試合レポート

二松学舎大附vs桐朋

2015.09.23

二松学舎大附圧勝、橋本とどめの3ラン

先発・中尾 紘章(桐朋)

 組み合わせの関係で、20日が初登場となった二松学舎大附。しかし今年の二松学舎大附は強いという評判を、他の1次予選の会場で聞いた。大江竜聖今村大輝のバッテリーをはじめとして、経験豊富な選手が多いので、そうした評判も当然かと思うが、それだけではない。

 代表決定戦の相手は桐朋。序盤は桐朋も善戦した。桐朋の先発・中尾 紘章はスリークォーター気味のフォームで体全体を使い、キレのいいボールを投げ、1、2回は安打を許さない。

 一方、今大会注目の二松学舎大附の左腕・大江は、体が一段とたくましくなり、球威も増してきたが、初回は四球を1つ許しただけだったが、22球を投げ、やや苦しんだ。

 二松学舎大附の市原 勝人監督が、「もう1回ゼロだったら展開は分かりませんでした」と語る3回裏、一死後、8番の大江自らライトオーバーの二塁打を放ちチャンスメークをする。9番鈴木の四球の後、打席には1番の三口英斗が入る。主将で遊撃手の三口は初球を右前安打にしてまず1点。続く鳥羽 晃平の左前安打で1点追加。3番市川 陸の内野安打の後、4番に入っている1年生の永井 敦士の内野ゴロの間にもう1人が生還して、この回3点を入れた。

「三口のヒットの1点で終わらず、追加点が取れたのが大きかったです」と市原監督が語るように、こうなると二松学舎大附は止まらない。


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2015年秋季大会

3ラン本塁打を放った橋本 雅弥(二松学舎大附)

 4回裏には無死満塁から9番鈴木がライトオーバーの三塁打で三者生還。続く三口も左中間を破る二者連続の三塁打で1点追加。さらに三塁手の失策で三口も生還。なおも走者を2人置いた状況で、6番橋本 雅弥がライトフェンス越えの3ラン本塁打を放ち、5回コールドが成立する10点差以上の差がついた。橋本は昨年の秋は4番を打ったが、結果を残せず苦しんだ。橋本が本領を発揮すれば、打線は一層厚みを増す。

 この回目に付いたのは、島根 寛人が代走、平野 潤が代打といったように、前のチームでレギュラーだった選手が、交代要員で出場していることだ。「平野潤は、調子はいい。ただ落ち着いてしまうところがあるので、危機感を持ってほしいのです」と市原監督は語る。

 前のチームでバリバリのレギュラーであっても、新チームのレギュラーは保証されない。チーム内の激しい競争が、チーム力を一層高めている。

 この試合は12対0、5回コールドで二松学舎大附が勝ち、都大会出場を決めた。この試合大江竜聖は5回を投げ、被安打1、奪三振7で得点を許さなかった。

 桐朋の田中隆文監督は、「マシンで速い球は打ってきましたが、実際にやるのとは違いますからね。もう少し、無駄な点をやらないようにしないと」と語った。

 一方勝った二松学舎大附は、都大会でも優勝候補に挙げられるだろう。この秋季都大会は、日大三帝京東海大菅生関東一らが高いレベルで優勝争いをすることになりそうだが、最も注目されるのは、清宮幸太郎のいる早稲田実であろう。「東京の高校野球が注目されることは、励みになります」と市原監督。この秋の戦いは、例年以上に見どころが多くなりそうだ。

(文=大島 裕史


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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