高松商vs香川中央
高松商「圧倒的」でも緩めぬ手綱
高松商のリードオフマン・安西 翼(2年・中堅手)
「圧倒的」、この3文字に尽きる高松商の100分間だった。
今夏香川大会に続き元日本ハムファイターズ・横浜ベイスターズ投手の松家 卓弘が責任教師としてベンチ入りするなど、充実のスタッフ陣で県内中堅校の地位を固めつつある香川中央に対し、打線は4投手全てから安打を奪う計10安打10得点。4回表には5番・美濃 晃成(2年・二塁手・右投左打・170センチ64キロ・高松市立古高松中出身)が撃った瞬間にライト芝生席到達と判る、7回表には二塁送球タイム1.9秒台の強肩も光った4番・植田 響介(2年・捕手・右投右打・180センチ80キロ・東かがわ市立白鳥中出身)が滞空時間の長い左翼芝生席へのソロアーチ。いずれも回の先頭打者としては最も効果的なフルスイングで出した結果である。
守っても高松商は「浦に頼りすぎた夏の反省を踏まえて昨日先発を伝えた」(長尾 健司監督)右サイド・多田 宗太郎(右投右打・182センチ73キロ・東かがわ市立白鳥中出身)が右打者インコースを突く120キロ前後ストレートと110キロ台シンカーのコンビネーションで香川中央打線を7回76球2安打6奪三振無失点。エース・浦 大輝(2年・右投右打・179センチ78キロ・香川県立高松北中出身)を投入せず進めたベスト8には指揮官も「素晴らしい。ナイスピッチ」と手放しでの喜びようだった。
四国4県の新チームを見渡してもインパクトは一番。全くスキなし。それでも高松商・長尾監督は全く手綱を緩めることはない。「高商は走るイメージを与えられた。そこでミスを誘えたことはよかった」と、一塁ゴロで全力疾走し失策を誘った1番・安西 翼(2年・中堅手・170センチ58キロ・右投左打・高松ボーイズ出身)が先鞭をつけた全力疾走は評価しつつ、こういって気を引き締めた。
「ここから上のレベルじゃないと勝てない。緊張感を持って低い打球を打てるように修正していきます」
「勝てない」の指示語は香川県でも四国でもない。「全国」であることは明らかだ。
(文=寺下 友徳)
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