試合レポート

都立狛江vs和光

2016.07.11

終盤の猛攻と湯原の好救援で都立狛江が和光に8回コールド勝ち!

 夏の第98回全国高等学校野球選手権大会西東京大会で5年ぶりの初戦突破を狙う和光と、昨秋、今春と勝ち星を挙げられなかった悔しさをこの夏にぶつける都立狛江の一戦。

 都立狛江はサウスポーの渡邉 大志(3年)が先発のマウンドに上がったが、初回はボール先行の苦しいピッチング。二死から2つの四球と失策で満塁のピンチを招くと6番・笠原 宗太郎(2年)にレフト前へタイムリーを打たれ、2点を先制される。
対する和光の先発・倉岡 ミハイル(3年)も変化球が高めに抜け、1回裏はこちらも2つの四死球。5番・宇山 英作(3年)にはライト前へ運ばれ1点を返された。

 点の取り合いは2回も続き、和光は1番・野崎 竜司(3年)の適時二塁打。都立狛江は8番・渡邉のヒットと3つの四死球で押し出し。互いに1点ずつを加える。

 3回表の和光は倉岡の二塁打をきっかけに一死三塁のチャンス。しかし、この場面で7番・桑原 尚朗(3年)がスクイズを空振り。三塁ランナーがタッチアウトとなりスコアボードに初めて0が記されると、そのまま試合は中盤まで進んでいく。

 膠着状態から脱したい都立狛江は5回裏、二死からエラーで走者を出すと、ピッチャー・渡邉の打順で代打・横田 拓也(3年)を起用。勝負に出ると、その横田は期待に応えてセカンド内野安打。エンドランがかかっていた一塁走者の大木 琢生(2年)は3塁まで進み、倉岡の暴投で同点のホームを踏んだ。

 さらに都立狛江は二番手の湯原 詠都(3年)が6回表の一死一三塁のピンチを無失点で抑えると、その裏にまたもチャンスが巡ってくる。一死から四球を選んだ永井 大貴(3年)が盗塁。スコアリングポジションに走者を進め、3番・大宮 瑞基(3年)が右中間適時三塁打を放ち逆転。4番・吉田 優太(3年)もレフト線適時二塁打で、5対3とリードした。

 追いつきたい和光は7回表、倉岡がレフトフェンス直撃のツーベース。続く、笠原の打球は快音を残し左中間へ。しかし、あらかじめ左寄りに守っていた中村がダイビングキャッチし、飛び出していた2塁走者が戻れずダブルプレーとなると、8回表は湯原が緩急を使ったピッチングで三者三振。流れは完全に都立狛江へ。

 8回裏には一死満塁で途中からセンターの守りに入っていた中村 太一(2年)がサード強襲のタイムリー。湯原はファウルで粘って押し出しの四球を選び7対3とすると、緊張の糸が切れた倉岡は安藤 大貴(3年)に死球。佐名川 拓実(3年)にはレフト前にタイムリーを打たれ、最後は大宮が右中間を深々と破るヒットで、この回一挙5得点。

 10対3の8回コールドで都立狛江が一気に勝負を決めた。

 和光の倉岡はがっしりとした、いかにも馬力がありそうな体格で、事実、ストレートには威力があった。しかし、終盤は淡白な投球になってしまい、立て直すことができなかった。対照的に都立狛江は序盤にリードを許したものの、攻守ががっちりとかみ合い逆転勝ち。チームが一丸となって粘り強く戦う姿は印象に残った。

(文=大平 明

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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