試合レポート

石岡一vs前橋

2016.05.21

試合を決めた小仁所の逆転グランドスラム!石岡一が2回戦へ!

石岡一vs前橋 | 高校野球ドットコム

満塁ホームランを放った小仁所祐太(石岡一)

 初夏を通り抜けて真夏のような日差しの中、第68回春季関東地区高等学校野球大会が開幕。
上毛新聞敷島球場での開会式直後の試合には、地元・前橋が登場。茨城代表の石岡一と対戦した。

 先制したのは前橋。1番・亀津 太成がヒットで出塁すると、2番・船津 光輝もヒットで続き無死一三塁。3番・小島 元路もライト前へ弾き返し、まず1点。さらに一死から5番・牧野 孝也のヒットで満塁とすると、6番・吉澤 孝樹が押し出しの四球を選びさらに1点と、幸先よく初回に2点を先制する。

 石岡一はその裏、2番・濱田 虎太郎、4番・深作 琉偉が四球を選び、二死一二塁。続く5番・大野 啓輔のゴロを前橋がエラー。一塁ランナーの深作まで一気に還り、同点に追いつく。

 石岡一高﨑 大幹前橋相馬 孝成の両先発がピリッとしない立ち上がりを迎える中、試合はやはりなかなか落ち着きを見せない。

 2回表には前橋が一死からエラー、四球でランナーを溜めると2番・船津が2点タイムリーで再び勝ち越しに成功。すると3回裏には石岡一が一死一三塁から4番・深作のタイムリーで1点を返し、逃がすまいと食らいつく。

 それでも4回は互いに三者凡退。高﨑、相馬ともストライクが決まりだし投球のテンポが上がってきて、試合もやや落ち着いてきたかという6回裏だった。
4回、5回と三者凡退に終わった石岡一は3番・飛田 直樹がヒットで出塁。久々のランナーにベンチも沸き立つ。続く4番・深作のライトへの当たりは、客席内に入ろうかという所だったが、前橋ライト・亀津が手を伸ばしてキャッチ。勢いにのせまいと必死のプレーを見せる。
だが、気迫なら石岡一も負けてはいなかった。5番・大野が四球で出塁すると、続く代打・伊藤 大地もしっかりと見極めて四球を選び、気合の雄叫びを上げる。一死満塁と追いつく絶好のチャンスに、打席に入るのは小仁所 祐太。小仁所が振りぬいた打球はぐんぐんと伸び、なんとライトスタンドへと届くグランドスラムに。石岡一が4点を奪い、7対4と一気に逆転に成功する。

 8回表、5番・牧野、6番・吉澤が四球を選び、さらに代打の前村 園がバントを試み、これがフィルダースチョイスとなり、無死満塁に。高まる得点、逆転の機運に球場は盛り上がりを見せる。そんな中、8番・田端 宏行の当たりはサードへのゴロ。1点はOKと石岡一サード・濱田がさばいて二塁へと送り1アウト。さらに一塁へと送ろうとするが、ランナーに阻まれ送球が出来ず。これが守備妨害と判定され、一塁ランナーと打者走者がアウト。さらに、得点、進塁も認められず、二死二三塁からの再開に。
未だ得点圏にランナーはいるものの、このプレーで前橋は意気消沈。逆に石岡一は息を吹き返し、この回を無失点で切り抜けると、続く9回も前橋の攻撃を抑えきり、7対4の劇的な逆転勝ちを収め、2回戦進出を決めた。次の相手は、注目のスラッガー・倉石匠己と好投手・島孝明を擁する東海大市原望洋。この逆転勝利をチームの勢いに結び付け高い壁を乗り越えられるか、注目だ。

(文=青木有実子

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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