新田vs東温
新田「凛たる燦たる」試合運びで夏甲子園初出場王手!
新田校歌の最後のフレーズには、こんな言葉がある。「凛たり 燦たり」。この準決勝での試合運びは、まさにその言葉を地で行くものだった。
1回裏。彼らの「凛」たる攻撃は見事なものだった。遊撃手兼務ながら最速138キロの高い身体能力を発揮する東温先発・山内 朝日(3年・右投右打・171センチ60キロ・松山中央ボーイズ出身)に対し、新田は初回に2番の三上 幹太(3年主将・遊撃手・164センチ67キロ・愛媛ボーイズ出身)が三遊間を鋭く破って出塁すると、すかさず盗塁。
そして4番・泉 政斗(3年・一塁手・178センチ80キロ・右投左打・松山中央ボーイズ出身)の右中間三塁打、5番・工藤 耀介(2年・右翼手・左投左打・171センチ72キロ・松山ボーイズ出身)の左中間二塁打で2点を先制。東温自慢の強打がエンジンをかける前に、主導権を奪ってしまった。
そして先発の藤 友暉(2年・178センチ68キロ・右投右打・松山市立余土中出身)が3回表に一死二塁から東温3番・丹 翔也(3年主将・一塁手・右投右打・183センチ91キロ・松山ボーイズ出身)に左中間適時二塁打を許した直後にも一死満塁と攻め、2番手の丹から3番・黒川 貴章(2年・三塁手・右投右打・178センチ71キロ・愛媛ボーイズ出身)の右越二塁打で2点。
総力戦となる決勝戦を見据えた場合、複数投手陣の負担を極力減らしたい準決勝における藤の116球6安打1与四死球6奪三振1失点完投勝利への道をチーム一丸となって作り出した。
それでも彼らの歓喜は一瞬だった。黙々とキャッチボールでクールダウンし、テキパキと片づけに取り組んでいる新田。近隣の好敵手・松山聖陵との決勝戦の先に見える「燦たり」の第一到達地・夏の甲子園初出場へ向かって、彼らは着実に準備を整えている。
(文=寺下 友徳)
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