Interview

バトルスタディーズ第3巻発売記念!上重 聡さん(日本テレビ)×なきぼくろ先生【PL学園OB対談 第2回】

2015.10.21

「漫画家・なきぼくろ」と「アナウンサー・上重 聡」のPL学園OB対談。第2回は上重さんも属する松坂世代についてたっぷりとお話を伺います。松坂 大輔という怪物の存在は、彼らに何をもたらしたのでしょう?そしてあの禁断の調味料「マヨネーズ」の裏話も飛び出しました!

松坂 大輔もバトルスタディーズを読んでいる!?


 

編集担当 バトルスタディーズの今後のストーリー展開を今考えているところなんですけど、いわゆる松坂世代というのは漫画以上の存在じゃないですか。

上重 はい、自分も本の中に書いたんですけど「17回の延長戦があって、大逆転があって、ノーヒットノーランを達成するというドラマを漫画に描いたら、くさすぎるでしょう!」っていうストーリーが実際に現実の世界で起こっちゃったんで。そういうのを越えるストーリーが、バトルスタディーズに出てくると思うと楽しみですよね!

なきぼくろ ものすごいプレッシャーですね…!(笑)

編集担当 そこですごく知りたい部分っていうのは、に(横浜に)悔しい負け方をして、やはり「打倒松坂を掲げてやっていた」と本の中には書かれていたんですが、みんなそうだったのですか?

上重 松坂の存在を知っていたり、実際に対戦した高校はそうだと思いますね。でもそれってすごくありがたいことで、目標が明確になるんですね。だからに甲子園出場したチームや、そこで松坂と対戦したチームがまたに再び甲子園に出てきているっていうのは、そういう目標があったからこそだと思います。

編集担当 それは一回「松坂 大輔」に触れたら、予選で負けないくらい強くなっちゃうってことですよね。

上重 はい、負けていられないっていうのもありますし、自分たちの基準値が単純に上がるっていうか。例えば140キロを投げることで満足していたやつが、145キロや150キロで満足しないといけないレベルに上げてくれるっていう。そういう単純な作業をあの世代はあいつ(松坂)が一人でやってくれたってことだと思いますね。

編集担当 松坂投手ってどんな人なんでしょうか?

上重 (なきぼくろ先生は)喋ったことありますか?

なきぼくろ いや、ないです!

上重 あいつ(バトルスタディーズを)読んでると思いますよ。

なきぼくろ編集担当 えー!!!

編集担当 上重さんの書籍の中に松坂さんとの対談があるじゃないですか?あれが凄く面白くて。松坂さんの圧倒的な余裕というか。あの世代ってプロでも活躍するすごい選手が集まっているけれども、その中でも違う次元にいるという感じですかね?

上重 やっぱり最後勝負して、ぎりぎりの戦いになった時に、どの人間が一番強いかといえば「余裕を持っている人間」なんですよね。それが自分らの代では松坂にしか出来得なかったことだと思いますね。
「普通に投げれば抑えられるから」って言えるのはすごいことで、自分もPLのエース番号を背負いましたけど、そんなこと思ったことないですもん。「負けるかもしれない」とか「打たれたらどうしよう」って思ってたので。やっぱりそういうところは、ずっと対談して聞いてみたかったのでよかったです。

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[page_break:怪物は20年スパンで神様から送り込まれる]

怪物は20年スパンで神様から送り込まれる

対談中の上重聡アナウンサー

編集担当 あの余裕が凄いんですよね。

上重 はい、決して上からではなく、超越した世界にいるんです。だからそういう人が怪物だと思うんですよ。ずっと江川(卓)さんと番組をやっていた時に感じたんですけど、話が大輔とリンクするんですよ。ちょっと力を抜くとか、本気を出さないとか。7番、8番、9番には本気を出さないんだって!(なきぼくろ先生に)だから、お前は松坂の本気のボールを見られないんだよ!俺も8番だったから見てない(笑)

なきぼくろ ダルビッシュ 有の時もそうでした!(笑)

編集担当 あー、ダルビッシュ選手とも練習試合したんだっけ?そういう人は、やはり才能なんですかね?

