試合レポート

沖縄尚学vs美来工科

2016.04.04

チャンスに畳み掛ける攻撃を見せた沖縄尚学が勝利

沖縄尚学vs美来工科 | 高校野球ドットコム

知念 大河(沖縄尚学)

 あと一本が出ていれば、全く変わった展開になっていたであろう両軍の攻防戦。それが出た沖縄尚学が秋のリベンジ(2015年沖縄県高校野球秋季大会1回戦 美来工科10対0沖縄尚学)を果たした格好となったものの、15安打を集めた美来工科打線も、夏へ向けてさらなる自信をつけたゲームでもあった。

 1回、美来工科は一死から古謝僚人がセンター前にヒットを放つと、続く砂川魁の内野安打でチャンスを得たが、沖縄尚学先発の松川巧実に後続が斬られ無得点に終わる。美来工科は2回、先頭の目取真慶樹が右中間への二塁打で出塁したものの、二者連続を三振に斬るなど松川を攻めきれない。すると沖縄尚学はその裏、仲西莉音高良諒宮城良隆に3連打が生まれてあっと言う間に1点を刻む。無死二・三塁から次打者の当たりはファーストゴロだったが、美来工科にとっては痛恨のエラーで二者が生還。二死後、知念大河にもタイムリー二塁打が飛び出し一挙4点を先制した。

 追う美来工科は3回、4回と先頭打者がヒットで出塁して犠打で送った後、次打者もヒットで一死一・三塁と同じような形を作るものの、これまた同じように三振、内野ゴロとどうしてもあと一本が出ない。さらに5回には古謝と砂川の連打で一・二塁としたが、二つの三振にレフトフライとゼロが並び続けた。

 3回以降はヒット2本のみに抑えられていた沖縄尚学は6回、先頭の安里大心がセンター前ヒットで出塁すると、犠打で送って3番大兼久亮平がライト前へ運び1点を追加。二死後、仲西の大きなタイムリー三塁打でコールドゲームまであと一本と迫ったが、ここは美来工科が意地を見せて2点にとどまった。苦戦していた美来工科だったが8回、山里太壱、目取真に連打が出てようやく1点を返すと、続く神山慶樹にも二塁打が生まれ沖縄尚学松川をノックアウト。

 2番手として出てきた諸見里俊は二死満塁と粘るが、古謝が自身この日3本目のヒットをライト前へ弾き返し二者が生還した。なおも満塁とし一番の見せ場を作るがここまで。次打者をライトフライで凌いだ諸見里が、9回の表も2つの三振を奪うなど二塁を踏ませずゲームセット。沖縄尚学が昨年に続く3位決定戦を制したが、前身である中部工時代を含めて同校初の春ベスト4進出を果たした美来工科ナインの奮闘振りが光った大会でもあっただろう。

 来る夏、第3シードの沖縄尚学と第4シードの美来工科がぶつかるとすれば決勝戦のみ。両軍の3度目の対戦が、頂上決戦となる可能性が十分あることを思わされるような好試合でもあった。

沖縄尚学vs美来工科 | 高校野球ドットコム
注目記事
2016年度 春季高校野球大会特集

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.14

【春季東京都大会総括】日大三、二松学舎大附など強豪校がノーシードの波乱! 新基準バットでも9本塁打の帝京が驚異の打力で王者に

2024.05.14

【2024夏全国ノーシード校一覧】二松学舎大附、履正社、智辯学園、沖縄尚学などビッグネームがノーシードで夏に挑む

2024.05.14

広島「今季新戦力の現状通信簿」、新外国人の復活はなるか!?

2024.05.14

宗山塁(明大)ら大学ドラフト候補が放つ「強烈なオーラ」は新人アーティストの「ブレイク前夜」を彷彿させる 新連載・一志順夫コラム「白球交差点」vol.2

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.09

プロスカウトは190センチ超の大型投手、遊撃手、150キロ超右腕に熱視線!この春、浮上した逸材は?【ドラフト候補リスト・春季大会最新版】

2024.05.09

【熊本】九州学院は城北と文徳の勝者と対戦<NHK旗組み合わせ>

2024.05.12

学法石川の好捕手・大栄利哉が交流戦で復帰! 実力は攻守ともに世代トップクラス!身長200センチ右腕を攻略し、完封勝利!

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?