の桐生市立商戦で6回無失点、準々決勝の高崎商大附戦では4回1失点と県大会で好投を見せてきた。ポテンシャルは高く、この選抜の投球次第では、ドラフト候補に浮上する可能性がある。
そして今年の前橋育英の勝敗を握っている選手が、センターを守る丸山だ。丸山がマウンドに立つと、グラウンドの雰囲気が変わる。目につくのは体の使い方の上手さである。丸山は170センチ69キロと小柄だが、投球フォームのバランスが良く、強く腕が振れるフォームになっており、左腕から常時140キロ台・最速143キロのストレートとキレのあるスライダーを低めに集めることができる。さらに腕が振れるので、打者からすれば迫力を感じる。関東大会準々決勝の慶應義塾戦では、逆転勝ちに導く好投を見せた。さらに走攻守三拍子揃った外野手で、外野に抜ければ、三塁打と確信できる快足は脅威だ。
最後に紹介する根岸は完成度はまだまだだが、素質が開花したときの爆発力は4人の中で一番。なんといっても目に付くのは、192センチ93キロの大きな体格だ。まだまだフォームが固まっていないが、テクニックをしっかりと身に付けていけば、球速はぐんと上がっていくはず。選抜でその才能が開花することになれば、一躍ドラフト候補になり得る可能性を秘めている。
昨夏の甲子園では吉澤、皆川、丸山が登板しているが、嘉手納に大逆転負けを喫し、悔しい思いをしている。その悔しさがあったからこそここまで来た。あとは夏よりも成長した姿を選抜のマウンドで魅せるだけだ。
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文・(河嶋 宗一)