【春季大会展望】実力伯仲の兵庫県大会展望!
今春は、県内からの選抜出場校はなく、これは兵庫県勢にとっては33年ぶりの事態だった。そのため公式戦の経験値という面から見れば全く差がない。今春は全校が選抜に合わせて調整するのではなくしっかりと鍛える冬を過ごして迎える。優勝候補としては神戸国際大附、報徳学園が有力だが上位グループの差は拮抗しており本命不在の戦いが予想される。
社・市川ブロック
井上 理央(東洋大姫路)
昨秋ベスト8に入った高校は1校もないが有力校は多い。昨夏準優勝の三田松聖は好投手を擁し公式戦7試合中6試合が2失点以下。失点が計算出来るのが強みだ。
シードとなっている社は、公立校ながら昨夏ベスト4など何度も上位に進出している。反対ゾーンは東洋大姫路と兵庫市川でベスト8入りを争いそう。
東洋大姫路にとって、三田松聖は昨夏5回戦で敗れ甲子園への道を絶たれた相手。対戦が実現すればリベンジを果たしたい。兵庫市川は地区予選3試合全て完封勝ちの成績が光る。
市立西宮・育英ブロック
竹中 健志朗 (育英)
ベスト4進出の最有力候補は育英。地区予選の3試合は28得点で失点4と圧倒した。対抗は昨春の準優勝など近年の安定した成績が評価され2年連続21世紀枠に選ばれた姫路南。朝練は全員参加だが寮は無く1時間半かけて通学している選手もいる。特徴的なのは体育の授業で毎回1500m走のタイムを計測しており、部活動以外でも走り込みの量は豊富だ。
他の有力候補は昨秋ベスト8の須磨翔風や、その須磨翔風と初戦で当たる市立西宮か。
市立西宮はマネージャーを含む部員全員が何らかのリーダーになっており、野球技術に直結するリーダー以外にも応援で太鼓を叩く選手が掃除リーダー、マネージャーが整頓リーダーを務める。他にもメンタルリーダー、食事リーダーなどがあり全員が一丸となって試合に臨む。
コラムに登場する高校の野球部訪問は以下から!
県立姫路南高等学校(2014年06月22日公開)
三田松聖高等学校(2012年09月28日公開)
津名・報徳学園ブロック
竹村 陸(神戸国際大附)
昨秋優勝の神戸国際大附と準優勝の報徳学園が同じブロックに入った。神戸国際大附は公式戦10試合で78得点と打線が強力。近畿大会では初戦で敗れ選抜出場を逃したがその試合でも7得点を挙げている。初戦の相手は部員13人ながら県大会出場を果たした夢前。また、同ブロックには、昨秋3位の津名や、優勝候補の一つである報徳学園もひしめく。
その報徳学園にとっても初戦の相手は打線に力がある川西緑台で楽な相手ではない。優勝候補校にとっても苦戦しそうな相手が多いブロックとなった。
科学技術・滝川第二ブロック
谷川 悠希(関西学院)
神戸国際大附、報徳学園に次ぐ優勝候補として名前が挙がるのが滝川第二。昨秋は準決勝で報徳学園に敗れたが地力はある。甲子園には2012年夏に出場を果たしているがその前となると1999年まで遡る。近年も上位までは行くがそこからの壁を中々破れずにいた。ただ今年は力のある選手が揃い、2強とも十分に渡り合える。県内の有力校から全国区の強豪へと名乗りを上げる年に出来るか。
追う一番手は昨秋3回戦で滝川第二に敗れた関西学院。下級生の頃から投げている谷川 悠希(3年)は球威が武器の右腕。2点差で涙を呑んだ秋のリベンジに燃える。
5地区を勝ち抜いた35校が出場する県大会でベスト16に入れば夏のシード権が獲得でき、決勝に進んだ2校は夏も決勝まで当たらないように振り分けられる。今春は昨秋の上位3校が同ブロックに入ったため夏も大会序盤から中盤までにぶつかる可能性がある。大本命不在の兵庫を制するのはどの学校か。
(文=小中翔太)
コラムに登場する高校の野球部訪問は以下から!
県立姫路南高等学校(2014年06月22日公開)
三田松聖高等学校(2012年09月28日公開)