Interview

智辯学園高等学校 納大地選手 「安打1本で急上昇したアベレージヒッター!」 

2016.08.30

 選抜優勝した智辯学園。気迫あふれるプレースタイルを持った選手が多かった。今年の智辯学園を象徴するのが侍ジャパンU-18代表に選出された納大地だ。選抜では20打数7安打4打点に優勝に貢献。そして選手権でも2試合連続安打を記録するなど、全国舞台で当たりを見せていたアベレージヒッター。さらに外野手としての守備では後逸することも恐れない気迫溢れるプレーで次々とファインプレーを連発。その球際の強さも大きな強みだった。ここまでの練習試合で調子が出なかったが、台湾の舞台で復調の兆しを見せている。

智辯学園・小坂監督からいただいたアドバイスとは?

納大地選手(智辯学園)

 納は1本打ってから一気に調子を上げる男だ。優勝した選抜。納は2試合続けて無安打だったが、準々決勝滋賀学園戦では5打数4安打、準決勝龍谷大平安戦では3打席無安打だったが、第4打席に安打、第5打席に逆転となるサヨナラ適時打と放ったように1本目を打ってから急上昇する好打者である。

 だから納は「1本出れば固め打ちする自信があるわけではないですけど、状態は上がっていける感じはします。その1本を打つまでが中々苦しいのですが」
 1本目の安打。納にとってこの1本目が出るかが焦点だった。練習試合・壮行試合を含めて無安打。全国大会で魅せた好打者・納の姿はなかった。だがそんな納を救ったのが智辯学園を率いる小坂将商監督だった。壮行試合後、小坂監督は、納に「台湾から打てるちゃう」とショートメールを送り、さらに一言。
「右肩が下がって突っ込みやすい状態になっている」と技術的アドバイスを送った。端的かつ的確なアドバイスが納を救うことになる。代表入りしてから納は右肩に気をつけ、打撃を行った。そして迎えた香港戦。第1打席で痛烈な遊ゴロ。ショートの失策を誘い出塁すると、納は先制のホームを踏むと、第2打席はストレートを振り抜いた打球はライトの頭を超える長打。打球が大きく跳ねて、エンタイトルツーベースとなった。そして第3打席、第4打席は中前安打、第5打席は四球と4打数3安打2打点1四球と全打席出塁を記録した。やはり1本を打ってから急上昇する男なのである。

試合を振り返って納は
「まずこの試合では良い形でボールを引き付けることができていて、第2打席はよく飛びましたし、それ以降の中前安打が僕にとって良い内容でした。1番を打つことに関しては、やっぱり智辯で1番打者をずっと打ってきて、その大事さはよくわかっています。1番がどう打つかで勢いに乗れるだろうし、打ち取られ方もあまりチームが沈まないように、なるべく食らいつくことを意識しています。だから今日は全打席出塁することができて良かったです」と笑顔を見せていた。
1番を打つことを決めた小枝監督も、「なかなか1番打者が決まらなくて、今回は納君を使うことを決めましたが、やっぱり良く合っているのか、以前よりも彼が大きく見えました。選抜、選手権から見ていますが、その時の納君が戻ってきたと思います」
1番打者として起用+恩師の助言でここまで変わるのだから、選手のパフォーマンスは精神的なものがかなり大きいことが良く分かる。次は強豪・台湾。台湾戦へ向けて一言いただいた。
「打てるか、打てないかは本当に紙一重。ただそこに至るまでの準備を大事にしていきたいと思います」と自覚十分。

 台湾戦。この男のバットをきっかけに試合が動くかもしれない。納大地の一打席目から注目だ。

(文=河嶋宗一


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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