Interview

東海大学菅生高等学校 伊藤壮汰選手「2年連続準優勝の悔しさを乗り越えて」

2016.04.10


伊藤壮太選手

 

 修徳戦(試合レポート)で投げては最速140キロのストレートを軸に2回無失点。打っても2本塁打3打点と投打で大暴れを見せた伊藤壮太選手(東海大菅生)選手。今回は、昨夏終わってからここまでの成長の軌跡を振り返る。

肉体改造を経て、選手としてパワーアップ

伊藤壮太選手(東海大菅生)

 2014年 西東京大会準優勝
 2015年 西東京大会準優勝
ここ2年、あと一歩で甲子園を逃してきた東海大菅生。1年秋からレギュラーとなり、それを間近で見てきた伊藤壮太にとって、去年の決勝は特に忘れられない試合である。
 秋では投打を引っ張る選手となったが、3回戦で敗れベスト8入りができなかった。秋が終わってからは、伊藤は肉体改造に着手。ウエイトトレーニングを行い、主に下半身を重点的に鍛えてきた。身長は176センチだが、体重は79キロまでレベルアップした。やはり昨年と比べると、腰回り、太ももも昨年より大きくなった、さらにスイングスピード、打球の速度は速くなり、投球フォームも力強さ、躍動感が出てきたのが実感できる。
 背番号20なのは、大会直前まで膝を痛めていたためだ。何とか合わせてこの大会に臨んできた。
 2回戦の朋優学院戦(試合レポート)で、9番での出場だったが、いきなり適時打。さらに好リリーフを見せると、3回戦の都立昭和戦(試合レポート)では先発し、8回無失点。さらに適時打1本、二塁打1本を打つなど、ここまで2試合、投打でしっかりと活躍を見せていた。この活躍を見て、修徳戦で5番サードでスタメン出場。

 伊藤は第1打席で遊撃手強襲安打で適時打。そして第2打席は走者がいなかったというのもあり、「大きいのを狙っていました」とストレートを振り抜いた打球は文句なしのレフトスタンドへ。狙い通りの本塁打にした伊藤は、第4打席となった6回表にストレートを振り抜いて、今度は左中間へ飛び込む豪快な本塁打となり、この試合、2本目となった。2本目は伊藤自身、驚きだったようで、「あそこまで飛ぶのは驚きで、入っちゃったという感じです」
それが実現できているのも、一冬でしっかりと肉体強化に取り組んできたというのが大きいだろう。最初は9番からのスタートだったが、この試合で、5番になってきたように、なんとか形になってきたというところだろう。
 そして6回裏からマウンドに登った伊藤は最速140キロのストレート、スライダーのコンビネーションで2回無失点。ベスト8を手繰り寄せる投球。何度も140キロを計測しており、伊藤は、「投手としては大きく変えた点はないのですが、とにかく強いボールを投げることを意識してやっています」と投球フォームはとにかく強く腕を振って投げている。
 投打両面でパワーアップ。投打に器用にこなす昨年のイメージから一変して、パワフルなパフォーマンスを見せるようになっている。
 若林監督も、「今日の活躍は伊藤ならばこれぐらいやってくれていると思っていますし、投手としても唯一、計算が立つ投手」と評価も高い。背番号20だが、その存在感は日増しに大きくなっている。
 今年はあと一歩で敗れた先輩たちの悔しさを晴らすために、まだ進化の歩みは止めないつもりだ。

(文=河嶋宗一


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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