Interview

作新学院高等学校 入江大生選手 「甲子園で魅せた豪打再び!」 

2016.09.01

 54年ぶりの甲子園優勝を果たした作新学院。投のヒーローが今井達也ならば、打のヒーローは入江大生だった。入江は3試合連続本塁打を放ち、作新学院打線をけん引する活躍が認められ、今井と共にU-18代表メンバーに選出された入江。[stadium]甲子園[/stadium]で魅せた豪打を再び台湾の舞台で発揮しようとしている。

豪打復活のきっかけは大藤コーチのアドバイスからだった

本塁打を打った入江大生選手

 「悔しくて仕方なかったんです!」と一打席目、見逃し三振に終わった入江大生インドネシア戦で多くの打者が打つ中で、さすがに見逃し三振に終われば、悔しい気持ちを隠しきれなかった。2打席目は本塁打を狙い、高めのボールを見逃さずに本塁打。まさに意地を見せた。振り返れば緩いボールだったが、本塁打を打てるまで復調したことが大きい。日本にいた時は、木製バットに対応しきれていないところがあったからだ。

 だが台湾入りしてからは、台湾戦でも4打数2安打を打っている入江。木製バットにも対応できるのは何が要因なのか。

 それは打撃フォームも、打つポイント、意識も変えているからだ。

 まず構えがはっきりと変わった。甲子園の時は若干のクローズ気味のスタンスだったが、台湾にきてからは打席の後ろに立ち、はっきりとクローズスタンスと分かる構えとなってきた。これは外角球をしっかりと打ち返す狙いがあるだろう。

 そして次に変わったのは軸足の使い方だ。入江は打つときに、軸足が深く折れてしまうことがあり、「それで踏ん張りが利かず、バットが下から出るようになっていました」と入江が語るように軸足の使い方に課題があった。
それが大藤敏行コーチの指導で甲子園と見比べると軸足の折れが小さくなった。
「大藤コーチにずっと打撃を見てもらって、ティーバッティングでは右足にかごを乗せて打つ練習を繰り返しました。あと僕は金属打ちだったので、それを直すために意識しているのは、ポイントを前に置いてダウンスイングするイメージで振っています」

 完全なダウンスイングではなく、本塁打を打ったシーンを振り返ると、うまくバットが最短距離で出て、そしてボールの下を捉えるスイング軌道で遠くへ飛ばすことができるのはまさにスラッガーだろう。そして2安打を打った台湾戦を見ても外角球に対して、しっかりとボールに合わせてヒットゾーンに打ち返すことができており、木製バットに対応することができている。

 下位打者ではあるが、もともと長打力のある入江。こういう形で復調してきているのは大きい。入江自身、「下位打線を打っているけど、勢いを付ける打撃を見せていきたい」と意気込んでいる。

 大藤コーチと2人三脚で修正をしていった入江。甲子園で魅せた豪打を再びスーパーラウンド。そして決勝戦でも見せていけば、アジア制覇はぐっと近づくだろう。

(文=河嶋宗一


注目記事
【第11回 BFA U-18 アジア選手権特設サイト】
観戦レポート:日本代表vsインドネシア代表
観戦レポート:侍ジャパンU-18代表vs台湾代表

このページのトップへ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.13

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.05.14

【春季東京都大会総括】日大三、二松学舎大附など強豪校がノーシードの波乱! 新基準バットでも9本塁打の帝京が驚異の打力で王者に

2024.05.14

【2024夏全国ノーシード校一覧】二松学舎大附、履正社、智辯学園、沖縄尚学などビッグネームがノーシードで夏に挑む

2024.05.08

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.09

プロスカウトは190センチ超の大型投手、遊撃手、150キロ超右腕に熱視線!この春、浮上した逸材は?【ドラフト候補リスト・春季大会最新版】

2024.05.09

【熊本】九州学院は城北と文徳の勝者と対戦<NHK旗組み合わせ>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?