T-岡田に続け!履正社スラッガー・安田尚憲に熱視線!
T-岡田に続け!履正社スラッガー・安田尚憲に熱視線!
安田 尚憲(履正社)
高校通算38本塁打を放つ2年生スラッガー・安田 尚憲。履正社のOBといえば、山田 哲人が思い浮かぶが、山田より先に履正社OBとしてプロ野球界で活躍を見せたのは、T-岡田選手である。2010年に本塁打王を獲得し、ここまで通算122本塁打(8月12日現在)。
春の大阪府大会の東海大仰星戦(試合レポート)で安田は場外本塁打を放ったが、その姿を見て、真っ先にT-岡田選手の名前が浮かんだ。
履正社の岡田監督にT-岡田選手以来の長距離砲ですねと質問すると、岡田監督は「そうですね。ただTと比べるとテクニックがまだまだですわ。そこを解消できればですね」と岡田選手との差を答えてくれた。つまりT-岡田のようなスラッガーになる可能性を秘めていると指揮官も期待しているである。
その期待の表れとして、安田は一塁から三塁へコンバートしている。コンバート時は守備がまだまだだった安田。「まだまだ30点の守備ですよ。これまではファーストでしたが彼の将来を考えて、やっぱりサードができるようになってもらいたいですね」と三塁守備も、プロを見据えてのこと。その三塁守備もノックなどを見るとだいぶ板についてきており、強打の三塁手として伸びてきている。
春では対応力が課題といわれていたが、夏の大阪大会では、打率.520、2本塁打、15打点と大当たりを見せた安田。打撃フォームを見ると、オープンスタンスで構える姿は筒香 嘉智(横浜DeNAベイスターズ)を意識している。スイング軌道を見ると、レベルスイングで、ボールの軌道に対して、しっかりと合わせることができている。足の上げが小さいとタイミングが性急になり、上手くタイミングが取れない場合が多いが、安田の場合、腕の動きが硬直せず、ゆったりとタイミングを取ることができており、ステップもバタバタとしていない。これはプロの選手の動きをかなり参考にしていると思う。
ちなみにT-岡田選手は以前のインタビュー<前編><後編>で、自分が目指すスタイルの選手の打撃フォームは参考にするべきと答えている。
「プロ野球を見て『こういうスイングをしたいな』と思えば、そういったことも鏡で確認しながらできる。『モノマネ』じゃないですけど、そういうことも大事だと思うんです。プロ野球選手の中で自分と同じようなタイプの選手を見つけて、そういった選手のプレースタイルを見るっていうのは自分にとってすごく大事になると思うんですよね」
T-岡田選手が高校時代に参考にしていた打者は松中信彦氏(元福岡ソフトバンクホークス)、松井 秀喜氏、高橋 由伸監督であった。安田もT-岡田選手や筒香選手を参考にしている動きが多い。
さらなるステップアップのために安田が目指しているのは、ボールを捉えた時のバットの角度だろう。安田のバットスイングを見るとレベルスイング。これでも全く悪くないのだが、本塁打を連発している筒香選手の動きを見ると、ボールを縦のスイング軌道で捉え、良い角度で入って、打球を飛ばすことができている。安田も縦のスイング軌道を意識しているところがあり、これが上手く入ればもっとスタンドインも期待できるかもしれない。
ただそれは高度な技術で、まずは腰を鋭く回転させて強いスイングができるのが大原則となる。安田は冬場の筋力トレーニングで、高校生としては一級品の肉体を手に入れた。もっと強いスイング、スイングスピードを高めることを今は大事にしてほしい。
次の横浜戦は、ドラフト1位候補に挙がる藤平 尚真がエースで、これまで対戦した投手と比べると格段にレベルが高い。なかなか打てないかもしれないが、安田からすれば、良い経験になる試合といえる。ぜひスラッガー・安田 尚憲を覚醒させるきっかけとなるかに注目をしていきたい。
(文・河嶋 宗一)
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