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21世紀枠 各地区候補 紹介!松島(宮城)

2014.12.17

21世紀枠 各地区候補 紹介!松島(宮城)

21世紀枠 各地区候補 紹介!松島(宮城) | 高校野球ドットコム
東北大会初勝利の松島ナイン

 第87回選抜高校野球大会の21世紀枠の各地区候補9校が発表された。高校野球ドットコムでは、各候補校の推薦理由と地区選考状況を1校ずつ紹介をしていく。第2回は東北地区の松島を紹介!

 東北地区:松島(宮城・県立)

・高校別データ:松島
・学校創立:1948年 生徒数:578人(男子253,女子325)
・野球部創部:1983年 部員数:24人 甲子園:出場経験なし
秋季宮城大会3位、東北大会2回戦 

【推薦理由】

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東北大会勝利に喜ぶ松島バッテリー

 日本三景のひとつ「松島」のある松島町の学校がある。1948年宮城県塩釜高校定時制松島分校として開校し、1963年に全日制課程が加わり、1983年に女子校から共学化。2014年に県内初の「観光科」が設置された。

 野球部は男女共学化となった1983年創部で、慢性的な部員不足に悩まされながらも活動を続け、2006年夏の第88回選手権宮城大会ではベスト8に進んだ。2006年に行われた地区予選の地区割再編により、仙台・塩釜地区を中心とした仙塩地区から石巻・気仙沼を中心とした東部地区に移り、「打倒仙台地区」を掲げる支部の熱意を感じ、少人数でありながらも支部で行う育成事業・技術講習会に進んで参加をしてきた。

 近年、同支部から石巻工東陵が甲子園に出場したことを受け、チーム内において地区予選をしっかり戦えば上を目指すことができるという明確な目標ができ、好試合重ねることによって、それが自信となり現在に至っている。

 今年の秋季県大会では公立高校で唯一ベスト4に残り、宮城県3位として東北大会に初出場。東北大会では1回戦で宮古商(岩手)(試合レポート)を相手に勝利を飾り、2回戦では準優勝した大曲工(秋田)に延長戦の末2対3で敗れたが、最後まであきらめない姿勢を見せ、安定した投手力と打撃力は他と引けを取らないものがあった。

 野球部が東北大会に出場することにより、学校では開校以来初となる壮行会の実施や、全校応援など愛校心を育むうえで必要な一助を担った。全校応援では3人の3年生部員がリーダーになり、全校が一体となった応援が見事なものであった。

 野球部員は町内もしくは隣接する市町村からの生徒で、実社会に適応した人材の輩出をモットーとする学校の指針に従い、商店街の販売実習や地域に根ざした活動として稲刈りも行うなど、地域から多くの期待を受けている。また、地域貢献として神社の裸参りの参加や名物カキ祭りでのボランティア、学校の伝統行事である「歩け歩け大会」においては町内の清掃活動をしながら参加するなど、町民からの評価は高い。

 2012年から指揮を執る小原一志監督のもと、選手一人ひとりの行動が繰り返しの指導を受ける中で成長を遂げる姿は、町民はもとより被災地・宮城の県民の大きな希望を与えてくれている。これからも大輪の花を咲かせてくれることを期待して、21世紀枠に最もふさわしい学校としての推薦となった。

【地区選考状況】

 東北地区各県理事長による推薦校の説明と各校推薦基準を満たしているかの確認があり、その後に質疑応答を行った。各校の特徴について甲乙付け難く、戦績を加味して第1次選考を行った。そこで宮古商(岩手)と松島の2校に絞られた。最終選考では2校の特徴を再度確認。両校とも東日本大震災の被災地であり、困難克服の特徴なども似ていた。松島は昨年も宮城県の21世紀枠校に推薦されており、その結果、学校の様子が大きく改善され、良い状況が続いているという。

 野球部員の学校と地域に対する貢献度の大きさからわずかの差で松島が東北地区の推薦校に決まった。また東北大会直接対決をしており、松島が勝利。その戦績を上回る特徴が宮古商になかったことも理由の一つとなった。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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