上重 そうですね。能力、才能。もう持って生まれたというか、そういう星の下にいるというか。努力っていう次元じゃない気がするんですよね。怪物って域の人は神様が指名している。「君は怪物だから世の中を面白くしなさい」じゃないですけど。それで、考えていたんですが、その怪物のスパンって20年とかだと思うんですよ!

編集担当 じゃあ次は清宮 幸太郎選手ってことですかね。

上重 大輔以降で言うと、ダルビッシュ選手は怪物になったのはプロになってからだと思っています。だから高校時代に怪物になった人っていうのは大輔以降でいうと、私はまだいないと思うんです。マー君(田中 将大)もどちらかというと、あの24連勝で怪物になった気がするので。

編集担当 確かにそう言われてみると斎藤 佑樹選手は甲子園の時が、という印象ですしね。

上重 そういう意味では清宮君にその匂いはしますね。

編集担当 松坂投手の前は、やはり「KKコンビ」ですよね。

上重 はい、そうですね!だからやっぱり20年のスパンで神様が送り込んでくるんじゃないかなって思うんですよね。

編集担当 松坂世代って記念大会で出場校もいっぱいあって、すごく面白いですもんね。

上重 次は、選手権大会100回大会じゃないですか。私の時が80回なんでちょうど20年ですね。

編集担当 清宮選手のライバルが出てくると、いいですね。

上重 そうですね、ピッチャーで怪物が出てくると面白い。もちろんそれで対戦したり、同じ世代も影響を受けるんですけど、その怪物がひとりいることによって上下5年くらいも影響を受けるんですよ。だから20年くらいに1回でいいかなっていう神様の判断だと思うんですよね。

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[page_break:マヨネーズの先に甲子園がある!?]

マヨネーズの先に甲子園がある!?

なきぼくろ先生

上重 ところで、作品ではそれぞれの代をイメージしているの?

なきぼくろ 自分たちの代は参考にしています。上級生はモデルはなしで。

上重 へえー、そうなんだ。俺これ、どれが今江(敏晃)なのかな、桜井(広大)はしばくからどれかなって(笑)、いつになったら俺登場してくるんだろうって思ってました!

編集担当 やっぱり先輩の話を聞いてると、(PL学園の)ルールって毎年変わっていくところがあるみたいで。なので、基本、なきぼくろの代のルールを参考にしてますね。

上重 でも、似ているというか同じところもあって。チームを変えていこうとしている世代だと思うので、読んでてすごく新鮮でした。

編集担当 あと…なきぼくろから、マヨネーズの話をよく聞いていたのですが…(笑)

上重 「マヨネーズ禁止」の話ですね!何か我慢する部分ってすごく必要だと思うんですよね。それがなぜマヨネーズなのかは分からないんですけど。マヨネーズは食堂の手の届くことろに置いてあるんですけど使えないっていうこの距離間と、甲子園っていう全く見えないものの距離間と、このコントラストが同じなんですよね。マヨネーズの先に甲子園があるみたいな。この近そうで遠いマヨネーズを使うためには何か我慢しなくてはいけなくてっていう部分がありました。

 それがモチベーションになるんですね、「俺らだって1年生の時期を乗り越えたらマヨネーズを二回りくらいかけられるんじゃないか」っていう(笑)。甲子園って言われても、1年生の頃ってピンとこないじゃないですか。でもマヨネーズって言われたらわかるっていうこの感じは、PL学園上手いなって思いますね。だから私マヨネーズ禁止は天才的な発明だと思ったんですね!(笑)

編集担当 すごい頑張れば我慢できますもんね、誰が考えたのでしょうか?(笑)

上重 代々昔の人に聞いてもマヨネーズ禁止だったっていうので。(なきぼくろ先生の時は)マヨネーズ禁止だった?

なきぼくろ はい、調味料禁止でした。

 マヨネーズ禁止のエピソードは、実はとても深いものだったのですね!次回は、上重さんやなきぼくろ先生が考えるエース像や、アナウンサー、漫画家像についてお届けします。PL学園で学んだことは、どこにでもつながるものだったようです。こうご期待!


注目記事
・10月特集 今こそ鍛えたい!守備のキホン
・2015年秋季大会特設ページ

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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