Column

野茂ジャパン経験のエースが2回戦で敗退 悔しさは夏へつなげる!

2016.03.27

 選抜前に今年の選抜出場に野茂ジャパン経験者がいることを紹介したが、今大会は藤嶋健人東邦)、高山優希大阪桐蔭)、櫻井一樹八戸学院光星)だった。3人とも名門校を守るエースとして上位進出を期待されたが、2回戦で姿を消した。彼らの選抜のパフォーマンスを振り返っていきたい。

藤嶋、櫻井、高山のパフォーマンスを振り返る

藤嶋健人(東邦)

 藤嶋は投手としては本調子ではないとはいえ、十分に持ち味を発揮した。2回戦の明石商戦で最速146キロを計測。140キロ前後のストレート、130キロ台のカットボール、カーブを巧みに使い分ける投球は、投手として非凡なものを示した。まだ常時140キロ台のストレートというわけではないが、さらに今後の春季大会で調子を上げて、さらにスピードボールを投げ込んでくれると期待をさせるものは十二分にあった。また多くの方が評価している打者については、打撃フォームに粘っこさを感じず、凡退を繰り返しているところを見ると、打撃面は最終的に調子が上がらずに終わってしまった印象だ。それでも打者の評価は依然として高いが、投手としてのまだまだ伸びしろは見せてくれそうで、投打の面で見逃せない選手だ。

 櫻井は、130キロ前半の直球だが、カーブ、スライダーと緩急自在の投球はまさに投手のお手本というべきピッチング。2試合通して安定したピッチング。夏へ向けて、どれだけスケールアップしているか楽しみな投手だ。

 高山は、100の力を発揮せずに終わった投手だ。昨秋に出した150キロで、どうしても勢いあるピッチングを期待されているが、やはり130キロ台の直球が多いというのは、何かしら調整法に原因があるのかもしれない。そこについては高山も意識していたところではあったものの、なかなかできなかった。ピンチの場面では140キロ台の速球を計測していたが、150キロ近い速球に標準を絞っていた木更津総合打線の勢いを止めることはできなかった。潜在能力は確かなものがある投手だけに、夏へ向けて上積みを期待したい。

 選抜での悔しさを忘れず、3人とも、夏では大きく成長した姿を見せて、主役と呼べる活躍を見せていきたい。

(文=河嶋 宗一


注目記事
第88回選抜高等学校野球大会 特設ページ

このページのトップへ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.18

【秋田】明桜がサヨナラ、鹿角は逆転勝ちで8強進出、夏のシードを獲得<春季大会>

2024.05.18

【岩手】一関二、盛岡誠桜などが初戦を突破<春季大会>

2024.05.19

【東海】中京大中京がコールド勝ちで17年ぶり、菰野は激戦を制して23年ぶりの決勝進出<春季地区大会>

2024.05.18

【関東】昌平・山根が2発5打点、東海大相模・4番金本が2ランなどで初戦を快勝、東海大菅生は山梨学院を完封<春季地区大会>

2024.05.18

【長崎】長崎西、島原中央などが初戦を突破<NHK杯地区予選>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.17

「野球部や高校部活動で、”民主主義”を実践するには?」――教育者・工藤勇一さん【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.5】

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?